39.素晴らしい作品だと思いました。特にシンドラーを俗っぽい人物として描いているところに深みを感じさせられた。しかしながら、これはスピルバーグの良いところでもあるのだけど、作為的というか映画的というか、演出上とても作り込まれた絵面がリアリティを損なっていて、作品にのめり込む妨げになってしまったのが残念だった。例えば、カメラをゆっくりパンしていくと、パンした先に違う役者がスタンバっていて、次のシーンにスムーズに切り替わっていくみたいな。作為に気付かされると、ついつい演出の作法を鑑賞するモードになってしまうというか。リアリズムに徹すると、見るのが本当にツラい映画になってしまうのだろうけど。 【すらりん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-16 22:37:33) |
38.こんな重い題材をここまで魅せる映画にしたのは、やはり、監督の才能だと思います。同時期にジェラシックパークも作って いるのですね。頭の中どないなっとったんでしょう。いい映画ですが、再見はすることないと思いますので、この点で。 【代書屋】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-25 16:03:00) |
37.自分の工場に必要と言うことで迫害を受けているユダヤ人を大量に採用するのだが,私財をなげうち事業そっちのけでユダヤ人に入れ込んでいく過程が不明瞭だ。ゲットー解体の際の赤い服の少女が象徴的に描かれているが、もともと楽天的で社交的な事業家シンドラーが変化していく過程、心境をもっと感じたかった。もちろん素晴らしい映画であることに異論は無い。映画の出来とは関係ないが、ついシンドラーと比較してしまうのが元リトアニア公使の杉原千畝だ。本国の命令に反してまでも公使権限の及ぶぎりぎりまでビザを書き続け結果的に6千人とも言われる戦争難民を救っている。よく杉原のことを「日本のシンドラー」という言われ方をしているが、僕に言わせればシンドラーこそ「ポーランドの杉原」だ!好み40/50、演出12/15、脚本8/15、演技6/10、技術8/10、合計74/100→7/10点 |
36.もう少しユダヤ人を救うことへの葛藤やドイツ人同士の衝突などがあればと感じる。ただ、映像も内容も迫力あり衝撃も受ける。 【noji】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-16 10:08:35) |
35.内容はホロコーストの悲劇と、シンドラーの行為の史実に絞り込んでいて、 彼の人物像までは詳しく描かれていない。ドキュメンタリータッチということで、 ドラマとしては少々物足りない部分もあるけど、それでも見せ場はしっかりと押さえていた。 終盤からラストにかけては、ちょっとベタっぽかったけどね。 シンドラーは子供の頃、遊び相手が近所に住むユダヤ人だったらしいが、 そういうことも含めて、彼の"人となり"ももっと知りたくなった。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-11 14:43:45) |
34.主人公が成金狙いのうさんくさい男ってとこに味がある。たくみに軍に取り入っていくあたりのとこ、リーアム・ニーソン、いい。それでもラスト近くのヒロイックな描かれかたには、やや抵抗が残るが、たとえば間違ってアウシュビッツに送られてきたのの扱い、彼はやはり「自分の」ユダヤ人たちを救おうとする。ここらへん、彼も「選別」しているわけで、ちょっと引っかかったんだけど、ああそうか、そこがポイントなのかも知れないな。抽象的な正義感よりも、自分の家族のように顔を知っている・名前を知っている人々を救いたいって気持ちのほうが強くなれるわけで、そういう具体的な顔や名前に足場を求めないと、狂った抽象的な理想に対抗する正義ってのは発揮できないんだ。ゲットー解体シーンはやはり迫力。ほんのささいな分かれ道で、生き延びられるものと生き延びられないものと違ってくる。音楽はまたJ・ウィリアムズ、ユダヤ人作曲家マーラーの交響曲8番に似たモチーフの部分があるんだけど、偶然だろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-05 20:11:48) (良:1票) |
33.7,8年前の年明け早々の深夜に一人で観ました。子供がトイレに逃げ込んだら子供で満員状態、その中の一人が「出て行け」と言うシーンに泣きそうになりました。このシーンのために以降一度も本作は観ていません。所長を始めとするナチスの行為。平時ならごく普通の精神の持ち主が戦争という状況ではどんなことでも何とも思わずにやってのける事を、数ある戦争ものの中でもイヤというほど見せ付けます。そのような皆を狂わせる戦争の空間に於いて、聖人君子でないシンドラーが自らの立場で精一杯自らの意志を通した事に千金の重みを感じるのです。 |
32.ユダヤ人虐殺と、ユダヤ人を救った男をテーマにした重厚で陰惨な映画。長丁場ですが、見させる力は十分。にわかにコメントし難いですが、意義ある一本。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-20 18:19:00) |
31.決して悪くないがいい映画と聞かれれば個人的にはそうでもない。なぜかというと例えば夜と霧に代表されるユダヤ人迫害を扱った書籍・写真から感じる身震いするような恐怖感が伝わりきらないところにある。また主人公が最後に泣いて後悔するが人物描写の乏しさのせいか偽善にしか思えなかった。しかしながら、ゲットー解体シーンや「選別」シーンをあれだけの壮大なスケールでやってのけたということは映画史上大きな意義があるように思う。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-27 06:19:40) |
30.この作品と同じ年に『ジュラシック・パーク』が製作されている。リアルな恐竜の映像化に成功した後、スピルバーグはあり得ないものをリアルに映し出すことに拘りを見せ続ける。しかし、『シンドラーのリスト』の映像は『ジュラシック・パーク』以降のリアルな映像とはアプローチを異にする。それは、どんなにリアルな映像を作ったとしても、現代でも見ることが出来る写真や記録映像に「リアル」という部分においては必ず劣ってしまうから。そこで監督はイマジネーションの映像化ではなく、歴史の証人たちの証言の映像化というアプローチでこの大事件を描き出す。そのことによってアウシュヴィッツの大量虐殺を映像にせず、噂話による人々の不安を描くことで、観客に信憑性のある恐怖の世界を見せてゆく。アウシュヴィッツに送られた女・子供たちが目にする煙突の煙もまた、その場にいた者だけが感じる恐怖の象徴として我々の目に強烈に焼き付く。ストーリーの中に別のストーリーを入れるというスピルバーグの特徴も、この作品では見られないが、それはこの歴史的大事件においては入れるスキが無いということと、それだけ真摯に証言の映像化に取組んだからではないだろうか。見た目のリアルではなく、その時、その場所の恐怖を、様々な映画的工夫を凝らして再現しようとしている。ひとりの少女をパートカラーで映し出すことで、大量の死を目の当たりにする我々がおざなりにしがちな一つの命の重みを映し出す。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-09 13:48:18) |
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29.なんて言っていいのか分からない。 純粋に映画を見た時感動した。仰々しく言うのは控える。普通に映画としては良作だと思う。 実は本作品の原作本は当初「フィクション」として発売されたという経緯を持つ。 もちろん実在の人物。似たような経験は経ているのだろうけど、よく歴史映画にある、「実在の人物、実在の事件を扱ってますがこの作品はフィクションです」という類の本だったみたいです。 いつ頃からかそのフィクションの文字が消え原作だけが一人歩きしている気はするが、そういう複雑な経緯を取り除いても一種の映画としては良質。 感動映画だと思った。 【カナン】さん 7点(2005-03-09 16:44:47) |
28.スピルバーグがオスカーをとりに行くために、ホロコーストを使うというのは、いかにもユダヤ系のスピルバーグらしい逸話である。それでも、スピルバーグらしいリアリティは、この映画で全面的に生きている。 【みんな嫌い】さん 7点(2004-10-25 10:55:32) |
27.「ET」以降のスピルバーグは全然面白くないのでこの映画もずっと敬遠してたんだけど、素直に感銘(「感動」とはちょっと違う)を受けましたね。「カラーパープル」や「プライベート・ライアン」にはしらけたけど、本作には彼なりの魂がこもってたと感じました。どの辺にって言われても説明できないんだけど。劇中でシンドラーが「アーモンだって戦争中でなかったら普通の男だ。戦争は人間の一番悪い部分を引き出す。」って言ってたのが印象深かったです。特別な人間でなくても、人は環境によってあそこまで残忍になれてしまうんだなぁ。決して他人事では無いと思いますよ。自分自身の良心に「それは果たして自分の意見か?」と問い続けなければ、今の世の中簡単にマスコミやらなにならにマインドコントロールを受けてしまうんですから。そしてシンドラーが行った「偽善?」は悪い事?もしそうなら彼はどうすべきだったのでしょう?「一人の命を救うものが世界を救う」というのは素晴らしい言葉です。まさにイラク情勢に関してなんか「多少の犠牲はしかたない」って姿勢が米国だけでなく日本にもあるように感じますし。そう考えると、この映画では特に崇高な志を持った人ではなくシンドラーという金儲け主義の普通の人間が主人公であることに大きな意味があると思います。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2004-09-02 11:42:01) (良:3票) |
26.今まで、いろいろなナチ関係の映画を見てきたけど、その中でも一番ナチの恐ろしさを感じられた作品だった。これは、見る価値のある、というか見なければならない映画だと思う。 【夏目】さん 7点(2004-07-06 11:16:34) |
25.抹殺、絶滅、撲滅、一掃、根絶、…。一般的に我々が害虫や病原菌に対して使用する言葉が人間に対して向けられた時代。ナチ党員でありながら体制への些細な抵抗として試みた「ユダヤ人囲い込み」は、画面では知ることの出来ない綱渡り的な部分もあったであろう。収容所からシンドラーの工場へ移動できる“命のリスト”から漏れ、名前を呼ばれずに列に埋もれた人々のことを思うと心が痛む。白黒で撮られていること、一部カラーがあることの意味を、私たちは是非考えたいところである。 【やすたろ】さん 7点(2004-06-11 18:49:32) |
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23.長い映画だけどあんまり時間は気にならなかった。「もっと助けられた」には心打たれたけど、男の全裸は見たくなかったなぁ 【ALEC】さん 7点(2004-06-04 23:45:02) |
22.ラストはちょっとしつこいかなとは思ったけど、いい映画でした。「こんな時代があったんだ」というのが強く伝わってきてとてもリアルだった。観た後すぐ「よかった」とは思わなかったけど、時間がたって後から「いい…」と思うような心に残る作品でした。いつかもう一回見ると思う。最初は「だるいな」と思って観るのをやめようかと思ったけど最後まで観てよかった。 【Syuhei】さん 7点(2004-05-23 01:27:34) |
21.レンズ越しに伝わってくるのは、監督によって感動系化された実話?いい作品だし面白いけど、実話に感動はいらないと思う。…個人的に。 【魚弱】さん 7点(2004-05-16 16:58:42) |
20.なぜモノクロにすんの?生々しく見せるためとかってきくけど、俺はモノクロだとかえって不自然に見えた。「これはテレビ画面の中で起こっていることですよー」って言われてる感じがして全然臨場感が無かった。 【仮面の男】さん 7点(2004-02-27 00:26:18) |