6.《ネタバレ》 出たばかりの白黒テレビを大家族で見る――日本でいうなら1960年頃の風景だろうか。
1914年に渡米した移民一世、その息子、孫世代が集まる家族会が壮観。
孫は楽しいだろうけど、大人はいろいろ面倒臭そう。
アメリカ移住の先駆けとなった爺さんが、七面鳥を切るのを待ってくれなかったと自分の遅刻は棚に上げていつまでも根に持っているのが笑える。
そんなつまらないことがきっかけで兄弟絶縁にまで発展してしまうのが馬鹿馬鹿しいが、珍しくはない類の話でもある。
くだらないことで争い憎み合っている兄弟など五万といるのだから。
夢と希望に満ちて渡米した男が、寝小便をするほどに老いた姿に世の無常を感じてしまう。
子供の火遊びで出火させたマイケルが、大人になって自分の息子を連れて、施設に入った祖父の見舞いに訪れるシーンは感慨深い。
世代が移り変わっていくことへの一抹の寂しさとともに余韻となって残る。
三代記なのに味気ないダイジェスト的にもならず、この時間でうまくまとめたものだ。