16.「機械が人間に愛情を抱いたら…んなアホな」なんてチンケなやりとりで終わらせてほしくないです。親子の描写も大きなテーマのひとつ。これは個人的な見解ですが、現代は子供に対して一途な愛を与えられない親が増えているようです。子供が求める愛とは、純粋で一途なものです。「愛している」と想われたい…そんな強烈な欲求を、ロボットの忠実なプログラムに置き換えて描かれたのではないだろうか。また、キューブリックが「2001年宇宙の旅」で描いた人間と道具のあり方についても、この映画に継承されているのだと思う。とどまることを知らない人間の欲求が本編を通して如実に伝わってくるし、道具(機械)に対する人間の無責任さも浮き彫りにしている。物が溢れ、豊かな生活ができる今日、子供や道具に対する愛情を考え直してほしい…とスピルバーグは言いたかった…のかも?実はもっと深いテーマがあったりして?哲学的で難しい映画かもしれませんね。でも、この映画をつまらないとか、途中で飽きたとか言う人は、感受性が乏しいとしか言い様がないですね。そんな人が周囲に多いです。なぜこの映画が作られたのか、もっと根本から考えてほしいです。 【リョム】さん 9点(2002-12-30 04:22:43) |
15.評価が低いのは、御尤もです。「最後の一筆が余計だ!!」と言うことでしょう。でも・・・もし、スピルバーグが、あの一筆がのために、この映画を作ったとと思えば納得です。ロボットが愛情を感じたら・・・。母親がロボットに愛情をもったら・・・。主題はそれでは無かったということです。これは、現代人の罪悪性を問うたという事ですよね。以前、子供虐待のニュースで聞きましたが、母親に好かれようと、弟を傷つけ殺したとありました。人間の愛を通した善悪を、どう判断すればいいのでしょうか??これは、子を持つ親に対するリトマス試験紙じゃないかなと思いました。自分の胸に手を当てて考えました。自分の子供への良心はこれで良いのかと・・・。スピルバーグからの問いかけを受けてやろうじゃないですか! 【kei】さん 9点(2002-12-16 00:05:44) |
14.子供ができてなかったら絶対違う感想になった作品。冒頭の黒人女性が心を持ったロボット云々を問うシーンが、繰り返し思い出される。もたつくラストももたつけばつくほど、そんな何千年も我慢して我慢して我慢して・・・それでも、欲しい愛情もあるんだという事を考えさせられる。(つまんないフェアリー伝説にすがってでも手に入れたいケナゲサ)それがインプットされたものなのだと気付く度に、冒頭の黒人女性の台詞にウーム・・・。オレの娘もここまで愛してはくれないだろうなぁー |
13.当時クローンの羊とか猿とか話題になっていた。テディ欲しくなった。 【さすらいパパ】さん 9点(2002-09-05 08:05:28) |
【apiko】さん 9点(2002-05-06 22:32:48) |
11.《ネタバレ》 このレビューを書いた時を最後にこの作品を見返すことはなかったのですが、映像表現が比較的きらびやかなのに対して作品全体に寂寥感が色濃く漂っていたという点が、良い意味でいつまでも印象に残り続け、「今ならもっといろいろ楽しめるのではないか」と思い、最近になって見返してみた次第です。そして結論から言うと、心底「見て良かった」と思えました。 今回見直してみて初めて感じたことですが、劇中で『ピノキオ』が重要なモチーフとして登場するのと同様、この作品そのものもどうやら一種の「おとぎ話」になぞらえて形作られているみたいだという点が、非常に印象的でした。それも「『愛』を主題にした、哀しいおとぎ話」として、です。 例えば人間が人間に対して持つ「愛」の場合、どうしてもそこにいろいろな夾雑物が混じる場合が多いと思います。それは必ずしも「欲」とか「打算」といったあからさまに悪い感情ばかりではなく、「遠慮」とか「行き違い」といった、ある意味「愛する故に不可避的に湧き出る感情」も含まれます。要するに愛に限らず、「何かを感じる時には分析不可能なくらいに様々な感情が入り混じる」からこそ、「生身の人間」なのではないかと思います。 それがこの作品の場合、「愛するために生まれてきた」と言っても過言ではないデイヴィッドという存在により、ストレートに「人を愛すること」という主題が胸に迫ってくると感じました。作中デイヴィッドが見せる、2000年を越えても消えることのない純化された「母への愛」は、まさに「おとぎ話」のようです。 そしてそのようなおとぎ話が、どうしてあれだけ哀しい寂しさをまとわなければならなかったのか・・・僕自身は、「イノセントに愛が満たされる」物語ではなく、むしろ「愛を渇望する物語」を描いてこそ、映画を見た後に観客に残るものはより確かなものになるのではないかと思います。いやそれが一般論として広げすぎなのであれば、少なくともこの作品に限っては、はっきりとそういう方向性を取って作られていると思いました。そしてこの作品のそういう「満たされない愛情から生まれる寂寥感」は、日々虐待やネグレクトといった「満たされなかった愛」にまつわる痛ましい事件が報道される現代において、より重い意味を持ってくるのではないかと思います。 そういう意味で僕自身は、この作品を「愛すべき作品」と捉えることにしました。そして告白すると、劇中最後の最後になるまでその「愛への渇望」を満たされることのなかったデイヴィッドの姿を思うと、なおさらこの作品は「愛されるべき作品だ」と(一観客として)思えます。 最後に一つ戯言を書かせてもらうと、このレビューを書いている途中で思いつきましたが、『A.I.』とは「愛」とも読めます。これ自体は単なる偶然でしかないでしょうが、しかしこの作品が「愛」という事柄を、哀しく美しく描き出している事だけは間違いないと思います。 【マーチェンカ】さん [DVD(字幕)] 9点(2002-03-22 18:29:40) |
10.とてもきれいなおとぎ話。ただ、ただ、美しい。全編をきれいな絵本にして大切にとっておきたい、そんな気にさせる作品。 【Takuya】さん 9点(2002-03-10 02:34:31) |
9.純粋な映画でした。この映画で表現されている「母子愛」は、男性には感じにくかったんじゃないかと思います。愛とかエゴとか、理屈では表せないと思うんです。それをきれいに表現している映画だと思いました。Mr.ハーレイもMr.ジュードも表現力、存在感がすごいですね。さらっと、スゴイ! 【SS】さん 9点(2001-09-01 20:51:39) |
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8.私的には満足でした。いろんな事がおかしいと思えばおかしいけど、そのときめちゃくちゃ泣きたい気分だったので、泣かしてもらったのでOKってことで(笑)でも、本当に身勝手な人間の欲望によって罪のないロボットが苦しんでしまうのは切なくて仕方なかったです。(ネタバレ)母親は最後に「ずっと愛してた」みたいな事を言ってましたが、それでその態度?みたいなとこはありましたねぇ。でもそこも含めて切なかったです! 【チャッピー】さん 9点(2001-07-18 14:55:57) |
7.テディはキャストアウェイのウィルソンと助演男優賞を争うことになるでしょう。 【バイオ】さん 9点(2001-07-16 00:20:58) |
6.<少しネタばれするよ!!> スピルバーグ、いい映画作ったなぁというのが第一感想です。撮影時の情報が全く流れてこなかったので、ストーリー展開にもキャスティングにも驚きながら、最後の最後まで楽しめました。(お茶の水博士の声が Robin Williamsだったなんて、みんな知ってた?^^) ▽映画のテーマはシリアスで哀しいものですが、ハーレイ君の名演とスピルバーグファンタジーとに、じ~んと感動しました。『キューブリック監督なら知性から感情に訴えますが私はその逆です。しかし彼が撮っても殆ど同じものとなったでしょう』(6月19日の衛星記者会見で)という監督のコメントがうんうんとうなずけます。▽▽テディがすごくかわいかった!! ドスのきいた声もグーです^^ |
5.前半は人間ドラマ、後半はSFファンタジーとジャンルが一致しないけど、テーマが一貫してるので違和感はない。映像技術も最高で息を飲むほど。「人間と知的ロボットの共存」という、近い将来必ず起こり得るであろうテーマを痛烈に叩きつけられてる気がして、何か考えずにはいられなかった。ただストーリーの全編はキューブリック作品らしさがあって感心させられたのに、ラストだけ「お涙頂戴」のスピルバーグ作品になっていたのにはギャップを感じた。「新人類」には閉口。 【びでおや】さん 9点(2001-07-04 23:28:47) |
4.とても見ごたえのあるいい映画でした。けど、モニカはデヴィッドが廃棄されるよりも、置き去りにするほうが幸せになるとほんとに思ったんですかねー。偽善者ですね~。あの捨てられるシーンはほんとにかわいそうでした。それからジュード・ロウはどんな役もやりこなしますねー。とってもいい味だしてました。CGもさすが。 【ティンティン】さん 9点(2001-07-04 22:05:42) |
3.本来映画っていうものはあまり期待をかけすぎるとコケるというのが私の持論でした。それで当然のようにこの作品はかなりの期待を数ヶ月前から抱いておりました。いつもだったら点数のところに、こういうサマームービーですから5点とか6点とか付けてた可能性が大きいんですが、この作品は私のそういう期待に見事なまでに応えてくれた。賛否両論だけど、一度は観ておくべき作品。最近のスピルバーグ作品の中では「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」以降、私の中では一番の出来であると感じた。 【チャーリー】さん 9点(2001-07-01 22:06:29) |
2.字幕の最後に「キューブリックに捧ぐ」と出るのが象徴的で予想以上にキューブリック的な作品となっていることがこの映画の謎を深め満足度を高めているのだと思います。最初の家庭悲劇の部分(原作はほとんどこれだけ)は、オスメント君ならではのうまさが生きてはいるのですが、決して楽しくはなく鉄腕アトム的な癒しのムードも全くなくこれがアメリカ的なロボット観なのだなあと改めて思いました。ロボット映画「アンドリュー」で描かれていた「悲しさ」と合い通じるものがあります。その後の未来都市の部分の展開は映像がとてもきれいでキューブリック+スピルバーグの好奇心がキラキラとちりばめられてとてもとても満足しました。特にジュードロウの生き生きしたロボット演技は最高だと思います。ロボットの存在の証明が「役割に忠実なこと」だとしたら、ジュードロウ扮するジゴロジョーの楽しさの方が鉄腕アトムに近いのかも知れませんね。作品の最後のパートは、予想もしていなかった展開であり哲学的解釈を巡ってああだこうだの論争が何日間も楽しめ、気が付くといつものキューブリックの技にはまっています。とにかくいろいろ濃淡はありますが、究極の名人の技が盛りだくさん楽しめる作品であることは間違いないと思います。 【三の谷】さん 9点(2001-07-01 21:04:31) |
1.遺伝子工学が進みながらも、人クローンについての研究は規制されている今、人工知能やロボット工学の研究は何の歯止めもなく日々進んでいる。(人間自身はダメで、人間に模した物はオッケーなのか?)この先その進化の行方を全て見ることはできないが、いずれ本作のような問題はきっといつか出てくるはずである。それをはるか昔から考え、懸念?したキューブリックとその考えを見事に映画化したスピルバーグは素晴らしい人物ではないかと改めて思い知った。日常レヴェルでも無責任に犬や猫などのペットを飼い、無責任にそれを捨ててしまう人達・・・例えばモニカのように。それを考えたら胸が痛くなった。人間の寿命は永遠ではない、オスメント君の子役としての寿命も永遠ではない。スピルバーグとキューブリックに色々考えさせられた本作は素晴らしい作品であろう。 【あまぬま】さん 9点(2001-06-24 08:32:36) |