1.ええと、子供の頃、そりゃ観てましたよヤッターマン。(タイムボカンは再放送でしか観てませんけど)ヤッターマンから観始めて、一応、逆転イッパツマンまではお付き合いしました(放送時間帯が変わるまで、ということですね)。さてそのヤッターマンが、実写映画化。山本正之さんの歌う主題歌が流れたり、カメオ出演でのび太とジャイアンの声優さんが出てたり(?)、ツマラナイことで大喜びしてしまいました。それに、アニメ放送を観てた時分の子供の目から見りゃ、ボヤッキーなんて、ちょっと変わったおもろいオッサン、という感じでしたけど、今、自分もオッサンになってみると、何だか、同類を見るような視点になってしまいます。親近感もヒトシオ。なんですけども、今回、実写映画ということで、演じているのは「生身の人間」、伝わるものの重みが一味違いますね。ドロンボーたちが陽気に歌って踊る。「やられてもやられても何とも無い、無い」と。ああ何て健気なんでしょうか。このひたむきな前向きさ。しかも映画を観ていると、「何とも無い」なんてとんでもない、苦しいこと、つらいことばかりじゃないですか。ノーテンキに無意味な宙返りを繰り返すヤッターマンと、鈍重で愛すべきドロンボー達との対比。不幸を一身に背負いつつ、何とか虚勢を張り続けるドロンジョ様。ドロンジョって、こんな可愛い女性だったのか、と改めて思わされます。女子高生に取り巻かれる夢を見つつも、裸体を人前に曝すぐらいなら死を覚悟する(?)ボヤッキーの情けないまでの繊細さ。そんなボヤッキーをひたすら慕うトンズラー。ああ、いいよね。今の時代に失われてしまったものが、ここにある! という訳で、本作を観てようやく、「ヤッターマン」という作品がほんとうに理解できた、と思いました、三池カントクありがとう!! ああ、あと、富山敬さんが生きてたらなあ。