1.はっきり言って、このレビュー数の少なさがコケ具合を表している。前回の「ギャラクシー街道」が「完全意味不明金返せ映画」である意味振り切れていたので、逆に伝説(デビルマンくらいの)になっている感じはあるが、そこにきてこれである。
もうそろそろ本物の三谷映画が観れる!とウズウズと痺れを切らしていた私のような往年の三谷ファンのハードルは完全に上がっていた。そこを超えるにはもう、笑いではなく、圧倒的な複雑に絡み合う人間群像、そして完全回収からの読めないオチ。これが高次元で映画として完成された「ラヂオの時間」くらいのクオリティのものでなければ満足できないだろう。
まあ、そこまで言わなくても、近年でいうと「ステキな金縛り」くらいのものを期待していたに違いない。
そして、、、蓋を開けてみればこれである。
全然、笑えないのである。
私が変わったのか?「この笑い」を笑えない私が悪いのだろうか?
なんども自問しながら映画を見ていた。。。
あぁ。。。これはもう三谷は終わったのだ。。。最終的にはそう結論するしかなかった。非常に残念だ。
もちろん会場には小笑いは起きてたし、一緒に行った連れは面白かったと言っていた。
しかし、違うんだ。これは三谷映画の真髄なんかにはほど遠いんだよ。もっと面白いんだよ。もっと映画的で、もっとドラマティックで、もっと知的で、ウィットに富んで、、、そんな三谷が観たかったんだよ。彼の作品がホントに好きだからこそ。。。