8.《ネタバレ》 ◆ゴジラの大きさ、強さ、怖さが良く描けている。バトルの見せ方がうまい。飛ばされた怪獣に人間が吹き飛ばされるシーンや自衛隊が粉砕されるシーンなどは、などは最高級のできばえ。怪獣特撮にかけては申し分ない。ただし安直なCGはいただけない。
◆使い古された中古怪獣に新キャラをつけても所詮は二番煎じ。モスラもギドラも何度登場させたら気が済むのやら。東宝の商売上の姑息さとアイデアの枯渇を感じる。
◆「大和の国を守る聖獣」といいながら、無軌道な行動をする若者達がまず犠牲になる。ゴジラの犠牲になるのならともかくも、こんなことでいいのでしょうか。怪獣の吐いた糸で繭に包まれた状態で遺体で発見されるというニュースがあったが、それを見せてもらいたかった。
◆ゴジラには、太平洋に眠る日本の英霊とアジア、米国で亡くなった人たちの霊魂が宿っている。だから白目で、通常兵器は効かない。原子力潜水艦を襲ってパワーアップ。日本を襲うのは、人々が戦争で死んでいった多くの人の叫びを忘れているから。理屈に合っているようで合っていない。ゴジラは一般に言われている核で巨大化した恐竜の生き残りで良いではないか。結局最後は通常兵器で自爆したし。怪獣映画に霊魂などを持ち出すからややこしくなるのだ。
◆石には古代大和民族の霊魂が詰まっている。石に封じ込められた霊魂を解放し、大和怪獣たちに憑依させて復活させようとするのが「護国聖獣伝記」の著者の伊佐山老人。それで聖獣が復活するのだが、その伊佐山が亡霊だったとはどういうことか。
◆キングギドラは成長途中ながら、モスラの鱗粉を吸収し、完全体に成長。でもたいして強くなっていない。あとは海中での戦闘でよく見えない。そこへ石が落ちてきて完全覚醒?とってつけたような展開。理屈はともかくかっこよく撮れてればいいのだが。ギドラに関しては不合格。
◆バラゴンはゴジラの強さを際立たせるための「噛ませ犬」。でも存在感があった。
◆ヒロインと自衛隊員の父との愛情などの人間ドラマ部分は良く描けているだけに残念。父親は生還するが、物語の流れからして彼の犠牲なくしてはゴジラを封じ込めることはできないと思う。多くの犠牲を描きながら、彼だけ何故生還できたのだろうか。 ◆由里が墜落するシーン。頭から落ちるのに手をつかまれる。