8.私は、プチパラノイアな人間なので、今でもたまにこういうことは考える。昔から、風呂に入る前に脱衣所で服を脱いでいる時などに、《今、私は風呂に入る気満々で思いっきりまっぱでいるけれど、それは私だけが勝手に作り出した現実で、実はここは学校の教室で、しかも授業中で、みんなはいきなり脱ぎだした私を唖然として見ているのかも…》とか。あは…はは…はは…。まあ、色んなバージョンがあります。それが中学校の時、某ギャグ漫画で似たようなことが描かれていて、そのコミックが友人間で流行った時、「ああ…あたしも思ったことある…」と静かにつぶやく友人が続出し、「なんだ…私だけじゃなかったんだ…」と密かに安心した。この映画はそういう妄想を、莫大な制作費を費やして、思いっきり実も蓋もなく堂々と提起した、サイコ映画な訳です。それを、先端的な技術やアクションを馬鹿みたいに惜しみなくぶち込むことにより、オブラートに包んで、大衆性を持たせた。ウォシャウスキー兄弟が、自身の引き出しの中に持っていたあらゆるオタク要素を詰め込み、作り上げたバーチャル・リアリティ。究極の夢オチ映画。根本を見ると、もともと人間がどこかで考えていたことを素直に表現しただけのごくごく素直な映画。ただ、今までそれを表現する手腕を持つ人が現れなかった。ウォシャウスキー兄弟は、凄い。オタクの力は、怖い。 【ひのと】さん 8点(2004-01-03 16:34:31) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 思えばこの映画から、ただ最新のCG技術と撮影法を駆使してただただ格好良いアクションシーンだけを撮りたかった映画という新ジャンルが始まったのではないだろうか。もう矛盾だらけのストーリーや設定なんか刺身のつまのようなもの。いかにグラサン主人公たちが派手にスタイリッシュに暴れまくるかだけをひたすら追求したその姿勢は、良くも悪くも賞賛に値します。もう、ネオたちが飛び交う銃弾の嵐のなかをスローモーションで駆け巡る映像なんか、初めて見たときはほんと身体の芯から痺れました。ストーリー(特にヒロインのキス一つで主人公が無敵になるラストとか)は、まぁ失笑でしたけど。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-05-08 16:52:37) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 公開当時、一方には本作の斬新さに対する称賛があって、もう一方には既存の要素をシャッフルしただけじゃないかという批判がありました。現在になってあらためて鑑賞すると確かに本作のテーマは目新しいものではないのですが、哲学的なテーマを娯楽アクションでやろうとした試みは非常に斬新であり、かつこの試みを成功させてしまったウォシャウスキー兄弟の監督及び脚本家としての能力の高さは並外れています。それまでの映画界では、一方に「スターウォーズ」のような娯楽大作があって、もう一方に「2001年宇宙の旅」のような難解な作品があって、これらは水と油だったわけですが、「マトリックス」は難解さと面白さの融合を成功させてしまったわけです。また、きちんと作り込めば難解なテーマであっても観客は付いてくることを本作が証明し、ハリウッドのマーケット観や意思決定のあり方も大きく変えてしまいました。もし本作がなければ、ノーラン版バットマンなどは登場していなかったでしょう。とにかく脚本の完成度が高く、「信仰と哲学」という難解なテーマを一般の観客にも分かる形で提示し、かつそれを刺激的なビジュアルと燃えるアクションに絡めて物語を構築しています。隠喩に満ちたセリフは禅問答のようで一見すると不親切なのですが、一般の観客が付いて来られるギリギリのところで難解さを留めておいたサジ加減は絶妙であり、理解可能な節度を保ちつつ観客に考える喜びを与えたという意味では最高のサービス精神が感じられます。また、アクション映画としても本作の脚本は際立っています。象徴的なのがエージェントの扱いで、「エージェントは圧倒的に強く、もし彼らと鉢合わせると殺される」というセリフがしつこい程に繰り返されるおかげで、エージェントが登場するだけで画面に緊張感が漂います。ネオを逃がすためエージェントに挑んだモーフィアスの自己犠牲も、エージェント・スミスとの戦いを決意したネオの確信も、クライマックスのチェイスの緊張感も、「エージェントに追いつかれる=死」という擦り込みが徹底されていたからこそ、それぞれの意味が際立つ形となっています。一方で、公開当時絶賛されたビジュアルについては、現在見返すと多少のアラが気になります。ネブカデネザル号や人体発電所のCGは本編から浮いてしまっているし、カンフーやワイヤーアクションは役者が慣れていないためかヘタクソです。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2010-08-07 02:20:57) (良:1票) |
5.こりゃまあ、どうしたって、「予告編で盛り上がったこの気分、どうしてくれるのか」と言いたくなるような肩すかしは感じざるを得ない訳で、いざ観ると「え?もっとスゴイ映像を期待してたのに??」と思っちゃう。でもそれは、あまりにもバカ映画魂にフィットし過ぎた映像を事前に見せられ、期待が膨らみ過ぎたから。やっぱりここは「よくぞやってくれた」と言っておきたい。ストーリーも「バーチャルリアリティーもの」と言ってしまえば何だかありきたりだけど・・・それを「オチ」として使っちゃあ確かにありきたりだけど、ここまで正面からバーチャルリアリティー世界を描いたのは大したもの。見た目に貧相なエージェント・スミスが「強敵」という白々しさもナイス。ウソっぽいアクションシーンや、スピード感を損なうスローないしブレットタイム撮影、この辺が本作の微妙なところでもあるのだけど、別にいいじゃない、作品のひとつのカラーとして受け止めたい。それに、何だか大味なだけの映画のように言われがちだけど、なかなか小技も効いていて、例えばマトリックスを象徴する、緑の文字が上から下へ流れていくあのイメージが、映画前半で「窓掃除の流れる洗剤」「滝のように流れる豪雨」といった映像で予告されている、というイタズラも。よくも悪くも映画のひとつの限界に挑んだ映画だと思います。過去の表現方法を流用した当たり障りのない「良い映画」を作るくらいなら、本作みたいなバカをとことんやって欲しい。その方向が間違ってりゃ淘汰されるだけだし、またそれが次の表現方法を生むエネルギーになろうと言うもの。 【鱗歌】さん 8点(2004-07-03 22:59:01) (良:1票) |
4.攻殻機動隊、ブレードランナー、カンフー映画などなど監督のお気に入りをこれでもかと押し込んだオタク節全開の映画なのに、エポックメイキングな扱いになってることが不思議でならない。新しいのは映像技術だけなのに・・・。でもこれだけやりたいことをガシッとやられると、また面白いものだから映画って不思議なものだ。ただ、どこをとってもオリジナルに比べて見劣りするところは否めない。(ジャッキーチェンのすごさをこの映画によって再認識した人、多いはず)ただし、ネタもとがどれも偉大な傑作ばかりだからしかたないけど。この映画がもたらした1番の功績はDVDの普及に多大な影響をもたらしたことにある。確かにこの映画、チャプターで好きなシーンだけ見るのが実にありがたいもので、私はNO29「ロビーの大乱射」ばっかり見ている次第。でもストーリーは結構面白いし、なにより仮想現実という設定を持ってきてやりたい放題やっちゃう監督の発想にやられたので、この点を。 【goose】さん 8点(2004-02-02 22:18:36) (笑:1票) |
3.これが一番!!!何度見てもそう思う。よけいな事考えなくて良いし感覚で楽しめる。 |
2.この映画の世界観(この世界は全て現実ではない)、映像のトリッキー感は、まさしくドラッグであると思う。製作者はぜったいドラッグ使用したことがあると断言できる。 【HAL9001】さん 8点(2003-07-30 21:42:14) (笑:1票) |
1.仮想でもいい!たくましく育ってほしい。 【代打、八木!!】さん 8点(2003-06-27 10:55:55) (笑:1票) |