13.過去と現在が交錯するので初見では結構混乱すると思う。 私の場合原作を読んでから観たがそれでもわかりにくい部分があった。 とても美しい映像、音楽。 ゆっくりした演出の流れの中でじわーっと心に染み渡る。 これはイシュマエルの癒しの物語。 イシュマルのハツエに対する屈折した想いは当時の日系移民に対する差別偏見、日米戦争、そして越えられない父親の存在が混ざり合って形成された。 しかしそれを決定的にしたのはハツエだった。 なぜあのようにハツエはイシュマルを拒絶したのか。 映画だけから彼女の心情を読み取るのは難しいかもしれない。 イシュマルは父の影響で日系人に対しても差別なく公平に接していた。 しかしハツエから最後の最後に拒絶され打ちのめされている時に彼は海兵隊員、通信兵としてタラワ島に上陸、そこで負傷する。 腕を切り取られた手術台の上でつぶやいた「Fucking Jap Bitch!」。 これは日本兵に対する言葉か、あるいはハツエに向けられたのか。 それともそのすべてを含む「日本」という存在に対する言葉だったのかもしれない。 それまで日系人と偏見なく接してきた彼が発した言葉だけに重い。 マックス・フォン・シドーが演じる弁護士の最終弁論が極めて印象に残る。 ハツエ役の工藤夕貴は日本人で日系二世を演じた。 たいしたもんだと素直に思う。 だが相当な力みを感じた。 他の出演者の自然な演技と比べてやや浮いていた。 【称えよ鉄兜】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2007-08-12 10:12:11) |
12.思わぬ掘り出し物を見つけた気分です。たしかに地味だし、暗いし、時間軸がグチャグチャで分かりにくいんですが、それを差し引いても十分におもしろかった。日本人差別という大きな問題と、イーサンの個人的感情との絡ませ方が見事です。最後のほうで、日本人の家族がイーサンに向かって静かに頭を下げるシーンには、思わずグッと来てしまいました。ケンドーに殺傷能力があるとは知りませんでしたが。 【眉山】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-09 12:14:46) (良:1票) |
11.華やかではないけど佳作、良作でした。Nステが何年も撮影などを追っかけてたので、何だかそんなふうに撮ってて、こんな地味なのが出来たの!?と当初は思いました。もちろん戦中戦後の日系人を取り上げてるので興味深いものはあります。確かに当時から偏見の目を持たない人もいたでしょう。けどいい人ばかりでないところも好きです。主人公の目も初恋の人というひいき目もあったけど、複雑な思いのあまり、腕を落とされる場面で失恋を重ね「ジャップのアマめ」とつぶやいてしまう。証拠を隠してしまう。老弁護士だけはちょっといい人すぎたけど。被害者の奥さんとミヤモトの思い出(浮気?)もあったり。ラストに至ってもまだ苦々しい顔の被害者の肉親。昔を振り返るシーンは本当にみずみずしい。鈴木杏は本当にいい。工藤夕貴を喰ってます。彼女よか注目されそうな気がしたのに、そーでもなさそうだったのは、みるみる膨張しちゃったから・・・ でもないか・・・ 題材で地味になるとは思えないけど、どこか地味だな、どこか突き抜けてないと思わせたのは、法廷ものにしてしまったのと、(原作がそうなのかな?)肝心な所で大根になる工藤夕貴のせいかも。スクール水着になったり、ある意味期待出来るので不純な動機で見ていただいてもよろしいかと。 |
10.初めてみた時、何にも感じなかった。それから3年ぐらいたってDVDを借りて、先に特典の映像を観てから作品を観たら、背景がよく伝わって分かりやすかったですよ。二人は、愛しあっているのに結ばれないという歯痒さ、胸を締め付けます。やっぱり、イーサンは男前ですねぇ。 【kiki】さん 8点(2003-11-02 17:29:23) |
9.見方は別れるでしょうが、私は映画を観ようと思って原作を読んでいたので、なかなか忠実に綺麗に出来た作品だったと思いました。最初はタルいけれど、中盤から後半にかけては、時代背景等を考えさせられる事しきり。あの時歩いていた人達は、当時の日系人や子孫や子孫達と云う事を知り、『シンドラーのリスト』を思い起こさせた。心に残る映画のひとつ。 【ゆきちゃん】さん 8点(2002-03-23 22:27:15) |
8.映像は淡々としていて、でも彼女を思う心情は計り知れぬほど深い。悲しく美しい。イーサンの子役はイーサンそっくりだった。 【mamik】さん 8点(2001-12-09 23:44:58) |
|
7.ミネタ商務長官の少年時代のエピソード(収容所に送られるときバットを没収された)をTVで見ていたので、この映画のテーマをハリウッドが取り上げたことについて驚きはなかった。「クルーシブル」しかり、アメリカ人ってのは祖国の恥部も積極的にさらけだしてしまうんだと再認識した。回想シーンは海岸、イチゴ摘み、森の雨、戦場の海、など画面全体が濡れていた。これは主人公(イーサン)の泪なのだろうか。一方現在形で進む法廷と戸外の大雪のシーンは対照的に乾いていた。ヒロイン(工藤夕貴)の現実主義的な心象なのだろうか。 【かれく】さん 8点(2001-08-20 17:27:21) |
6.一つ一つのシーンがそのまま絵になりそうな、すごくきれいな映画。監督のセンスの良さとか、カメラワークの上手さが出てるんでしょうねー。弁護士の一言でクライマックスが決まるっていう映画も多いですが、私はこの映画の老弁護士みたいな位置付けのほうが好きです。 【wood】さん 8点(2001-06-15 15:06:32) |
5.評判がよくなかったので、どんなにひどい映画かと思ったが、蓋を空けたら超感動作!ラブストーリーもので初めて泣きました。複雑なテーマも含んでいて、それでいて美しい。もちろん映像は言うことない美しさです。しみる感動ってこのことかと思いましたね。好きです、この映画。イーサンはいつもこういう報われない役ばっかりですね(^^; 【アサリ】さん 8点(2001-06-10 20:50:27) |
4.回想シーンを交えながら淡々と展開していく中、言葉そのものよりも”間”や表情から感じるものがありました。派手ではないけれど綺麗な映画。原作も良いです。 【雪うさぎ】さん 8点(2001-05-31 23:35:14) |
3.ひそやかな愛を縦糸、人種偏見を横糸として、ふんだんに回想シーンを取り入れ、言葉少なく映像で展開を図る。印象的な作品。最後にマックス・フォン・シドー 演じる老弁護士に多民族国家アメリカの支えであるJUSTICEを語らせるところは心憎い。 【向日葵】さん 8点(2001-05-19 16:10:02) |
2.第二次大戦中の日系米国人の強制収容をめぐっては、素晴らしいドキュメンタリーが数多く出ているが、この「事件」がハリウッドにまで行ったということは、日系人にとっては大きな成果だろう。この映画に出てくるイーサン・ホークらのように、「アメリカ人」が全員、日系の強制収容に賛成したわけではない。日系人だけの収容は違法であると戦った白人弁護士らもいるし、日系人の男性と結婚した白人女性の中には、夫と共に収容所に行くことを決意し、4年間、収容所で暮らした女性もいる。「アメリカ」には白人と黒人だけしか住んでいないような錯覚を招くハリウッド映画の中では「異色」というか、やっとここまで来たか、と感慨深いものがある。 【ぶんばぐん】さん 8点(2001-01-04 08:38:09) |
1.ん~、今までにないような不思議な映画でした。 けど、観終わって「どこが良かった?」って聞かれると、「なんとなく良かった」って感じです。 過去の回想シーンと現実がごちゃごちゃしてて観ずらい気もするな。 【ZATUO】さん 8点(2000-11-08 18:57:45) |