131.コラテラルという言葉を英和辞書でひも解くと『二次的』『副次的』
とかいまいちピンと来ない言葉が出て来る。
こんな聞き慣れないタイトルつけたもんだから余計に考えちゃうじゃないの。
なんか他にないのかと思って詳しく調べてみたら『巻き添え』という言葉が出てきた。
なるほど~巻き添えねぇ・・・でもこれじゃあストレート過ぎるよねぇ。
2人の主人公の内の1人、タクシー運転手のマックス。
将来、独立して高級リムジンを購入し自分の顧客を得て金持ちになろうと
夢を見つづけて12年も経過してしまった所謂負け組の典型的な一例だ。
対してもう1人の主人公、トム君演じる殺し屋のヴィンセント
(トム君にしては珍しい悪役でしかも実年齢より老けた役)
は己の信念を貫き通し成功の為には手段を選ばない現実主義者であり
世に言う勝ち組のセオリーを体現している人物だ。
この負け組と勝ち組の象徴の様な2人がひょんな事から
一晩を共にしその結果その後の人生が『二次的』『副次的』に
変化するという事の暗喩として繋げているという訳なんですな。
プアな英語知識しか持ち合わせていない私の様な
一般的な日本人にとっては中々分かりづらいタイトルだったけど
邦題にアテてもこれ以外のタイトルはアテづらいというのが
全編を見通して納得しちゃいました。
いやぁそれにしても序盤に乗り合わせた女検事アニーとのプチロマンスが
どんな風にストーリーに絡んでくるのかと思ったら
最後の最後で・・・まぁこれ以上は見てのお楽しみってやつですかね。
マイケル・マンって監督、前にも【ヒート】でデ・ニーロと
パチーノの2大俳優を配したクライムアクション映画を撮ってたけど
こういうタイマンを張った映画を創らせたら右に出る者はいないって感じですな。
久々に正統派クライム・サスペンスを堪能させて頂きました。
・・てな訳で率直な評価として8点献上。