8.今となっては、一般生活の中にもコンピューター世界のイメージは浸透してきているが、それは本当にこの10年あまりの間でのことだろう。 この映画の製作年は1999年で、ほんの少し前の印象はまだあるが、まさにこの時期こそが生活の中にコンピューターが浸透し始めた頃で、故にこの映画の世界観は圧倒的に革新的だったということは言うまでもない。
主人公たちが闘う場所は、コンピューターに支配されたバーチャル世界で、対峙する敵はそこに組み込まれた“ソフトウェア”だというのだから、設定のセンセーショナルさだけでも今作の価値は揺るがなかっただろう。
まさに観た事がなく、そして理解もされにくい世界観を、完全なるビジュアルで紡ぎ出したことで、この映画は唯一無二の存在になったと思う。
今作はこの後2つの続編が公開され3部作となっている。 「リローデッド」、「レボリューションズ」とマトリックスサーガを見終わって改めて思い起こされたのは、オリジナルである「マトリックス」の面白さだった。
続編である2作と比べると明らかに単純ではあるが、その単純さこそ究極の「面白さ」だったのだと感じる。 そう考えると、相当に複雑に作りこまれた印象の続編2作品に対して、この第一作目の映画としての完成度の高さが際立ってくる。
マトリックスサーガは、壮大な「謎」に対する「答え」を求める闘いを描いた物語だと言えると思うが、映画において必ずしも「答え」を描くことは必要ではないということを感じる。
第一作「マトリックス」のラストにおける圧倒的な高揚感は、その先の答えを求めたのではなく、その先の可能性に対する無限の予感によるものだったのだ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-25 17:42:25) (良:4票) |
7.《ネタバレ》 ラストの「シュワッチ!」が友達連に物議をかもし出した稀有な作品です。いやーカッコイイ!新しい!!当時はホントにビックリしました。ここまで、カッコつけることとクリエイティブであることに全力を注ぐ作品があっただろうか!整合性については2の次、3の次!たとえば銃撃戦での側転平行移動。まさに銃の標的!私はむしろドキドキしましたね。整合性よりもビジュアルを選んでいる姿勢に感激しましました。難クセがつかないように設定の整合性ばかりに気をとられ、結局小さく纏まってしまった映画は腐る程観てきましたが、マトリックスはノリ・ノリ・ノリ・ノリ!スタイリッシュにクールです!しっかも、主人公が救世主だなんて、最近の物語ではみうけられなくなったパターン。(多分嘘ッっぽくなるのが嫌で避けられているのでしょう)。いや、ホントに久しぶりですよ。爽快ですよ。これぞヒーローでしょう!ラストの「シュワッチ!」。色々な矛盾に眉をひそめていた友達はコレを観た瞬間に、マトリックスを観る姿勢が間違っていたコトに気づいたそーです。「お子様ヒーロー戦隊番組に向かって、何故悪役怪獣総出撃でヒーローを一気に叩きつぶさないのかって言っているのと同じなんだね。」だそーです。とにもかくにも、ワイヤーアクションをスタイリッシュに魅せた先駆者的作品であることは間違いないと思い、そしてこれ以上のヒーローアニコミ映画はできないとだろうと思い、ヒーローアメコミ映画に満点をつける最初で最後の機会と思い、満点の10点! 【夢の中】さん 10点(2003-12-09 03:30:23) (良:1票)(笑:1票) |
6.設定が大好きです。現実がマトリックスであると気付き、そして確信さえすれば、壁を走りビルを飛び越え呼吸すら不要となる(思うに弾を避けるよりもセンセーショナルだと思うが)という点。宇宙人と同化しなくても改造手術を受けなくても遺伝子蜘蛛に刺されなくても、気付くだけでスーパーアクションが出来ちゃうんだもの!!あ、今思ったんだけど、川上哲治ってちょっと気付いてたのかな(笑) 【ガーデンノーム】さん 10点(2003-10-18 05:54:14) (良:1票)(笑:1票) |
5.この世界観はすごい!SFとしては使い古されたテーマではあるが,この作品はSFの範疇を超えている.まさに現代の聖書ではないかと思いながら興味深く鑑賞した.テクノロジーが超高度に発達した舞台設定で,最新のSFXを駆使して制作されながらも,伝えようとしたことは2000年も昔にキリストが伝えようとした「愛すること,また,自分や他人を信じることの大切さ」である.この崇高なメッセージに,現代性と娯楽性を持たせ,また,多少与太話的にくずし,より多くの万人に伝えようとする統一の取れたセンスのよさから判断して,(宗教)映画の到達点を極めてしまったのではないかと思う.製作者がどの程度の理解や思いを持って作っているのかは定かではないが,見る側が考えれば考えるほど興味深い映画だ.宮崎アニメが人文学・社会学的面から追及される対象であれば,この作品はそれ以上にふさわしい研究対象であろう.ラストシーンの愛のパワーにはほんとうに驚いた.このシーン以上に愛のパワーを単純明快に表現した作品があるだろうか.まさに現代の最強神話登場!である. 【そのてぃ】さん 10点(2003-07-21 23:53:52) (良:2票) |
4.この映画はストーリーは関係ない。映像が全てですよ。そういう意味で10点です。傑作です。 【狼さん。】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-06-04 06:44:13) (良:1票) |
3.とにかく見よう見ようと思いながら見るのが遅れた作品。2年後くらいかなぁ。もういいやって思ってたけど見て正解。発想の面白さ。ありえないけどありえそう・・と言った微妙な感覚。ストーリーがとてもうまく出来ている(難しいので何回も見た)ので、不可解な部分を含めて納得している自分がいた。って多分、今までで一番回数を見た映画かもしれないです。(私は)何回観ても苦になりません。 【epitaph】さん 10点(2004-01-23 18:49:31) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 先々行オールナイトで見てやられ、先行オールナイトでもう一度見に行き、職場の同僚に金は払うから見ろと言って見せたりで、なんだかんだで6回は見に行った映画。派手なアクションに目を奪われがちだが、じつは高度な「気づき」の謎かけ映画である。予言者がネオは救世主ではないと告げる→あるいは後世でなら(今の人生では救世主になれない)→ネオ、スミスに射殺される→復活→つまり後世で救世主として目覚める…こういった説明のされていないカラクリが随所にちりばめられているので、派手なアクションに目を奪われて陳腐だと感じてしまった人や、そういうオタクっぽい映画探索に魅力を感じない人は見ないでいいかもしれない、言ってしまえば判らない人には判らなくていい。ゆえに評価の高い人と低い人の感じ方には、あきらかに一線を画しているように思えるのだ。私はと言えば、もちろん一線の向こう側に踏み込んでしまった人間である。 【ウーフー】さん 10点(2003-10-13 23:42:49) (良:1票) |
1.「スター・ウォーズ」の時に、R2D2を見た衝撃度を思えば、マトリックスの衝撃度も、やはり、このランク。しかも、初見の時よりも、2度目、2度目より3度目と、味わいが深まるのは、ネオに集中して描かれたストーリー性の賜物。何より、キアヌ・リーブスの役者としての魅力を、最大限に引き出した一作。キアヌの魅力は、どうしていいか分からないまま引き摺られる受け身的な、その曖昧さで、本作は、そんなキアヌの持ち味を十二分に引き出して、映画の養分にもしている。日本アニメやSFのパクリと、突っ込み所は山程あっても、それを、一度はやってみたい夢に見るようなアクションと、変にべたつかないロマンスに絡めて、やっつけたい奴をやっつける快感を満喫させてくれて、でも、ほんの少し緊張感の残るラストを、過不足のないキャストで、見事に実写で映像化した本作は、やっぱりパーフェクトなんだなぁと、思う。無論、マトリックス全容の評価は、「レボリューションズ」を待たなくては、出来ないけれど。 【由布】さん 10点(2003-06-09 00:54:31) (良:1票) |