7.戦時下(=日中戦争)において関東軍の化学兵器製造とそれに伴う人体実験を告発しようとする夫婦の物語で、なかなかスリリングであったが、それ以上に二人の行動原理が興味深かった。基本的に夫は正義、妻は愛で動いていて、どちらも大望のために残酷な決断もする。「お見事ーっ」と言えるかどうかは分からないけど、驚きもあって楽しませてもらった。師弟関係にあるようだが黒沢清×濱口竜介は今考えたらかなり凄い。主演の蒼井優は当時の女優を意識したかのようなお芝居をしているがそれが吉と出たかは微妙なところか。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-12-16 22:30:29) |
6.《ネタバレ》 映画としては面白かったが、人間不信に陥りそうな話。 浮気を隠し通して、ついには国まで売った男の話にしか見えんのは、 俺の甲斐性なしゆえか(笑) いや~、サスペンスの神様ヒッチコック先生でも ヒロイン泣かすことはしないっスよ、黒沢監督~ それにしても蒼井優。 今の映画界で、一番体張ってる女優! スゴイです♡ 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-06-13 18:13:09) |
5.《ネタバレ》 前半の夫の正体がわからない中でのサスペンス、中盤以降、真相を知り正義に目覚めた妻の積極的な行動 バランス良く描かれて、面白いエンタメとして仕上がっている。 ただし、終盤肝心な部分がぼかされている。妻の亡命を告発し、テープをすり替えたのは夫か? 追伸 TV版でした。 【とれびやん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-17 19:27:39) |
4. 戦争中だとしても、敵と味方にきれいに分かれるわけではないということを感じました。優作は結局何をしたんでしょうね。 【海牛大夫】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-11-28 21:02:28) |
3.嘘は言わないが真実を言わない夫と、何も見えていないが気付かない振りをするのが上手い妻。矛盾し相反する二人が突き進む筋書きは、"真実こそ正義"とも言えるし、そのためなら多少の犠牲も厭わない狂気とも言える。自分らしさと信念を貫くのが困難な時代、権力や思想に全身を預けて安寧を得ることが当たり前のようになっていく様は、ネット全盛の現在と重なる。夫も妻も憲兵隊長も狂っている。では見ている自分は狂っていないと言えるのか? そう問われているような気がした。だからこそのあのラストなのだ。監督の映画は初めて見たが、ベネチア銀獅子賞受賞は、戦争直前のような不穏な世相とマッチし、功労賞的な要素も大きいだろう。ホラーが得意と聞くが、一見、戦火に引き裂かれた男女のメロドラマのように思えて、実は誰にでも存在するサイコパス性を浮上させた意味では、"らしい"と言える。 |
2.《ネタバレ》 予告編で、妻が、ずっと騙されてたけど私は夫を信じます、みたいな信心の話かと思ったら、お互いがお互いを騙し合う愛憎渦巻く狂おしい物語でした(お見事!)。 あと官憲役の、東出昌大の不穏さ、悪辣さが今までにない感じの凶気を感じさせられて、良かったです。 あの、離れ離れになるかもしれないが心が一つになることを選ぶか、生きて一緒に居られるが心がバラバラになるか、二つに一つを選べと問われ、見事望んだものを得られたが、失ったものは身を切るほど辛いという、たまらない感じでした。 【sim】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-10-26 23:48:33) |
1.《ネタバレ》 太平洋戦争下、正義のために国を売ろうとする夫に、愛のために従う決意を固めるアタシ。夫の策がハマり、戦争に負ける日本。それで「お見事」とは言えないけど、意外性のある筋書きには引き込まれた。決して素直な戦争ドラマではない、クセのあるサスペンス展開。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作。良作。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-10-25 01:24:45) |