7.終わりの方、シーツを干してる奥さんと、ザンパノ、二人の間にあるのは有刺鉄線の柵。何だか、健康的な普通の生活とは隔絶されて、もう決して立ち返ることができなくなったザンパノを象徴しているようで、妙に印象に残っているシーンです。 【鱗歌】さん 8点(2003-08-13 20:49:22) (良:3票) |
6.私にはなぜかこの二人の道行きがそれほど酷いものに見えなかった。砂浜で語り合う二人は素朴でくすぐったくて、少し幸せそうに見えた。社会の底辺で揺られながら暮らす二人の姿を思い出すにつけ、優しいテーマ曲も一緒に頭の中に流れてきて胸に堪える。くるくると目で喋るジュリエッタ・マシーナも愛らしかったけれど、粗暴で自分勝手で、心の在処が分からずに回り道をし、ラストに慟哭するザンパノという男を演じたアンソニー・クインの姿が瞳に焼き付いている。また、彼の行動を一歩離れて見つめ、突き放すことのできない感情を観るものに与える監督の手腕も素晴らしい。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-17 02:01:42) (良:2票) |
5.主役二人の性格俳優ぶりがとても際立っている作品。 粗暴なキャラのアンソニー・クインも適役だったが、 やはりジュリエッタ・マシーナの表情豊かな演技に惹きつけられる。 一風変わった設定の二人の関係がとても面白く、まるで古い日本の夫婦像にそっくり。 ラストの展開はちょっと唐突かなという印象もあるけど、テーマはしっかりと伝わってくる。 最後までリアルさを徹底的に追求した作り。後を引く余韻。名画です。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-03 07:20:39) (良:1票) |
4.男は多かれ少なかれザンパノですわ。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-31 21:52:45) (良:1票) |
3.犬と同じ次元に生きていた男の魂の遍歴。 なんといっても天使かと思えるほどのジェルソミーナの純情さには心が震えます。 音楽が豊潤で素晴らしい。
ジェルソミーナも哀れだが、ザンパノもとても哀れに感じ、愛着を感じてしまう。 特に、海に二人で行くシーンは微笑ましく、私は一番好きだ。 【タックスマン4】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-02-10 00:37:50) (良:1票) |
2.この映画をみていると「ジェルソミーナは本当はこうした方がよかったんじゃないか」などとつい言ってしまいたくなるが、そういう投げかけはどうも野暮に思える。なぜならジェルソミーナが必死だったからだ。 【クリロ】さん 8点(2005-03-23 08:11:42) (良:1票) |
1.「ラスト・サムライ」が殺戮を肯定する映画でなく、「仁義なき戦い」がヤクザを肯定する映画でなく、「ゴッドファーザー」がマフィアを肯定する映画でなく、「俺たちに明日はない」が強盗殺人を肯定する映画ではなく、「大丈夫日記」が重婚を肯定する映画でなく、「ルパン三世・カリオストロの城」が窃盗を肯定する映画でないというのと同じ意味で、本作は男の身勝手さや暴力を肯定する映画ではないと思います。後半で正気と狂気の間をさまようジェルミソーナの、正気に戻った時の表情の優しさ、美しさが忘れられない。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-09 15:52:11) (笑:1票) |