1.《ネタバレ》 何と前向きな映画なんだ!というのがまずは最初の感想でして、植木等演じる日本均というこの男の前向きさ、事故により一年もの間、入院、そして、退院して自分の勤めているはずの会社のある場所に戻ってみると何とそこは別の会社になっていた。自分の会社は倒産していたのである。普通なら泣きたくなるのにこの男は泣くどころか笑っている。作り笑いではない笑いでそれならそれでこの別の会社に就職しちまえば良いんだ!とまあ、何というお気楽ということか前向きな男である。絶対に弱音を吐かない。泣き言など言わずに自分の才能を活かしてどんどんと活躍し、社長に対しても自分の思っていることを堂々と言ってみせる。例え相手が誰であれ、自分の気持ちに正直に生きる。正に人間としての本来のあるべき姿、出世のためならどんなことでもやりとげる。社会人としての手本のような男である。植木等の演じるこの男を見ていると他の植木等と同じで元気になれる。やたらと後ろ向きな暗い映画がどうにも最近の邦画には多いように感じる中で、この植木等主演映画はいつも前向きだし、そんな姿を見ていると頑張ろう!て気持ちにさせられる。だから私は植木等が好きだし、植木等の映画も好きである。そんな植木等が田中邦衛とのやりとりやら坊さん姿の左卜全などの可笑しさなどもこの映画を面白いものにしている。