4.《ネタバレ》 なんでも増村・若尾コンビは全部で20本ああるそうですが、たぶん本作がその最高傑作というか極北に位置することは間違いないでしょう(全部観てるわけでもないのに偉そうですが)。だってほんと凄いんだもの、現役の映画作家ではその描写のエグさ・凄まじさはとうてい真似できないと思います。そりゃエグいスプラッターは日本でも撮られていますが、両腕を切断された兵士の性処理をナースがしてあげる描写なんて、当たり障りのない題材にしか手を出さないを製作委員会方式が幅を利かせている現状では絶対にありえません。まるで魚を捌くように手足を切り落としてゆく野戦病院、そして「俺は人命を救っているんじゃなくて〇〇〇を量産しているようなもんだ」と自嘲する軍医、ここら辺は『ジョニーは戦場に行った』に通じる不条理があって究極の反戦映画とも言えそうです。若尾文子もいい思いをさせてもらった男はみんな黄泉の国へ引っ張って行っちゃう、これじゃまるで“死の天使”ではございませんか。芦田伸介と二人で兵隊コスプレで始まるどう見たっての変態プレイはちょっと異様ですけど必見です。 増村作品の若尾文子はブレるところはあっても一途な女性というパターンが多いけど、それは本作の西さくらが完成形でしょう。ここは好みが分かれるところかもしれませんが、自分は川島雄三作品の若尾文子も捨てがたい魅力があると思ってます。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-11-14 23:29:10) |
3.確かに、天使でした…。思い残す事なく、気持ちよく成仏出きるわ。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-03-02 22:35:40) |
2.《ネタバレ》 監督増村と若尾文子(様)コンビは次の「華岡青洲の妻」で終わりを迎えるが、この作品でやること全てやりきったのでは無いか、という位の日本映画史上に残る「ド変態映画」。彼女にとって「身体を求める事」は常に死と隣り合わせであった状況下での生きている証であり、「身体を与える事」は血塗られた看護婦として残された最後の仕事・奉仕であったという厳しさ。敵の大群が攻め込んでくる中軍服コスプレプレイをしている、という時点でどうかしているのだが下手に裸を見せるよりも物凄いエロティシズムを感じてしまうのは自分だけか。戦場下で「人間性」など無意味である(バケツに無造作に突っ込まれた足や手の残骸!)事をうたいあげたこの作品は増村にとっての「反戦映画」なのだろう。ただHなシーンはともかく戦場/病院の描写、きっつーい。とりあえず増村+文子(様)コンビの映画は年代順で鑑賞すること、切に願います! 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-09-12 19:25:52) |
1.凄まじいです・・・。とてもお勧めは出来ない内容だけどこれが戦争かと...当然つくりものではあるのだけれどモノクロで良かったと思うほどの惨状。手塚治虫の漫画のような手足スプラッターシーン、ホラー以上にホラーしてます。「兵隊は人間じゃない物だ」「看護婦に心はいらない」「自分は自分、他人は他人と思わないと戦場では生きていけない」前半は見てるだけで痛いです。そして後半になるとずっと増村映画っぽくなる。いつもの粘着キャラが出てきて戦場最前線でのいちゃいちゃをはじめ、軍服コスプレ、「西が勝ちました」・・・。しかし川津祐介への看護といい大女優若尾文子にやりすぎだろ増村と・・・。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-06-24 23:32:33) |