14.前半はドンパチドンパチの典型的なアメリカ戦争映画だったのが、後半は反戦に主題を置いた思想的な話になる。
前半は下世話なセリフが飛び交い、後半は反対に真面目の一点張り。
これが本作の評価を低くたらしめる原因ではないだろうか。
つまり、どっちつかずなのだ。
もちろん、前半部分は反戦というものをうったえる上での敷石になっていて、反戦というテーマは一貫しているともいえるが、いかんせん、娯楽映画と真面目映画が混在してしまっているのが痛い。
ハリウッド映画好きが娯楽作品として期待してみても後半で期待はずれになるし、戦争に関する教訓を得たい者にとっては、前半部分のおふざけが長すぎる。
これは監督の演出と脚本に問題がある。
それにしても、こんだけ悪評が目立つ作品なのに、レビュー数が多い。
アカデミー賞の影響もあるだろうが、これは問題だ。
素晴らしい作品なのにレビュー数が一人とか二人とか、そんなのが非常に多い。
もとい、ハリウッド映画などより、古きよき日本映画やセンスの良いイタリア・フランス映画、そして躍進著しいアジア映画をもっとチョイスすべきだ。
そこが映画好きとして、とても残念に思う部分である。