2.ウディ・アレンのファンや彼の映画に興味がある人なら必見のドキュメンタリーです。彼の生い立ちからスタンダップ・コメディアン時代の貴重な映像も見せてくれます。『What's Up, Tiger Lily?』の事はまったくスルーで『泥棒野郎』が初監督だとしていることには、やはりなあ、と思わせていただきました。アレンの妹さんが出演してましたが、『ブロードウェイと銃弾』以降のアレン映画のプロデューサーの一人だと知って驚きました。アレンを語るうえで欠かせない二人の女優、ダイアン・キートンはもちろん出てますがやっぱりミア・ファローは無理だったみたいですね。とくに印象深かったのが、ジョシュ・ブローリンやナオミ・ワッツ等の錚々たるハリウッド俳優たちが「アレンを喜ばせたくて一生懸命演技した」と語っているところでしょうね。こんなこと言ってもらえる映画監督は、彼の他にはイーストウッドぐらいのもんでしょう。 アレンの父親は100歳の長寿だったそうですから、ひょっとすると彼もマノエル・ド・オリヴェイラや新藤兼人みたいな“100歳監督”になれるかもしれませんね。彼の書いた名セリフじゃないけど「映画監督はサメに似ている。映画を撮り続けないと死んでしまう」ということなんでしょうね。