8.『打ち上げ花火、~』、アニメから見るか? 実写から見るか?
実写の方が先行作品であることは言わずもがな、ですが、もしかしたらアニメを先に見た方が、ストレスがナンボか少ないかも―――どうしても両方見ないといけない、ということであるならば。
実写版における、奥菜恵の「掃き溜めに鶴」感も、なかなかにエキセントリックなものがある一方で、アニメの方はというと、こちらは逆にだいぶ丸め込まれた感じ。登場人物の年齢層が上げられ、それと同時に登場人物たちの個性も薄まってしまって。いかにも「今どきのアニメです」という描き方が、だいぶ裏目に出ている印象。かえって違和感が。
一応、設定は中学生ということらしいけれど、正直、この描き方では高校生にしか見えない。主人公の身長を低めに描いているのが「中学生です」というアピールなのか、でも見えないものは見えないんだから仕方がない。大人びた格好をすれば「16歳くらいに見える」というセリフも、まるでピンと来ず。
男子どもはどうかと言うと、会話の内容のレベルが、小学生という設定だったからこそ成立していた訳で、これも何だかチグハグ。
どうしてこんな中途半端な改変をしてしまったのか?
と言ったあたりは、ひとまず置いとくとしても。
アニメーションのクオリティは、そりゃまあ間違いなく(かつてのテレビアニメなんかよりは)上がっているんですが、どうしても、ところどころで薄味に感じてしまう部分があります。もっと細かい描写が必要なんでは。例えば自転車で二人乗りする場面とか、この程度の表面的な描写でいいんだろうか?
むやみにCGを取り入れ、メカニックな動きをしつこいくらい見せるのも、何だか味気ない。あえて強調しているんでしょうが、違和感ばかりが残ります。
実写ドラマをわざわざそのまんま再現したかのようなシーンもあったりして。これもまた愛嬌・・・というのを超えて、なんだかわざとらしい。
別に実写版に特に思い入れがある訳でも何でもないんですが(あれはテレビドラマでしょ、と思っちゃうし、テレビドラマは正直、苦手)、何がやりたくてのアニメ化なのか、どうもよくわからないのでした。