3.80'sアホ青春映画の真骨頂。もう、とにかく、ほとんどすべてのシーンのすべての登場人物のすべての言動がアホである。だいたい、この映画にはストーリーというものがほとんど存在しない。ちょっと前に何かやってたはずのカップルが、いつの間にか何事もなかったように存在すら消されている。で、次によく分からないままに新たなカップルが誕生している。その繰り返しである。何とも潔いではないか。そして、そんな驚くほど適当でいい加減な世界を奇跡的に映画として成立させているのが、「それがどうした」といわんばかりに全員が発散している驚異的な若さとパワー(とフェロモン)である。この作品はジャンルとしては青春映画だが、むしろ生活に疲れた中年の人間こそがユンケル代わりにこれを見て、活力と自信とお気楽さを取り戻すべきだろう。また、台詞に登場してくるミュージシャンの名前が、ブルー・オイスター・カルトだのパット・ベネターだのチープ・トリックだのというのが、さらに時代を感じさせて泣かせる。