122.多少細部の脚色はあるらしいが、おおむね事実に則して描かれているようだ。やはり一番驚いたのは、当初はジョンが感情的に、あるいは大統領として中立の立場から、表立って軍部の主張するキューバ空爆には反対していなかったということだ。事実、最後のロバートとドブルイニンの会談が失敗すれば、数十時間後には空爆開始というところまで追い詰められていたのだ。キューバ空爆は、即全面核戦争を意味する。おまけにクレムリンの状況をホワイトハウスはほとんど把握していなかった。ぎりぎりのところで危機を回避した、当時の指導者たちの冷静な判断力は賞賛に値する。ケネディ兄弟の死後、一族のスキャンダルがいろいろと暴露されているが、この作品を観ると、ただスキャンダラスなだけではない、彼らのその若さにそぐわぬ卓越した政治手腕には改めて感心する。エクスコム会議の席上では本音を言わず、兄弟2人きり、あるいはケニーを加えた3人の時だけ、感情も顕に本心をぶちまける。重要事項は自分たちだけでほとんど決定し、その決定に会議を誘導する。この狡猾さは、神話というにはあまりにも冷徹で、恐るべきものだ。この作品では、大統領特別補佐官で、ジョンとロバートの大学時代以来の親友でもある、ケネス・オドネル、通称ケニーの視点から、彼ら3人の結束を軸に、いかに彼らがキューバ危機を乗り越えたかが描かれている。ケニーはジョンやロバートと、時にぶつかり合い、時に彼らを叱咤激励しながら、危機を回避しようと奮闘する。ケビン・コスナーについては、意見が分かれているようだが、現実にケネディ兄弟の親友だったことを考えると、あの程度の発言は充分あり得るのではないだろうか。作品の随所に登場し、実に魅力的に描かれている、彼ら3人の固い絆と友情を示すシーンは、ケネディ兄弟の悲劇的な最期と重ね合わせて観ると、改めてより一層胸に沁みる。派手なアクションがあるわけでもなく、ほとんどはホワイトハウス内のシーン。にも拘らず、冒頭から最後まで途切れることなく続く異様な緊張感。出演者たちの気迫の漲った演技が素晴らしい。特にロバートとマクナマラ国防長官、アドレイ国連大使の3人の存在感が光る。キューバ危機を知っている人も、知らない人にとっても、格好のテキストになることは間違いない。ポリティカル・サスペンスの傑作。 【わいえす】さん 10点(2003-01-02 02:48:10) (良:3票) |
121.私は歴史ものが苦手です。たとえば時代劇を見ていても、香取慎吾が出ていると、それは近藤勇だと思いこもうとしても、新選組の中にスマップのメンバーが交じっているとしか見えず、ストーリーに集中できないのです。この映画でも、ケビン・コスナーの顔を知りすぎているのが邪魔になって、ケネディのスタッフに有名な俳優が1人交じっているとしか見えませんでした。また、ケネディ大統領の顔を知りすぎているので、俳優があまりにも似てなくて、最後まで「しょせん作り物だなあ」と思って冷めた目で見ていました。(例外は、ロバート・ケネディ役の俳優で、彼は本人に似て見えたので、作り物の中に1人だけ実写が交じっているように見えました。兄のケネディ大統領を尊敬する弟を好演していました。) そのようにいろいろな邪念を振り払えなかったせいか、緊迫感あふれるシーンも、あまり心に響かず、ただ長いだけに思えました。歴史的なテレビ演説も、実際のケネディ大統領の演説よりもスピードを上げてしゃべって緊迫感を高めようとしていたのが、過剰演出ではないかと思いました。 【チョコレクター】さん 6点(2004-10-15 17:26:21) (良:1票) |
120.学校の授業でみたのですが、面白かった!ケネディはすごいね!ケビィンコスナーはやっぱり好きです。 【jon】さん 8点(2002-12-27 18:25:13) (良:1票) |
119.一国の首相は大変です。。。この時代をもう一度勉強したいと思いました。 【turbo】さん 6点(2002-12-22 21:43:33) (良:1票) |
118.外交交渉のかけひきの臨場感が良く伝わってくる第一級のサスペンス映画だ。指導者は、時として、ごく限られた情報を元に重大な決断を迫られる。一瞬の静寂と次に下される決断。相手の出方が分らないなか、何をよりどころにその決断を下すか。この映画を楽しめるかどうかは、歴史としてのキューバ危機を知っているかとか、キャスティングがどうかというものではないはずだ。限られた情報の中で決断を下す緊張感を共有できるかどうか、である。 【ローマ】さん 9点(2002-07-27 17:50:56) (良:1票) |
117.結構よかったんですがバカな俺には難しすぎました。もう一回勉強してから見ます! 【ロック】さん 6点(2002-06-05 20:14:17) (良:1票) |
【ナガタロックⅢ】さん 8点(2002-03-05 22:11:55) (良:1票) |
115.「キューバ危機」歴史は強くないので詳しく知らなかったけど、面白かった。緊張感がたまらない。 【MITSU】さん 8点(2001-10-20 19:10:59) (良:1票) |
114.ロジャー・ドナルドソンの新境地かもしれないこの映画、内容がいい。 【ます】さん 8点(2001-08-03 17:44:09) (良:1票) |
113.予備知識、というかキューバ危機のことを何も知らずに見たら少しつらいかも。緊張感があってよかったです。 【雪うさぎ】さん 8点(2001-03-06 01:42:31) (良:1票) |
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【heat】さん 8点(2001-01-09 18:52:30) (良:1票) |
111.キューバ危機の詳しい内容は知らなかったが、2転3転するストーリーにどきどきしてみました。 【トミー・リー】さん 7点(2001-01-05 20:28:39) (良:1票) |
110.13日間寝ずに仕事した割には、みんな最後まで顔色よかったね。コロナだから、昔を思い出したいおっさんはみれば良いよ。 【センブリーヌ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-09-09 18:02:59) |
109.たまたまさっきこのサイトのマイページにある「好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧」を見て、この映画の名前を発見。 「あれこいつレビュー書いてなかったっけ?」と思ったわけです。 で、なぜレビュー書かなかったのかを考えると、特に書くことがなかったから放置したんだろうな、と。 世界が一番やばかった「キューバ危機で実際に核戦争までいきかけたんだぜ」をアメリカ視点で描いた(脚色ありの)ノンフイクション映画で、真実だからこその緊迫感と面白さはありますが、しかしノンフィクションの限界。「実際に戦争は起きてない」という結論を知った上で観る以上、予想以上の展開もなく一定以上の面白さになりようがないんですよね。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-25 15:37:21) |
108.真面目な作りの映画。ただし、地味な面は否めない。 事実が詳細までこれと同じなのかどうか、それは分からない。まあ戦争にならなくて良かったよね、と思う。 【simple】さん [地上波(吹替)] 6点(2017-10-08 20:39:36) |
107.あくまでも視点はアメリカからのキューバ危機。事件そのものを第三者の目から検証しているわけではないのですな。私はどっちかというとソ連側の言い分が聞きたい。“気取った高慢ちきのアメリカに一泡ふかせてやろう”とカストロと結託した「共産主義から見るキューバ危機」の方が面白いと思うんだけど。ちょっと間抜けな予感もするし。もしも実現したならキューブリックに撮ってほしかったなあ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-21 00:05:17) |
106.中国との間の尖閣諸島領有問題がこじれにこじれ、反日デモで日本企業がボコボコにぶっ壊されるわ、尖閣に中国の大船団が迫っているわ、中国報道官の日本に対する悪口が日々エスカレートするわと、只事ではない事態に直面している最近の日本。その一方で我らが野田総理の存在感は薄く、彼は一体何をしているのだろうかと考えながらふと思い出したのが本作でした。。。 今回の鑑賞であらためて感じたのですが、この映画の面白さは異常です。本作は戦争に至らなかった事件を舞台にしており、見せ場らしい見せ場は皆無。あーだこーだと議論するおっさん達の姿が上映時間の9割を占めるという何とも暑苦しい内容ながら、これをアクション映画もかくやという娯楽作にまで高めているのです。ロジャー・ドナルドソンによる演出が素晴らしく、膨大な登場人物の入り乱れる複雑な物語を、極めて簡潔に仕上げています。映画全体のテンポの作り方や、イベントに向けての盛り上げ方も見事であり、この監督なくして本作は完成しなかったであろうと思います。。。 ただし、傑作にはなりきれていないという印象です。かつて『ダンス・ウィズ・ウルブス』を製作し、『JFK』にも主演したリベラル一直線のケビン・コスナーの影響か、本作は問題の捉え方があまりに一面的すぎるのです。何が何でも武力行使に持ち込もうとする軍人達が悪として断罪されており、危機を作った張本人であるソ連以上に否定的に描かれています。この手の映画は「あなたならどうしますか?」という問いを観客に投げかけてこそ価値があると思うのですが、製作側が善悪を断定してしまっているのでは楽しみが半減してしまいます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-09-25 00:51:42) |
105.第3次世界大戦を回避すべくたたかった男たちのドラマです。戦闘機や海上のシーンはかなり限定され、大統領とその弟と側近達が室内で繰り広げるディスカッションが作品のかなりの部分を占めますが、これがなかなかの緊迫感にあふれ、重厚感のあるポリティカル・サスペンスとなっています。対ソ連にとどまらず、軍部やマスコミ、アメリカ国内、世界に対する情報戦なども見応え十分でした。2時間を軽く越える長尺ですが、無駄が感じられずその長さも全く気になりませんでした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-03 20:13:14) |
104.自分たちは虎視眈々とキューバを狙い、ピッグス湾事件などを引き起こし、当時も攻撃寸前だったことは棚に上げてソ連のミサイル配備をさも奇襲されたかのごとくパールハーバーに例えるとかどんだけアメリカ視点やコラ!!というツッコミが浮かんだが、別にどうでもいいやと思ったほど面白い。大統領、政府の意思決定や、外交ってのはこうやるんだ。仲良く話し合えばなんでも解決すると思ってるおめでたい某国の草食系政権はこの映画でも見て勉強すべきだろう。まあやつら左翼だからソ連が悪者のこの映画は耐えられないかもしれんけど 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-27 08:18:47) |
103.アメリカにとっての敵側の実体の描写が無かったことでアメリカ政府の不安感や緊張感を共有した気になれるが、結末を知っている出来事にこの演出はハマっていない感じがした。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-04-14 16:45:32) |