1.《ネタバレ》 この映画を見る前に、まず他の「・・・の陰謀」といった映画のように大統領側近(?)の金、
権力、他を目的とした陰謀と戦うとゆうものではないという予備知識を持って観ました。
従って、考えさせられる映画と覚悟して通常の気構えとは異なった気持ちで観ました。
それにしても現実に大統領選が行われている最中に、堂々の共和党批判、アフガン・
イラク戦争の批判をしている映画を公開させる米国は、まさに恐るべき民主主義の国
であるという事を実感させられました。▼原題は「Lions for Lambs」だそうで、本来は
「戦争とは、雄雄しく前線で戦う兵士達はライオンだが、指揮官は子羊のようなものだ」という
台詞からきているみたいです。他の方々も各々が何をさしているかを述べておられますが、
私はLionsは戦死した兵士達と政治的権力に屈した女新聞記者で、Lambsは、
上院議員と学生を導けなかった大学教授で、無気力な優秀な学生は、現在は中間にいて
も将来はLambsの仲間入りの可能性が高い、と解釈しました。
▼最後にジャニーンがタクシーでワシントン市内を移動しますが、ホワイトハウス、第二次世界大戦記念碑、
アーリントン国立墓地と戦争に関連した景色を写し、無限に近く並ぶ白い墓標を見ながら流す涙は
、新たな作戦で兵士が犠牲になっていても、虚偽の報道をしなければ生きて行けない自分の
無力さと情けなさに思わず流れ出た涙であった、と解釈しました。▼このように重い映画は、
久々で、多くの問題を突きつける映画でしたが、ある意味で充実感があり、評価したいと思います。