5.《ネタバレ》 まず一言。長い! 長過ぎ。エンドロールまで入れて2時間30分は、ハッキリ言って途中で退屈します。
内容は……、かなり駆け足ではあるが、良くも悪くも小説に忠実な映画だった。そもそも小説自体、ここの採点基準で点数を付ければ3点程度の小説だが、まあそれを考えればよく出来てンじゃないの? ってな感じで大甘の4点。
まず小説で気になった、謎のほとんどがラングドンの“ひらめき”と“大して専門的でもない知識”そして“偶然”で解けるということ。コレは映画の中にも見事そのまま継承されてます。謎や暗号解読モノというのは、データを集めてそれを分析した結果から読み解くというのが、本来在るべき姿であり、それを楽しむもんじゃないの? 小説の中でそれが行われたのはロンドンの図書館でのシーンくらい。しかし! 映画の中ではその唯一のシーンすらカット。バスの中で男の子の携帯電話で調べが着いちゃう。ロンドンの王立図書館は、携帯電話と大差無いのであった……。orz
そしてそれ以外の「謎」は、もはや謎でも何でも無い。ラングドンがス~ラスラ解いちゃうからね。むしろ、今まで誰も解けなかったってのは、そこまで人類はバカぞろいなのか? と悲しくなってくるくらい。
原作では入れ子細工になってたはずのクリプテックスも、一つはあっさりカット。まあコレは同じ細工を2度見せてもしょうがないということで、映画的には納得するにしても……。
また、小説では、だまされて動かされていたオプス・デイは、映画では私利私欲のために動いていたように感じられてしまう。アレンガローサは金に目が眩んだ自己チュウなオッサンだし、シラスの悲しみや信仰ゆえの葛藤も一切無し。ただの殺人鬼。あれじゃオプス・デイ信徒は怒るって。
しかもラストで、ソフィが弟や祖母と再会する設定はあっさり却下。それどころかソニエールまでもが実は他人だと判明。……んん~、まあこの程度の改竄は、大筋に影響無いのでよしとしよう。
でもねえ、なんか端折り過ぎてて(後半は特に!)、一つのお話が終わった気がしないのよ。2時間半も付き合わされたわりには、「あ、そ」ってな軽~い印象しか受けない。
ま、世界的な話題作だから一度観る分には良いかもしれないけれど、ビデオで一回観れば充分、そんな感じだな。