6.撮る前から分かっていたことがひつとだけあった。正直言って、Mを殺してまで盛り上げた前作の後では、何を持ってきても見劣りすることはわかり切っていた。
今回、制作陣はそれを逆手に取った。
よっしゃああああ、今回は好きなようにやってええんじゃあ!
ってな具合。
その結果、怪作が出来上がった。
思想性はほぼ完全に欠落している。前作の大英帝国の凋落そのものに一矢報いようとするすさまじい気概とは、あまりにもかけ離れていた。
今回は娯楽映画って、これでいいんじゃないの、と言わんばかりである。
うん。俺は支持する。
余談だが、今回のヒロイン。他の映画を見ると全然魅力的に見えないのだが、今回はヒロインらしいヒロインだった。