4.あんまりにもファザコンすぎないかと思っていたら題名を思い出して納得。家族、社会、日常的、普遍的なものを様式化することでその壮厳さを描いている。 【michell】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-02-12 01:23:56) |
3.小津安二郎監督作品、それは、私にとっては欠かすことの出来ない俳優、理想の父親像でもある笠智衆という俳優の存在あってこそ、笠智衆さん無くして小津作品を語れない。少なくとも私にとっての小津作品、私にとっての笠智衆という俳優はそういう存在なのであります。ですから、当然、この作品も私は観たいと思って、借りてきて昨日、観ました。感想としてはやはり良かったです。小津監督の作品はほとんどカメラを動かすことなどせず、台詞にしても無駄な台詞はほとんどない。俳優の演技とそれを映し出すカメラワーク、構図とでも言うべきか?見事に決まっていて、静かであることがこれだけの良いショットを捉える事が出来るのだと思います。例えば釣りのシーンが良い例で、親子でただ釣りをしているだけなのに父と子、二人の思っていること、言いたいことが映像として台詞などなくても聞こえてくる感じがします。やはりこういった事、ひとつだけでも小津監督の映画には今の映画にはなかなか見られない。ないものがある。良い映画っていうのはそういうものではと思うのであります。とにかく小津作品は観れば観る程、はまるものがあります。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-02-28 20:36:25) (良:1票) |
2.ロシアで別の版のフィルムが発見されたらしい。音声は日本に残っているフィルムよりもかなりいいらしい。この作品はまだ30代にして既に老成しているかのような小津の父-息子観、死生観がうかがえる。また、この時期に厚田氏のカメラもほぼ完成。 【藤村】さん 8点(2004-02-13 13:40:00) |
1.《ネタバレ》 6年前の「一人息子」(母と息子)と対をなすような父と息子の愛情もの。どちらも息子のために親は懸命に働いて生き、息子は親を思うというものだが、こちらのほうが好き。この父は教師時代、自分の直接責任ではないが生徒を死なせたことで教師を辞め、子供の学資のために一人離れて働く。立派に教師として成長した息子と1週間すごしているときに突然死んでしまう。このいまわの際に父は「お父さんは一生懸命生きてきた、悲しむことはない」と満足そうに死んでいく。人生を子供のために生きて悔いない姿は印象的で、黒澤の「生きる」の志村喬の姿に重なって感動的だった。残念なことに映像状態がとても悪く、特にセリフは半分以上も聞き取れなかった。ここだけはと思った臨終の言葉は幸いにもなんとか聞き取れたので良かった。これは字幕をつけるかシナリオでもないと評価ははばかられるが、笠さんの父親が感動的だったのでとりあえずこの点数。 【キリコ】さん 8点(2004-01-10 12:53:52) |