132.《ネタバレ》 カリオストロを9点以下にするために、この作品は満点でなければならない。
ボトムズ脚本参加、星のカービィメイン脚本である吉川さんは、実質的に一人でこの脚本を書いたという。
当時流行りだったクローンを取り入れ、メインテーマとして「ルパンは本物かどうか」が掲げられる。
自分は自分がクローンだったとして自分であればそれでいいのであるが
当作品におけるルパンは自分がクローンであることをよしとしない。
原作漫画好きには原作に大して似てもいないと言われてしまうが、
それでもカリオストロと比べればカリオストロなんてどこがルパン?というレベルだろう。
そもそもが「どこがルパン?」という展開はその後も数十年続いたが
「峰不二子という女」という作品以降、主に深夜などで荒々しいルパンが復活してうれしい。
90年代あたりからのTVスペシャルのゆるいルパン、だめなとっつぁんみたいな展開はもうやめてほしいところ。
また、マモーは現代においてのほうがリアリティのある設定で、
非常に金持ちで、アメリカ、ソ連に匹敵するほどであり核を有するため最終的にアメリカに潰されるが
今のアメリカや中国の一部の人に巨万のどころか巨億の、巨兆の富が集まる構造であればありえなくもない。
まぁただ、すごい金持ちだと言ってるだけでルパンを攻めているときにそこまで金かけてる感はあまりない。
ルパンを殺したいわけではなく少しずつ精神的に攻めたかったようだからこれで合ってるんだろうけどね。
それと地上波での鑑賞とあるが、昔は言葉狩りされてないが今はルパンが寝ているシーンで
マモーが「白痴」という言葉を出すが今の地上波ではまず削られている。
ルパンが最初にマモーの島に行ったときに奇妙な人たちに会うがここの多くも削られてる。
このシーンがこの映画の肝とも言えるシーンなのでぜひノーカットで見てほしい。
まぁいまどきの日テレの放送は頭おかしいところでCM入りするのでとてもじゃないが見てられないだろうけど。
とにかく、上述の「峰不二子~」以降を除けば、自分にとってアニメのルパンとはこの作品一本だけ、でいいです。