5.《ネタバレ》 いきなり14年後だと?ミサトが何でシンジに冷たいかわからない。アスカがいきなり殴り掛かる意味がわからない。レイが敵っぽいのも敵がネルフなのも意味不明。シンジがレイを助ける決断が、人類にとって裏目に出たのは、何となくわかる。
だけど、どこかでそれを説明しないと。シンジも私たちも置いてけぼり状態。
少なくとも私は、破の次回予告で観せたような“その後”が観たかった。意味不明で消化不良な終わり方をした『THE END OF EVANGELION』。制作者側も“失敗作”と思ったからこその、リビルドだったろうに、どうして“その後”を丁寧に創らずに、14年も時代をスッ飛ばした??
14年前と言や旧作のセカンド・インパクトからエヴァ1話までの時間が経過している。観たいと思った“その後”の話は、もう“前の時代の話”ってくらいの時間が経過している。こんなのって、あるかい?
オーバースペックな空飛ぶ巨大戦艦。今までは使徒という謎の敵に、通常兵器の延長線で戦いを挑む人類。エヴァだけがオーバースペックな存在だったのに。
ごちゃっと増えた新キャラたち。トウジの妹は良いとして、エヴァの名のあるサブキャラって、闇雲に増やさないと思ってたのに。
ネルフVSヴィレ。他の人類どうなった?本作観る限り全滅してるんだろうな…カシウスの槍?なにそれ?いろいろ、大丈夫ですか?
この土壇場に、どうして今までやらなかった新しいことを、いっぺんに詰め込んできた?新劇ってリメイクでなくリビルドなんだよね?あともう1作で終わらすんだよね?なんかもう数作追加しそうな雰囲気が感じられて、そんな商売っ気を勝手に読み取ってうんざりしたわ。
レイの別人設定にも、カヲルとシンジの仲の良さにも、壮絶っぽい最終決戦にも、カヲルの死にも何の驚きもなかったわ。まさに『14年前に観たかったこと、14年前に終わってたであろうこと』を、今さら観せられてる気分。リビルドでどう持ってくるかに興味があったのに、放り投げられた気分。
続編に当たる『:||』 が、割とすぐに公開されていれば、本作の印象も大分変わっただろうけど、9年後だもんな。長いよ。
あまりに説明不足で、どれだけ凄い映像を観せられても気持ちが乗らないまま最後まで来てしまった。本作で良かったところと言えば、最後3人が揃って歩いていくところ。ここでやっと前作からの空白が埋まった気分。じゃあ、ここまでの約90分、何を観せられてたんだろう?って気持ち。