18.年月が経つごとに、マイベストフィルムになりつつある作品。 夜の大都会、スーツを決め込んだ男の生き様、男の信念。男心を刺激する題材や要素を詰め込んだ、私にとってはまさに宝箱的な映画。 青を基調とするエッジの効いたクールでスタイリッシュな映像は公開から何年経っても古さを感じない。綿密なロケハンにより映し出される犯罪都市LAの圧倒的な風景描写も相俟って、この映像に魅了される人も多いのではないだろうか。物語に目を向けても、公開当時はそのテンポの遅さが批判された(し現在でも本作の弱点ではある)が、伏線やその後の登場人物たちの運命を予感させる台詞や描写がちゃんと盛り込まれており、繰り返し鑑賞すると、物語の手堅さや重厚さを感じる事が出来る。ただ、あえて説明をくどくど入れず、ぶっきらぼうに済ませるのが何ともマイケルマン監督らしいところ。 魅力的な都市のヴィジュアル、犯罪を軸にして追う者追われる者の男臭く、不器用で、しかし猛烈にカッコいい人間ドラマ、リアリティに溢れるアクション演出が光る名作。公開時よりも、公開から年月が経つにつれ世間の評価が上がっていった珍しい作品ではないだろうか。C・ノーラン、E・ライト、B・アフレック等、後の世代の監督達もこぞって本作に影響を受けた作品を作っている。 余談 :映画における銃撃戦という話題になると、ほぼ間違いなく引き合いに出される中盤の銀行襲撃・銃撃戦だが、実はリアリティをちゃんと考慮して作られている。多数の人ごみの中では、スーツに隠した銃は意外に気付かれない。警官隊が強盗チームに薙ぎ倒されたのは、使用した武器の違い、そして戦闘が一般市民も多数いる街中で行われたためだ。よく観察すると、警官隊は拳銃や散弾銃等、短距離用の武器しか使えず、また一般市民も逃げ惑っているため、むやみやたらに銃を撃てない状況にあるのがわかる。自動小銃を持つパチーノたち数名の刑事も、市民への被害を恐れて、セミオートでの射撃に終始している。対するデニーロたち強盗チームは、中距離から自動小銃をこれでもかと乱射する。警官隊の銃弾が強盗チームに当たらないのは、銃の射程が足りないため。銃撃戦自体、街中で突発的に起こってしまったため、市民も対応が判らずに右往左往する。市民に気をかけざるをえず、パチーノはデニーロを取り逃がしてしまう。 銃撃戦の一連の描写についても、マン監督はいちいち説明をしない(笑)。だが、ちゃんと観察すれば、リアリティを考慮して設計されているのがわかる。 リアリティのない銃撃戦? それは観察が足りていない。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2017-11-28 09:00:53) |
17.古さを感じさせない完成度の高い映画です。今となってはこの手のクライム系作品の手本といわれるほど評価されています。ロードショー当時はパチーノ&デニーロの夢の初競演と話題になりましたが、いつまでたっても同じ画面に映らず「本当は別撮りなんじゃないか?」とまでいわれた映画でした。(結局レストランのシーンだけだとガッカリしましたが、今思えばこれで正解だった) 個人的にはパチーノとデニーロの役柄が反対なんじゃないか?と、思っていましたがこれも私が間違っていました。特に抑えたデニーロと弾けたパチーノの対比がメリハリを生む演出になっていて、物語に緩急がつく形になっています。(パチーノ役は演技力の無い人がやると退屈するか鬱陶しい奴になりそう) 171分と長い映画ですが、主要人物の私生活まで丁寧に描かれているので飽きさせません。反面、サイドストーリーが多く話が散漫になりがちですが、クリス(ヴァル・キルマー)と妻のシャリーン(アシュレイ・ジャッド)のエピソードにニール(ロバート・デ・ニーロ)が絡む流れはなかなか面白いです。ヴァン・ザント(ウィリアム・フィクトナー)の一件、黒人シェフ、ドナルド(デニス・ヘイスバート)の一件なども非常に印象深く、全体的にサイドストーリーも魅力的で捨てがたいです。 ローレン(ナタリー・ポートマン)の自殺未遂の件は正直いらなかったかなと思いますが、自分に懐いていた義理の娘の一大事を差し置いてヘリで駆けつけるヴィンセント・ハナ警部補(アル・パチーノ)の非情な一面を見せるには必要だったのかもしれません。とにかく、これら大量のサイドストーリーのおかげで白昼13分にもおよぶ大銃撃戦からラストまでのギリギリの攻防は感情移入がハンパない仕上りになっています。 全ての登場人物がつまらない意地と大きなプライドを持っていて、結末はある程度予見できますが、破滅に向かうロマンというものがあると感じさせる渋いラストです。男なら胸が熱くなる映画でしょう。素晴らしい作品でした。(※余談ですが、後に実生活で逮捕されたウェイングロー役のケヴィン・ゲイジは獄中でもウェイングローと呼ばれていたそうです。。劇中6分しか出演していないのに凄い印象を残していますね) 【アラジン2014】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-04-08 13:48:00) |
16.辞書を引いてみると、映画の題名である[HEAT]には主に次のような意味があるらしい。1、熱さ 2、(感情の)激しさ、興奮 3、(警察による)捜査、追跡(俗語) 4、発情 なるほど、この映画には、犯罪者側にせよ警察側にせよ、男たちの熱い人間ドラマがある。ハナ刑事の執拗なまでの追跡も実に熱い。そして、この映画を見る人は映画界を代表する二大スター、アル・パチーノとデ・ニーロの対決に激しく興奮し、ついには、その二人のかっこよさに発情してしまうというわけか。まぁ私、男だけど。 【映画省次官】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-09-02 23:39:31) |
15.完全にパチーノ派なんですけどこの映画だけは別です。デ・ニーロの良さに気付けた映画です。 |
14.カフェで対峙する主役二人の対話が二人の後方からそれぞれごくシンプルな切り返しによって捉えられる。その構図は二人がまるでお互いに自分自身の鏡像と対話しているかのような印象も同時に与える。立場としては対極にある相手に自分との同質性を認め合う場面とも解釈できようか。かつてのノワール映画では、低位置のキーライトで人物の相似形の影を作り出し、オルター・エゴ(もう一人の自我)を仄めかすスタイルがあるが、これに近い印象でもある。終盤の最終対決にみる光と闇のモチーフも同様、背後の誘導灯の点灯によって逆光の中に浮かび上がるロバート・デニーロの黒いシルエットは、対照的に照らし出されたアル・パチーノ自身の投影でもあろうか。対極でありながら一体でもある光と闇の領域の対立、実景主体の写実的市街犯罪と、俯瞰撮影も交えながら印象的な夜景を捉えた都会的ルックはまさに大戦直後(1945~1949)のノワール第二期作品群を髣髴とさせつつ、シネスコ画面の水平ラインをより意識した新たなノワール様式を創出している。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-03-28 17:31:42) |
13.ご都合主義もあるし、批判も多いが、これでパチーノとデ・ニーロが好きになれた。今までとは違う銃撃戦にも多少なりとも影響を受けた。それを考えて、10点 【ローリング@ストーン】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-26 10:46:06) (良:1票) |
12.く~、アル・パチーノとデニーロ、無茶苦茶カッコいい。それ以上は何も言えません。男と男の駆け引きに、愛するひとへの想い、そのあたりの描写も良かった。 【太助】さん 10点(2004-08-05 20:59:04) |
11.自分の中でベスト3に入る作品。あの銃撃戦は本当に凄い(この銃撃戦見たさに劇場3回行きました)アル・パチーノとデニーロはかっこよすぎ。好きなシーンはデニ-ロとブレネマンの夜景のシーンとデニ-ロが二人で車で逃げて明るいトンネルに入るシーン この二つのシーンは忘れられません |
10.カフェでアルパチーノとデニーロの会話、会話の間、素振り..鳥肌もんでした。役者は素晴らしい!、かっこいい!ほんとに憧れますね~。話し方の素振り等を鏡を見てデニーロになりきりの研究したりしてしまったのを覚えております。(恥)アクションも映像も素晴らしい作品でした!!! |
|
9.最高です!男の美学を余す所無く描ききってると感じました。 「銃撃戦」「30秒フラット」「家具の無い家」「バクチ好き(クリス)とスリル好き(マイケル・チェリト)のプロ集団」「サラリーマンという偽りの身分」「女を捨てて復讐を取る」「コーヒーショップで探りあい(コインの裏・表)」「一夜にして美人の一人暮らし貧乏デザイナーGet!(笑)」 何回でも面白い。ただデニーロ好きな自分としてはパチーノもニール並みにクールでいて欲しかった・・・ 「コブ付きと再婚」「しかも美人とは言いがたい」「クリスを見破れないチームスタッフ」 でも10点! 【ナイトホークス】さん 10点(2004-01-18 01:11:46) (笑:1票) |
8.あれだけの顔ぶれであれだけの人間模様を描くなんて、心底すごいと思った。銃撃戦のシーンも総毛立つくらいの迫力。女性の様々な悲しみには、共感なんてできない…言葉を失った。たて続けには見たくないが、折に触れ、「見たい」と思わせてくれる作品だろう。 【日雀】さん 10点(2003-12-23 22:00:00) |
7.マイケル・マン監督の、というより、この種のジャンル映画中でもおそらく最高傑作のひとつ。矜持、友情、裏切り、仁義、哀愁、葛藤、悲劇的な愛、…そんな、「ギャング・暗黒街もの」のすべてがこの1本に最上のかたちで詰まっている。ここまでスタイリッシュで、男も、女も、ここまでカッコ良い映画もない。とにかく必見! と小生は確信しているんだけどなあ…。デ・ニーロがとにかく儲け役で、ヴァル・キルマーなんて、助演ながら本作こそが代表作だよなあ。3時間以上あるものの、全編に不思議な静けさとエモーションがみなぎっているので、アッと言う間。間違いなく「大人の映画」です。あえて差別的・セクハラ的言辞を弄するなら、「女・コドモ」にゃ見せてあげたくない!(あ、なんか削除されそうなアブナイ発言か…) 【やましんの巻】さん 10点(2003-08-04 14:21:43) |
6.久しぶりに借りてみたのですが、ほんと傑作だと思います。この映画が大好きで、アリやインサイダーは両方とも劇場で見たのですが、この映画には遥かに及びませんでした。とてもいい時間が過ごせました。この映画がいいのは、登場人物がしっかりと描かれているので点です。あと何と言っても、ロバート・デニーロが素晴らしいです。デニーロが大した演技や存在感を出していないのに、やたらとデニーロは凄い、かっこいいと言われている作品とはわけが違います。アル・パチーノも好きな俳優なんですが、この映画に関しては、断然デニーロの方が素晴らしいです。それにしても、この映画が意外にも平均点が低くて残念な気分になります。これだけの濃い映画ってそうあるものじゃないと思うのですが。 【チャベス】さん 10点(2002-07-28 05:37:47) |
5.久しぶりにカッコイイ、デニーロを見た。おいらの中でのカッコイイが随所に詰まっている。傑作 【クーガ】さん 10点(2002-03-30 01:17:24) |
4.なんというか、圧巻です。カメラワークといい、配役のかっこよさといい、すべてがトップクラス。ヴァルキルマーはいい映画に出させてもらって良かったねえ。デニーロは格好良過ぎ。great ass には笑った。 【yuki】さん 10点(2001-11-25 21:07:27) |
【SSS】さん 10点(2001-07-26 19:27:15) |
2.何と言っても最高!一番好きな映画です!アル・パチーノもデ・ニーロもかっこ良すぎ! 【hiro】さん 10点(2001-05-01 11:47:46) |
1.文句のつけようがない作品。以上 見てない人は問題あり。 【heat】さん 10点(2001-03-09 04:15:55) |