107. テレビでオリジナルをやっていた後に見たので、どこをどう料理したのかというのが鮮明に見られた。オリジナル版の笑いの基底が、「日本人が、欧米人みたいにダンスをする」ということの距離感にあるので、そうした構造を取り払った後で、表面的に類似するエピソードをどのように位置づけているかが、リメイク版の最大の見所になるはずだった。しかしピーター・チェルソムは、その点で大きな冒険をしていない。同じエピソードががらっと意味を変えるというようなシーンはひとつも見られなかった。その代わり、日本とアメリカの文化の共通点を引っ張り出して、その共通点を基底にして、同じような意味を引き出せる部分を利用する、という作り方をしている。 オリジナルで渡辺えり子が演じたキャラのハリウッド版は、彼女の笑いを研究しつくしており、そっくりさんを見るのと同じような面白さがある。竹中直人の笑いの換骨奪胎ぶりもなかなかに楽しい。竹中の演じた会社の内と外のギャップを、「ユダヤ的orドイツ的生真面目さ VS. ラテン的情熱」の対照に上手に置き換えているのは見事。 ただし同じエピソードに同じような意味づけができそうなものをわざわざ変えている部分には納得のいかない部分もいくつかあった。その一番の点はジェニファー・ロペスの役づくり。第一に、彼女がはじめひたすら主人公に冷たくふるまうということは、後の展開のために絶対必要な線だったはず。また場末のダンススタジオで仕事をしている自分に対する納得のいかなさも、リチャード・ギア演じる主人公のダンスへの情熱から力をもらう、という後の展開のためにやはりなくてはならなかった。もしかしたら監督は、ジェニファーに、「表面的な普通さの下の葛藤」を表現させるという二重の演技を期待していたのかもしれないが、僕にはそれは見てとることができなかった。 またハリウッド版<渡辺えり子>についても、シングルマザーでダンス道楽のために全人生をかけているという人物像は、アメリカでもそれなりに説得力があるだろうに、彼女のサブストーリーは、メインとなるストーリーの陰で無視されている感があった。 そういう意味では、周防監督の<脇役の一人一人までの物語を同時に語りつつ、全体を構成していく>というポリフォニックなストーリー展開の妙をあらためて感じさせられた。 【小原一馬】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-05-09 14:25:33) (良:2票) |
106.邦画版と大きく違って感じられたのはやはりヒロイン。オリジナルの草刈民代の方が断然良かったです。プライドが高くてちょっと近づきがたい、でも心に何か傷を持っている寂しげな印象の感じが出せなければ、この映画はちょっと薄っぺらく感じてしまう。 動機はちょっと不純でも、「社交ダンス」に対する思いがどんどん深くなっていく感じも、邦画の方が上手だった。あとはたま子先生のあの優しい安心感とか。 全体的に無難にリメイクしたって感じかな。・・・ リチャード・ギアが赤いバラを持ってエスカレーターを昇って来るシーンはちょっとしびれましたけど。・・・ 【JEWEL】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-01 19:38:05) (良:2票) |
105.オリジナルに思い入れがある人ほど厳しい意見になるのかも知れないが,これほど忠実なリメイクはなかなかないと思うし,またそうだからこそ彼我の違いがこれほどクッキリと浮き上がって面白いのではないか。「中年男の悲哀」がオリジナルの基調音だというなら,「幸せの形って?」がリメイク版の基調音。いってみればマイナーコードの曲をメジャーコードでアレンジしたみたいなもんで,どちらも"Shall We Dance"という素材の魅力をそれぞれが違う形でうまく引き出していたのでは?と思う。少なくともどちらのアレンジが好きかなんて好みの問題を,映画のデキと混同して論じるのは何か違う気がする。私はオリジナルの草刈民代の演技のあまりの下手さに参ったクチ(そして役所・竹中に食傷気味)だったから,リメイク版のほうが安心して観られて楽しかった。S・サランドンは名演。ギアもぴったり。 【veryautumn】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-11-21 19:21:01) (良:1票) |
104.ここまでくると、脚本は“Screenplay”じゃなくて“English Adaptation”とクレジットして欲しい。その位のまんまリメイク。比較的ハリウッド・リメイク好きの私ですが、今回はオリジナルに軍配を上げたい。J.Loの心情や背景が大幅に削られた上、主人公の持つ漠然とした不満の解消が「夫婦仲」だけに矮小化されてしまっては、「人生の輝きを取り戻す」というこの物語の大きなテーマは表現できない。最後も全員がカップルになってめでたしめでたしって…、これじゃ単なるラヴ・コメディです。ダンス・シーンの、出来るだけカットを割らない流れる様なカメラ・ワークも珍しく日本の勝ち。期待のJ.Loも、優雅さや繊細さでは草刈民代に及ばない。決して出来は悪くないと思いますが、本作を観てオリジナルの評価が上がりました、6点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-05-13 00:12:16) (良:1票) |
103.オリジナルの方は未見ですが、まあなんて大人のムード溢れる映画だろう!最後の方で一緒に来ていた私のお母さんが涙ぐんでいたのが忘れられません。サントラも抜群の出来なので必聴。 【シェリー・ジェリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-05 13:12:55) (良:1票) |
102.という訳で、前日オリジナル版“Shall We ダンス?”を見た後なので、さすがにここまで似ていると新鮮味にはかけましたが、随所にアメリカ版“Shall We Dance?”の良さがでていました。特に奥さんに一本のバラを持って職場に現れる所なんか、邦画では出来ない演出でしょう!しかし、竹中直人と同配役のキャラは圧倒的にオリジナル版の勝ちだと思います。 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-04-28 23:24:32) (良:1票) |
101.ラブ・コメディーとしては不完全燃焼。改めて、喜劇には強烈な名脇役が必須なのを痛感。海外でも笑いがとれるかは別にして、竹中直人・渡辺えり子は日本の宝ですね! 【つむじ風】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-04-24 02:53:25) (良:1票) |
100.《ネタバレ》 自分は(だいぶ前にはなるが)周防監督オリジナル作品を見ており、ストーリーの大方が分かっていたので、それほどの感動を期待してなかったが、「最高」との感想を持った。観客は少なかったが、終了後、ほとんどの人が立ち上がって拍手をしていた。 ストーリーはオリジナルとほとんど同じであるが、ルーティンワークに疲れたサラリーマン役のリチャー・ドギア、バレイのコーチ役のジェニファー・ロペスらが、役所広司、草刈民代らと違った味を出していることに加え、特にオリジナルでの役所広司の奥さん役を演じた原日出子(?)と、リチャード・ギアの奥さん役を演じたスーザン・サランドンの雰囲気がかなり異なっており、その結果、アメリカ版をまた新鮮に見ることができたのだと思う。リチャード・ギアがカッコ良すぎるという批判を聞く。確かに、オリジナルと比較すればそうだが、また別の作品として考えれば、ジェニファーやスーザンと絶妙の調和を築いているように感じた。 もちろんオリジナル版は大好きな映画の一つだが、アメリカ版もまた大好きな映画の一つになった。 ちなみに、渡辺えり子とLisa Ann Walter(?)はかなり近い味を出していた。 |
99.オリジナル版を見ていないので比較のしようもないけれど、なかなか楽しめた。中年になって人生に疲れてきたらまた見てみたい。 【HK】さん 8点(2004-12-07 08:04:34) (良:1票) |
98.オリジナルを見たあとなので、比較になってしまうが、想像していたよりずっとよかった。 物質的幸せに満たされたあとの、何かむなしさ 知らない世界(ダンス)に気づく という普遍的なテーマは同じ。 オリジナルでは、会社と家との往復でくたびれたサラリーマンの姿がよかったと思うのだが、 本作ではそれは感じなかった。これはアメリカと日本の文化の違いなのかもなぁ~とみていた。 悪くはないのだが、オリジナルのエンディングを迎えたときの心が優しく温かくなる感じはなかった。。。 きっとこっちを先にみていてもおきなかったと思う。 映画好きアメリカ人の知り合いがいたら、比較感想をきいてみたいと思うが、そんな人はいないので残念。。 【へまち】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-12-17 15:49:09) |
|
97.社交ダンスのイメージ 日本=入門するのにちょっと恥ずかしい アメリカ=やってる奴はゲイ。文化の違いが見れて面白かったです。内容もハートウォーミング。 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-08-10 14:38:07) |
96.日本版より、よりスタイリッシュでコメディ要素は減少。うまくリメイクしてる。 【noji】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-05-12 19:23:40) |
95.《ネタバレ》 オリジナルの邦画バージョンを観たのがずいぶんと昔のことで、ほとんど記憶に残ってないので比較の術もないのだけれど、もっとコメディ色が強かったイメージがあります。本バージョンは夫婦の絆がメインとなっているようです。観終わった後は暖かい気持ちに包まれます。 【いっちぃ】さん [地上波(吹替)] 7点(2013-02-05 19:21:18) |
94.2012.12/30 鑑賞。何といってもリチャード・ギアが良い。ジェニファー・ロペスは草刈民代のイメージと違うが、でも・・。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-06 13:28:59) |
93.何かあんまり面白くなかった。やっぱリチャード・ギアの奥さんがイマイチ女としての魅力に欠ける。先生はナイスバディでいい女だから口説き文句もスラスラ出てくるけどあの奥さんに「愛してる」とは正直言いづらいわなぁ~(苦笑)そんなわけで感情移入ができませんでした。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 4点(2012-12-23 16:45:29) |
92.《ネタバレ》 オリジナルを見たのがずいぶん前なもんで実はあんまり覚えてないんだけど…結末は違ったのね? 竹中直人の役とか、えらい忠実にリメイクしたのねーとか思って見てたんだけど…ラストだけはアメリカ人にウケがいいようにハッピーエンドに変更ってことなのかしら?? 今回アタシがこのハリウッド版を見るにいたったのは、アメリカ人の友達に「オリジナルのほうが絶対イイ!」って力説されたからなんだけど…オリジナルを覚えてないんじゃ比較のしようがないわね。 ホホ。 アタシがこの映画で一番興味を惹かれたのは、実は奥さんの気持ちだったりするのよね。 別に浮気してるわけじゃなし、ダンナが熱中できる健全な趣味を見つけてイキイキしてるのは、奥さんにとっても喜ばしいことなはずだし、そういう意味では奥さんがキレるのは理不尽な気もするわけだけど、自分だけ蚊帳の外ってのがなんか不満っていうか…。 自分にも見せたことないような幸せそうな表情を、自分の知らないところで赤の他人に見せてたってのがなんかムカついて、自分でも大人気ないってわかってるけど、つい不貞腐れちゃうみたいな。 これまで何十年と続けてきた「幸せな」日常に、実はダンナは空虚感を抱いてて、しかもそれを自分のまったく知らない世界で、自分には秘密で埋めてたってのが…ある意味、奥さんからしたら一夜かぎりのアバンチュールよりショックかも。 ま、ダンナの「社交ダンスしてるなんてこっ恥ずかしくて言えねーよ」って気持ちもわかるんだけどさ。 その点、ジョン・クラークが最後にとった行動は、奥さん目線で見ればパーフェクト! そりゃ冷めかけた恋の情熱ももう一度燃え上がるわってなもんで。 で杉山さんは最後どうしたんだっけ? …早いうちにオリジナル再見しなきゃ。 【梅桃】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-14 11:40:03) |
91.《ネタバレ》 結末はこちらの方が断然好きです。 最後は奥さんとダンスをしてハッピーエンドで終わってますが、日本版の終わり方はきっと離婚まで行くだろうなあと思います。 【ウルフィー】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-22 21:08:57) |
90.途中までは、「日本版とよく似た俳優探してきたなあ」とか「ここの演出は日本版の方がいいかも」と、比較しながら見ていましたが、見れば見るほど、この話はやはり日本で生まれた話で、アメリカ版にするには無理があると思い始め、ラストは腹が立つほど違和感を覚えました。和食にマヨネーズやケチャップをかけて食べたら、一瞬面白かったけど所詮はゲテモノ・・・そんな感じでした。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-06-21 15:53:38) |
89.見てて幸せな気分になれる良い映画。雰囲気に飲まれたのか途中からずっと感動 しっぱなしでした。オリジナル版と比べてこっちの方がハッピーな感じで 重さがなくバランスが良いのですごく見やすかったです。HACHIといい日本に縁が あるリチャード・ギアが主演だったのでそれも高評価の一因です。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-05 11:21:20) |
88.《ネタバレ》 リチャード・ギアの純粋な瞳と表情は見る人の心を癒す力がありましたね。ジェニファー・ロペスの美しいボディラインには圧巻され、個人的には堪らなかったです。この二人の出演だけでも、作品の魅力が上がります。となると、彼の妻がスーザン・サランドンでは・・・ちょっとキツいです。その他オマー・ベンソン・ミラー等、コミカルな出演陣で脇役を固め、大人から子供まで気軽に楽しめる娯楽映画に仕上っていて好感がもてます。幸せな家庭の中で暮らし、何の趣味のない主人公が些細なきっかけを機に、ダンスにのめり込み、人生の楽しみ方を知る。こんな素晴らしいことはないでしょう。私は多趣味ですが、人生をかけてみるところまでは進展してません。「私の生きがいはこれだ!!」というのを見つけたいと思います。 【マーク・ハント】さん [地上波(吹替)] 5点(2011-04-30 18:14:52) |