11.《ネタバレ》 最初の一口だけでなく最後までずっと美味しい料理があります。料理人がきちんと仕事をしている一皿。喩えるなら基本に忠実な和食のような。本作はそんな映画でした。最初から最後までずっと面白かったです。洋画に和食の喩えは流石に頓珍漢ではありますけども。 脚本重視派の私ですが、本作についてはカメラワークの巧みさに唸らされました。はっとさせられる印象的なシーンや構図には意図が込められており見終えてテーマが補強される仕掛け。奇を衒った目眩ましの演出とは根本的に違うのです。いやー旨い、いや上手い。もともと職人気質の監督だと思っていましたが、本作を観て改めてその想いを強くしました。シャマラン監督というと「どんでん返し」のイメージが強く本作も例外ではありませんが、それ以上に丁寧な映画作りに関心した次第です。いやはや本当に面白い。そして大好きです。 「アメコミヒーローもの」ジャンルに対する「シン・ゴジラ」的アプローチと解釈したくなりますが、庵野監督のようなアクの強さもなければお馴染みの演出技法もありません。でもシャマラン監督作品と一目で分かるのは何故でしょう。ブルース・ウィリスが最高に渋く格好良く撮られているから?よく分かりませんが映像に「浪漫と品格」があるのは確かかと。子どもがバーベルの重りを増やしていくシーンや、新聞記事を差し出し小さく頷く場面など、父子の繋がりの強さや深さが感じられる箇所が特にお気に入りです。 個人的にはシャマラン監督の最高傑作で間違いなし。代表作『シックスセンス』は未見という注釈付きですが(どういう了見だ?)。それではこれから続編『ミスターガラス』を観てみようと思います。真の主人公、自分探しの途中「哀れな天才」のその後が大変気になります。(以下追記)『ミスターガラス』を見終えてから続編が『スプリット』と知る痛恨のミステイク!皆さん、お気をつけくださいませ!! 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 9点(2024-03-10 09:59:28) |
10.期待せずに見たんですが・・・面白いじゃないですか。 ヒーロー誕生のプロローグをリアルに描いた作品なんですよね。 ラストがどうこうという意見があるようですが、まだまだ続く話に 期待して終わる感じでいいと思うんですが。 B・ウィリスとS・L・ジャクソンの組み合わせというとダイハード3と パルプフィクションがありますが、ダイハード3よりは好きです。 それにしてもサミュエルって役の幅が広いですね。 シャラマン監督作は「サイン」以外見ましたが、「ヴィレッジ」よりも面白と思うんですが・・・ 点数低すぎですので8点+おまけの1点献上します。 【ジム】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-28 21:47:05) |
9.《ネタバレ》 ワンダフルだ。映像センス抜群だし音楽が少ない中、これほど引き込まれる映画はなかなかない。新聞を差し出しての親子の暗黙の会話シーンはぐっときた。オチがどうのこうの言ってほざいている人は猿の惑星を観て驚いてくれたまえ。 【ビンセント】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-04-18 01:35:49) (良:1票) |
8.あまりにむごたらしい批評の数々ですが、これはスゴイ映画だと思います。史上最も丁寧に描かれた仮面ライダー第1話、「その手があったか!」とビックリ仰天でした。こんな話を思いつく人が世界でどれだけいます?そのアイデアだけでも買いですね。シャマランの映画って不思議で、テーマ自体は幼いのに、その実オトナの空気が充満してるんです。なんと言うか、ガンプラのパッケージが高級桐箱だったみたいな、メッキ部分のパーツが金箔だったみたいな。それってのは、シャマランの脚本から出るうまみだと思います。そんじょそこらのドラマ以上に人間を丁寧に描けているので、荒唐無稽な主題にも味が出るんですね。「私の体は生まれつきもろい。ならばその対極としてアンブレイカブルも存在するはずだ」というイライジャの説くアバウトかつ強引なヒーロー論も、「なるほど~」って思いながら聞きましたから。シャマランのドラマの特色は「静」にあります。一方普通の映画の描くドラマは「動」、つまり何か事件があって主人公が成長していく、主人公が何かを変えていくという話で、そこにはドラマのダイナミズムがあります。しかしシャマランのドラマはもっと地味で、彼が常に描くのは再生の物語。大筋では主人公たちに想像力の限りを尽くした大事件が起こりますが、その実、彼らの終着点は失われた関係の復元にあります。大事件を通して登場人物は自分を見つめ直し、何かを変えていこうとするのではなく、むしろあるべき姿へと帰ろうとするのです。思えば現実世界もそんなもので、そこにドラマの描くようなダイナミズム、つまり何かを変えていこうとする主体的な姿などなく、あるのは「自分に合った仕事は?」「自分に合った人間関係は?」「自分に合った生活は?」という、受動的な居心地の探求のみです。何かを目指しているようでいても、実際は自分のあるべき道を模索しているものです。そんな現実を踏まえているからこそ、シャマランの映画にはリアルな庶民が生活し、その延長としてサプライズがあるのです。 【ザ・チャンバラ】さん 9点(2004-09-08 01:40:05) (良:2票) |
7.メチャメチャ面白い!・・・のはアメコミファンだからか(汗)一般の方が面白がれるものでは無いと思います。アメコミの映画とかじゃなくて、ちゃんとコミック読んでるような人しか理解できない世界ですね。アメコミの本場でさえ賛否のある作品なので、日本人にこれは無理でしょう(笑)アレックス・ロスがポスターを描いてる事にありがたみを感じる人には最高の作品 |
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6.シックス・センスは、すぐにオチが読めたけど、これは読めなかったよ。だからイライジャの悲しさに突然刺される感じで、ラストに感動した。ブルースの苦悩を時間かけて描き、最後にサミュエルの苦悩を一瞬で表現するのって、時間配分的センスがいいと思う。映像も見事でメマイしながら見ている感覚になり、フラフラ感を楽しめた。しかしただ一点、なんだあ、あのサミュエルの紫色ジャケット!光ってるぞ!あれはちょっとやめてほしい。 【しょりちゃん】さん 9点(2003-09-30 11:26:09) |
5.正直シックス・センスもサインも全然面白くなかった自分ですが、この作品だけはめっちゃツボにはいりました。昔からバットマンやスーパーマンが大好きで、そういった空想のヒーローをよりリアルさを追求して描いてくれたこの監督に心から拍手を送りたい。 【映画大好きっ子】さん 9点(2003-06-17 01:08:51) |
4.アメコミヒーローこそ、マイノリティにとってのアメリカ文化の象徴になり得る訳です。きちんと弱点や呼び名を踏まえるとこなんか、正統派ファンです。スピルバーグが「マイノリティ・リポート」で、あえてハリウッド超娯楽大作的ストーリーをはずしているのも、シャマランの影響かなと思いました。(ビデオ映像を流すのは「シックス・センス」であったよね。) 【reme】さん 9点(2003-06-05 21:38:48) |
3.<ネタバレあり> とても興味深くて面白かった。断然1度観ればもう充分の「シックス・センス」よりも優れた映画だと思う。ヒーローを憧れるあまり、自分が最高の悪になれば自然の摂理として最高のヒーローが現れるという発想が実に哲学的で面白かった。映像センスはずば抜けているし、ストーリー展開の緊張感も見事だった。確実に進化していくシャマラン監督の才覚を見せつけた作品だと思う。 【スマイル・ペコ】さん 9点(2003-06-05 15:28:26) |
2.え。全然期待しないでビデオで観たのがよかったのかな?着眼点も面白いし、絵もけっこう良かったけど。タイミングの話でしょ?運命というか。自分が何のために生きているのか模索しつつ、そのどれにも満足できない人たちが、ある日突然気がつく感じ。「まさかそれはないよな~」って思うと人生は狭いからとりあえずウソみたいなことも実はあるって思ってやってみると以外とできちゃうもんだ、って映画なのかと思ってた。ある意味リアルな映画だったと思うけどナー。あたしはシックスセンスより面白かった。 【miw】さん 9点(2002-05-14 15:36:12) |
1.(↓)色々なReviewがありますが、大半を占める“酷評”ほど悪い作品とは思わなかったです。個人的には【DEL】さん(↓かなり下になってしまいましたが)の意見に同感です・・・と言うことで細かいReviewは省略。宣伝では「シックス・センス」と同様、ラストの結末は誰にも話せません、とかで話題になりましたよね?今回は「シックス・センス」とは違い、かの友人に内容を聞きませんでしたからその点は良かったです。でもラストの“そのオチの後の結末”を御丁寧に解説するナレーションは要らないね。これだけは蛇足だと思ったし、その後の結末を聞かされると何かがっかりした気持ちになりましたが・・・ 【イマジン】さん 9点(2002-02-14 20:31:43) |