115.★イーストウッド監督最後の出演作と言われる本作だが、あまりにも「それ」感の漂いすぎてるラストがイヤだ。こんな映画作っちゃって、ホントどうすんだ、イーストウッド? ★そりゃ理屈としては・・・ウォルトの論理からも、アジアンギャング達のバカさ加減からも、現代版西部劇というこの映画の立ち位置からしても、そしてイーストウッド監督の集大成としても、こうなるしかないラストだとは思うんだが・・・心情的にはどうしても納得できないぞ! ★どんだけ老醜さらしたっていいじゃないか。あがいてあがいてそれでも最後にはビシッと決める、そんなイーストウッドを見せて欲しかった。 ★PS.ふたつだけ。今回イーストウッドはとうとう家族ドラマとコメディと浪花節もモノにしてしまった。完全に邦画のお株を奪われてる、無敵。 ★ギャング達の描き方が浅すぎという批判もあるようだが、西部劇であるので仕方がない。個人的には、例え銃社会のアメリカと言えども、(護身用の小ピストルくらいならともかく)無差別大量対人殺傷兵器であるマシンガンをイキがって所有している時点で、同情の余地などない。 ★なお、点数についてはほんとはつけたくない(付けれない)のだがギリギリこれで。たぶんこんな点数つけるのは自分だけだと思うので、大勢には影響なかろう、かんべんして欲しい。 【wagasi】さん [映画館(字幕)] 2点(2009-05-03 19:49:49) (良:4票) |
114.「まったくひどい」という神父に「それが世の中だ」と答えるイーストウッド。 このセリフに彼のこれまでの作品に内在するテーマが見てとれるのだが、本作ばかりはややテイストが違う。 なんとも微笑ましい前半部、近年のイーストウッド作品ではすっかり影を潜めていた“笑い”がこの作品にはあり、かつてのイーストウッド映画を想起させ、それだけでもなんだか泣けてくる。 ダンディズムの象徴みたいなイーストウッドが、少年タオに男の口のきき方、女の子の誘い方を伝授するシーンの温かさ、演出の巧さには鳥肌が立った。 ストーリー自体は極めてシンプルだが、それでいてラストの懺悔シーンとその後の結末の現わすところの深さは尋常ではない。 さらにさらにそれでいて、後味は信じられないほど穏やか。 彼のこの偉大な作品に込められた遺言は、きっと遠く遠く先の世代にまで届くのだろうと思う。 【poppo】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-07 12:58:30) (良:3票) |
113.正直あまり響かなかった。これはクリント・イーストウッドの映画もあまり見たことないし、西部劇もあまり見たことないし、というのが理由でしょうか。よい映画だとは思う。爺さんがかっこよかったのもわかる。アメリカは病んでいること、その中で生きることとそれよりも死ぬことについて考え続ける爺さんがいる。でもストレートすぎるというか、それとなく匂わせてほしいことを台詞でいいすぎな気がするし、映画として、終わりが読めてしまった。でも、映画でいいたいこと、それは、もう少し年をとったら、思い出すかもしれない。イタリア人の床屋のシーンは好きです。 【しゃっくり】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-05-06 01:41:35) (良:3票) |
112.観終わって周り見たら、泣いてるオバちゃんがいてさぁ。ついもらい泣きしそうになったよ(←「自分も感動した」と素直に言いなさいっての)。クルマ音痴のワタシ、グラン・トリノと言われてもピンと来ず、グラン浜田なら知ってるんだけどなあ、と余計なコトをつぶやきつつも、さて映画を見ながら、ああ、映画界で成功をおさめたイーストウッド、ハリウッド最後の良心と言われるイーストウッドにも、あれこれと屈託があるんだなあ、と。そりゃまあ、成功した分、多くの人を傷つけたりもしただろうし、睨まれもしたかも知れない。周りの気づかないところで、ひっそりと忸怩たる想いも、持っていることだろう(一方で世の中には、「俺の人生、順風満帆だったななー」とばかり「なぜ私はこんなに成功したか」とかいうビジネス本を臆面も無く書く人がいて、ようやるわ、と思うのだけど。まあ、“ビジネス本”ってモノがすでにひとつのビジネスですからね~あまり目くじら立てるのも)。今回の映画でイーストウッドは、自らを頑固ジジイとして描き、露悪的な差別言動すらも辞さない。その一方、自らを、あえて穏やかな日差しの下に置き、木々のざわめきの中に置く。そして異民族の中に単身、身を置いてみせる。心に影を抱いたまま。主人公が、“先輩移民”として、東洋系の少年にハチャメチャな指導をする姿、国産車を愛する姿には、イーストウッドの愛国心が感じられるのだけど(庭の星条旗までも、彼の心象をそのまま表すようにはためいてみせたり)、そこにはあるのはもはや、何が正しいか何が間違っているか、などという単純な図式ではない。決して拭い去ることのできない過去、自分が一番罪の重さをひしひしと感じている過去。それを背負いながら、そこから逃げ隠れせず、押しつぶされることもなく、精一杯胸を張ってみせる、主人公の、いやイーストウッドの姿こそが、そこにある。とことん前向きなる贖罪の映画、それがこの『グラン・トリノ』ではないだろうか。・・・ところで、ここには確かにイーストウッドの過去が込められているのだけど、ふとある瞬間、この主人公ウォルトに、あるヒーローの姿が重なる。それは・・・ああ、寅さんだ(笑)。少年タオはさしずめノボルだねこりゃ。 歌はイーストウッドより渥美清の方が上手いと思った。ふふふ。 【鱗歌】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-01 21:10:48) (良:2票)(笑:1票) |
111.まあいい映画なんだろうな、と思うのだが、いまいち魂に響いてこない。なんていうか、判りやすすぎるというか、どことなく薄っぺらいというか。みなさんの高評価ほどの感銘は受けなかったよ。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-09-21 23:31:11) (良:2票) |
110.チンピラは人種を問わず屑だと実感しました。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-29 23:07:23) (良:2票) |
109.深いです、今の自分はああいう生き方はとてもじゃないけど出来そうにないです。もうじき成人式を迎える自分ですがまだまだガキで何とも浅はかな人間だという事を痛感させられました。あのラストが正しい正しくないとかそういう話じゃないです。そういう話は置いといて、仮に同じ立場だとして恐らく自分なら復讐一択しか思いつかないということが何とも浅はかと思わざるを得なかったのです。ああもどかしい、もっと上手い言葉で言い表せるはずなのに、微妙な表現しかできない自分の文章力、ボキャブラリーにガッカリです。 【ケ66軍曹】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2009-10-15 05:48:29) (良:2票) |
108.前半「アウトロー」や、「ダーティ・ハリー」、「ハートブレイク・リッジ」といった彼の代表作を髣髴とさせるシーンがいくつもあった。いかにも彼らしいユーモアにも笑い転げた。 引退を表明したイーストウッドが、自ら演じてきた、血にまみれたヒーロー達に作ってやった花道、あるいは鎮魂歌のような映画。 大先輩のジョン・ウェインも最後の作品では似たようなことをやっていたっけ。 この作品に関してはもういい悪いの問題じゃないね。 でも、彼の姿がスクリーンから消えるのは寂しい。 |
107.この映画で、クリント・イーストウッドのファンになりましたが、もう遅い?(笑) 年齢的にはお年寄りって言っても、もし同じ電車に乗ってたって席を譲るどころか、 逆に譲ってくれそう。とにかく格好いい!本当にこれが俳優最後の作品になるのなら、 これ以上にいい終わり方もないような気がします。それくらい見事な散りっぷりです。 内容的には、わりと地味で淡々としているものの、全くダレません。この内容で最後まで飽きさせずに見せることができるのも、やっぱり才能なんですかね。会話や音楽のセンスがすごく素敵です。キャストもイーストウッド以外は有名な役者も見当たらず、かえってそれが良かったと思います。話の設定からしてラストは読めてしまい、ネタバレしてもしなくても、この映画の感想にはさほど影響しないかもしれません。西部劇のヒーローは、こうして自らの俳優人生に幕を引いたのかぁ・・・と、ちょっとだけ意外な終わり方ではありましたが、そのちょっとした意外なラストが私には良かったです。で、エンディングでタオが海岸をドライブするシーンに、イーストウッドのしわがれた歌声が流れ、なんともいえない爽やかな余韻に浸ることができました。別にハッピーな物語でもないのに、不思議なくらい後味の良い作品です。 しかし、しかーし、 他の方もレビューに書いてましたが、その爽やかな余韻を壊すような出来事が!!! 画面左横にデカデカと“字幕:戸田○○子”の文字が! えぇ!? 普通こういうのって、最後の最後に小さく出るもんじゃないの?? 今まで見たことないくらい大きな字で表示されてて驚きました。 戸田さんは尊敬するけど、あんなに主張されては映画の雰囲気損ねますよ~。 その点だけがマイナスかな。 上映後に、他の観客(中年女性の二人組)が 「やっぱり、遠くの親戚より近くの他人よねぇ~」と話していて、 必死に涙をこらえていた私は、その言葉にちょっと和んでしまいました(笑) 【びくーにゃ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-21 22:25:03) (良:1票)(笑:1票) |
106.悪党たちが罪なき人々を苦しめる。立ち向かう一人の男、クリント・イーストウッド。なんて単純な話なんだろう。しかもこのパターンって西部劇ではないか。もっと言うなら『荒野のストレンジャー』の『ペイルライダー』に次ぐリメイク、、とは言いすぎか。二つの西部劇の主人公は人間とは言い難い。神の化身と解釈して初めて合点のいく物語となっている。イーストウッドの中にある神、あるいはキリスト教への不信が自らを神へと変えた。『グラン・トリノ』の主人公は二つの西部劇とは違い、コワルスキーという人間の名前を持っている。しかし彼が最後にとった行動はキリストそのものではないか。これまでの作品で散々キリスト教をコケにしてきたイーストウッドは、神にすがることなく、神にしかできないと誰もが思っている行動を人間としてやり遂げさせてしまう。これはこれまで描き続けてきたことの一つの答えなのかもしれない。集大成で言えば私は『チェンジリング』のレビューで『ミスティック・リバー』以降は全てイーストウッドの集大成と書いたが、『グラン・トリノ』はたしかにこれまでのイーストウッド作品を彷彿させるシーンがたっぷりとあるが『ミスティック~』以降の流れにある重さがない。話の単純さもそうなのだが、話の流れもかなり強引だ。例えばあんなに嫌がっていた隣家のパーティに行く理由が弱い。例えば若者たちが集う地下室へ導かれる展開がムリヤリ。これって『ブラッド・ワーク』以前のイーストウッド作品にある所謂予定調和ってやつ。でも『グラン・トリノ』ではそこにつっこむ気を起こさせない。だってこれは映画だもん。そう言われそうだし、そう思ってしまうのだ。そのことを観客に承知させる境地に辿り着いたということか。イーストウッドは映画を崇高なものだととらえていない。もっと身近なもの。もっと手軽なもの。芸術や娯楽という前に映画は映画でしかなく、そして当たり前のように作り物なのだ。マカロニウエスタンってその世界自体が嘘の世界。そこから生まれたイーストウッドの当たり前の世界。グラン・トリノという車の顔形よりもイタリア語を冠した名前がさりげなくイーストウッドの起源を語ってくれているように思った。 彼の映画の本来の武器は映画はしょせん映画と割り切ってもいいという安心感なのかもしれない。そしてその安心感が映画を身近にする。『グラン・トリノ』は愛すべき手軽な映画だ。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-08 17:05:47) (良:2票) |
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105.すごく評価が高いですね。 文化の違いなのでしょうか・・・私にとっては響くものがなかったです。 【たかしろ】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-04-10 11:30:08) (良:1票) |
104.映画を見るようになった頃に見ました。イーストウッド初体験でした。下調べでイーストウッドの集大成的映画だと知っていて見たのですが、過去作を見ていない自分でも映画はあまりにも面白く、こう思いました。このジジイ、只者じゃない。沢山のイーストウッド主演作・監督作を見てからもう一度グラン・トリノを見ると、数々の名シーンが脳裏に浮かんできて、イーストウッドのキャリアをダイジェストで見ているような感覚になりました。いい映画体験をさせていただきました。イーストウッドの身になにかあったとき、もう一度見ます。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-08-17 01:00:42) (良:1票) |
103.血を流さず、悪を罰する。永遠に繋がる復讐心の連鎖を、皺らだけの手のひらだけで、その心をその場に置き去りにする。ぼくにはその手のひらの温もりが心に強く残った。グラン・トリノのハンドルを通して、彼にも必ず伝わっている。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-06-24 01:30:30) (良:1票) |
102.イーストウッドに、人の生き様を見せる映画を撮らせたら右に出るものはいないと思う。 この、ミリオンダラーベイビーを見た際に感じた思いが、この作品で確信となった。 イーストウッドは、どうすれば観客の胸を打つかという見せ方を知り尽くしている。 言葉にしなくても突き刺さる凄惨な事実。 ラストシーンの、言葉では表せない格好良さ。 言葉での説明が無くても"見せ方"が上手ければ、そんなことは問題ではない。 そういうことを改めて深く思い知らされた。 見せ方を知り尽くしているのは、勿論今までの経験に基づいたものだと思う。映画人として、人間としての70年以上の積み重ねが、今のイーストウッドを作っているのだから。 映画界の生きる巨匠。 願わくば、これからもずっと、彼の作った作品を見たいと思う。 【Sugarbetter】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-01-27 16:23:57) (良:1票) |
101.事件と言うか出来事と言うか、展開が唐突過ぎて最後までのめりこめなかった。冒頭から中盤から最後まで「こう展開させたいのでこういう事件を起こそう」という意図が見えてしまって実に残念だった。例えるならば、私もブックのあるプロレスの試合をそれと知りながら楽しむファンではあるが、今まで最強のコンビを組んでた同士が互いの誤解から憎悪を募らせ、イザ血で血を洗う抗争に発展するか!という瞬間に、美女がリングに上がって「あなたたちは、本当は兄弟なのよ!」と言っていきなり「兄さん!」「弟!」と泣いて抱き合うような、そんな感じ。最後の和解が予想できるようなブックだとしても、もっとやりようはあるだろう!と突っ込みたくなる。とりあえず少年とお姉さんは素晴らしい演技だった。せつなさが伝わってきて感情移入できる。が、一度見たらあとは忘れてしまう類の映画ではあった。 【DeVante】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-11-23 11:48:31) (良:1票) |
100.禁酒&禁煙中に本作を観るのは辛い。爺さんが美味そうにビール飲むからなー 【くまさん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-07-12 23:50:12) (笑:1票) |
99.古き良きアメリカの象徴としてのグラン・トリノ、そしてウォルトもまた古き良き時代のアメリカ人なのだと思う。すごくシンプルな物語、けれど頑固じいさんの生き様を描いた感動作という感じはしませんでした。「とにかく伝えたい」こんなことを感じた。 「ミスティック・リバー」でのデイヴも「チェンジリング」でも守られなかった子供を描いている、しかし本作では最優先に守り教え、信頼関係を築く。 幼い子供、未熟な若者を守り教え、導くこと、それが未来への希望に繋がるというメッセージを感じる。 イーストウッドは神に祈り、赦しを請い、希望をもらうことに期待も意義も持っていないのでしょう、人間の業を受け止め、人間の可能性を信じる人なのかなと。 時代は変わっても変わらない、変えてはいけないものと変えなくてはいけないものを見せられた思いです。床屋と建築現場監督との関係、隣人との交流の行程、男同士のコミュニケーションから女のくどき方も教える、良かったですねぇ。ユーモアを絡めた演出は余裕があり、安心して観ていられる。さすがです。 グラン・トリノはモン族のタオに受け継がれ、白人至上主義のアウトローは消えた。 コレは今までライフルやらマグナムやら撃ちまくり、数々のアウトローを演じたイーストウッドのひとつの結論としての意味もあるのでしょうか、そして「ミスティック・リバー」で描いた怒りと暴力の連鎖も終わらせた。 80歳になるというのにこんなことをやってのけるクリント・イーストウッド、本当に頭の柔らかい人格者、生涯現役、素晴らしい。エンドロールが始まってからなぜかポロポロ泣けた。 【envy】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-05-16 13:38:37) (良:1票) |
98.きっと,この作品はイーストウッドの遺書なのでしょう。アメリカンスピリットの象徴たるグラントリノを引き継ぐ者は,アメリカ出身・白人でなくとも,血がつながっていなくても構わない。イーストウッド評価で「魂のあるヤツ」が,後継者ってわけですね。ラストシーンの独唱。役柄を超えて,イーストウッド本人が「俺のバトンを受け取ったか?後はよろしく。じゃあな」って言ってるように聞こえて,ちょっと寂しかったですね。 【veryautumn】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-23 17:37:50) (良:1票) |
97.何で評価がこんなに高いんだろうと思ってしまいます。キレイにまとまっているからでしょうか。いまだにミスティックリバーを期待しているのがいけないんでしょうか。思わず吹き出してしまう渋い演技は最高なんですけど。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-12-05 16:22:22) (良:1票) |
【ビアンキ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-10-10 22:54:13) (良:1票) |