ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。2ページ目

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ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~

[ヴィヨンノツマオウトウトタンポポ]
Villon's Wife
2009年上映時間:114分
平均点:6.10 / 10(Review 29人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-10-10)
ドラマラブストーリー小説の映画化
新規登録(2009-06-28)【すぺるま】さん
タイトル情報更新(2024-02-27)【イニシャルK】さん
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監督根岸吉太郎
演出飯島奈美(フードスタイリスト)
キャスト松たか子(女優)佐知
浅野忠信(男優)大谷
室井滋(女優)巳代
伊武雅刀(男優)吉蔵
広末涼子(女優)秋子
妻夫木聡(男優)岡田
堤真一(男優)
光石研(男優)
山本未來(女優)
鈴木卓爾(男優)
新井浩文(男優)
水上竜士(男優)
宇野祥平(男優)
眞島秀和(男優)
田村泰二郎(男優)
原作太宰治「ヴィヨンの妻」(新潮文庫刊)
脚本田中陽造
撮影柴主高秀
製作亀山千広
杉田成道
フジテレビ
プロデューサー石原隆〔製作〕(エグゼクティブプロデューサー)
配給東宝
特撮IMAGICA(Visual Effects)
美術種田陽平(美術監督)
矢内京子
鈴村高正(装飾)
赤松陽構造(タイトルデザイン)
衣装黒澤和子(衣裳デザイン)
編集川島章正
録音柿澤潔
照明長田達也
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12
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9.《ネタバレ》 旦那と妻の人生哲学を吟味する映画だと思いました。旦那が「体がだるくなるような素直さを持っている」と形容する妻は、決して特別な存在ではない。空気を吸ってご飯を食べて子供の世話を焼く毎日。彼女の素直さとは、そんな生活に一片の疑問も覚えないことであり、実生活に於ける強さでもある。それは思索を繰り返して断続的な絶望に苛まれる旦那の繊細な神経から見ると、信じられないくらい図太い生命力に満ちているのだろう。人類を旦那側と妻側に二分するなら、自分などは間違いなく旦那側に入ってしまうタイプ。なので本作の松たか子は、頭があがらない怖い存在であると同時に憧れでもあります。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-23 23:24:10)(良:1票)
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8.<原作未読>佐知の視点で言えば初めの方で「家族3人で暮らせればそれでいい」と言っていた通りで、自分なりの愛の貫き方だった。大谷視点では「コキュ?」になってしまったが、その理由は皮肉なことに・・・という内容だ。ストーリーとしてはそれほど好きではないのだが、この映画で日本語の美しさに気付かされた。現代、夫婦の会話が敬語でなされるのはほぼ皆無だし、妻だけに絞っても珍しい方だろう。敬語というだけではなく語尾に「わ」を付けたり、○○ではないのですか?、○○ですもの、といったような、今じゃなかなか聞けない古風で丁寧な日本語が心地良い。英語じゃこの良さは出ないな。松たか子も良かったし、浅野忠信の淡白な演技も絶妙だった。雰囲気を楽しむ映画としては悪くない。 
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-09-17 20:03:05)(良:1票)
7.「告白」で、松たか子は案外いいなあと思い、太宰や周辺の女性には殆ど興味なかったものの(ちなみにまあまあ小説好きの同世代の中では私はたぶん少数派)、見てみた。あーやっぱり根岸監督って古臭い、という思いが一番強かった。たとえば太宰の女性たちに焦点を当てるなら、そしてそこに今の時代を投影させたいなら、太宰の人物像にもやはり今の時代性の投影がほしいけど、この中の太宰は、人がボンヤリ思い描く太宰像を1ミリも超えていない。浅野は確かに太宰役に向きそうな役者ではあるけれど、そこに頼り切っているだけで、人間・太宰の深みがまるでない。せっかくいい役者なのに、もったいない。それにひきかえ、松もよかった(演技がね。だけどこういう女性像は同性として好きにはなれない。男に都合のいいだけの女だなあ、と思うわ)が、意外なことに広末が、破滅にしか向かえない女をちゃんと表現できていて、よかった。あの人はヒロインなんかではなく、もっとクセのある脇役に転じていったほうが飛躍しそうな気がする。ところで、太宰を少し思い出したついでに、太宰の娘である津島佑子を思い出し、帰りに書店で津島の作品の文庫が書棚にあれば読もうかなと探したら、全然置いてなかった。ネット書店で買ってみようとおもうほどの動機ではないのであえて探そうとは思わないけど、太宰だけでなくその娘もとっくに過去の人になりつつあるということなんですかね・・。
おばちゃんさん [映画館(邦画)] 6点(2010-09-14 13:00:06)
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6.もっと暗くてじめっとした作品かと思ってたけど、意外にも笑えました。 冒頭の地獄車から爆笑です。 そんな縁起の悪いもの廻させるなよと言いたい。 しかも、2回も…。 何かの罰ゲームなんでしょうか? 本編も結構笑いどころ満載で、あり得ない倫理観の連発に笑いが止まりませんでした。 特に妻夫木聡は頭がおかしいとしか思えなかった。 広末涼子の艶かしいエロさも良かったし、全体的によく出来た作品なんじゃないでしょうか。
もとやさん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-26 12:32:18)
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5.《ネタバレ》 これはいけない。前半は『ヴィヨンの妻』、後半は別物。『太宰と妻の物語』と言いたいところだけど、実際の太宰の妻は全く違う境遇だったし、なんと言ったらよいか、ひとつの物語として、その「接ぎ木」は、とても中途半端に思える。  ヴィヨンの妻とは、大谷が泥棒を働いたということを店の主人から聞かされ、その台詞まわしに思わず笑い出してしまう佐知その人なのである。彼女を演じる松たか子がみせた泣き笑い、苦境をもろともしない根拠のない明るさ、小さく噛みしめる充実の表情はとてもよかった。それは一歩間違えば簡単に不幸に潰され、埋もれてしまうような仄かな明るさであり、だからこそ、それを真摯に描いてみせることによって、僕らははっとするような生の本質を感じる。彼女のからりとした明るさと大谷という破天荒な誠実さの対比にこそ、その本質がある。それが太宰治の『ヴィヨンの妻』なのだと僕は思う。  だから、、、途中から、ちょっと違うよなぁと思ってしまう。松たか子と浅野忠信はイメージに合うのだけど、「接ぎ木」以降の物語は、不要な「落ち」としか思えないのである。
onomichiさん [DVD(邦画)] 7点(2010-05-13 00:28:37)
4.《ネタバレ》 大谷の小説の一節に在るように、タンポポは“純情”の象徴。地を這い、風雨に耐え、一輪の花を咲かせる。それは健気に尽くすサチの姿に重なります。坊やにあげるように言われて貰った桜桃を、子供に遣らずに口にする父と母。桜桃は、“自分勝手”あるいは“欲望”といった意味合いでしょうか。大谷の生き様に似ている。タンポポと桜桃、純情と自分勝手、サチと大谷。両者は対照的です。でもこれらを区別する事に意味はありません。「健気な人だ」「あいつは身勝手だ」は、人の性質の一面を切り取ったに過ぎない。大谷ほど純情な男はいないし、弁護士に体を差し出したサチの行為は身勝手です。椿屋夫婦も、旋盤工の若者も、弁護士も、情婦も、みんなそう。純情で、そして身勝手者。それが人間の本質だと思う。だから、みんな苦しむのです。そんな中で際立つのは、やはりサチの存在感。痛々しくて観ていられないと思う反面、眼に焼き付けなければいけないとも思いました。その引力の源は彼女の覚悟。損得勘定は勿論、道徳さえも関係ない。其処に理屈はありません。その決意こそが愛だと思う。社会的背景を考慮すれば、当時の女性にはそういう生き方しか無かったとも言える。でもそれ以上に、自分は男女の性差を意識します。「私たちは、ただ、生きるしかないのよ」そうつぶやくサチ。最悪を受け入れる強さに、男は畏怖するのです。どう足掻いても男は女に勝てないことを知る。ラストはそっと手を握る男と女。番の桜桃のようでもあり、2人で一輪の花のようでもありました。松たか子は、彼女のキャリアの中では間違いなくベスト。浅野忠信がこんなに上手いとは思わなかった。脇を固める役者は芸達者揃いで文句なし。ただし、広末涼子だけは例外。演技力もさることながら、乳を見せなかったのが大問題です。サチと弁護士との情交を一切見せぬ演出を際立たせるためにも、大谷と彼女の濡れ場は艶かしい方がいい。必要な乳はケチったらダメ。広末よ乳を出しなさい。乳を出しなさい。大事な事だから2度言いました。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 8点(2010-02-24 18:25:21)(良:1票)
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3.《ネタバレ》 こういう日本映画を観ると残念だと思うのは、やはり資本力に乏しい日本映画の現状に対してだろう。すべてをオープンセットで組めずどこか狭苦しい町並み、そして制限されてしまうカメラの動きは勿論、ヴィスタという選択であり、シネスコだったらどうか、むしろスタンダードを選ぶという潔さはないのかと感じた。 そしてあの時代というのを美術、撮影・照明、衣裳で、雰囲気を醸し出そう、つまり再現しようと試みる。今やこの日本に戦中戦後の日本の面影などはないからだ。そして役者の、巧さとは別の、過去には溶け込むことの出来ない彼らの現代に生きているという事実。妻夫木が工員だという説得性の希薄さ。これは決して妻夫木やキャスティングの責任ではない。あの若さの役柄など誰が演じようとも大差はないだろう。つまりこれらが抗えない時代性であるが故に、一昔前のはずが、ちょんまげ・ちゃんばらと並列の立派な時代劇となってしまうのだ。つまりそんな一昔前の話すらも時代劇であるから故に資金が必要となり日本映画の現状では再現しきれないということなのだ。 しかしながら田中陽造の台詞づくりの美しさと松たか子の台詞回しのうまさを堪能する、それだけでも充分な作品ではある。またこの作品における広末涼子は良い。もはや彼女に清純さなど求めていないわけで、すれた女、陰のあるの女、それこそが彼女の道なのではないか。松たか子の潤いに満ちた視線と、広末涼子の口角のつり上がった冷笑、どちらも実に良い。 結局、よくないのは根岸吉太郎の演出だ。警官が心中を佐知に伝えにくるシーン。我々観客は事実を知っているのだから、わざわざ店の外で事実を告げるシーンを挿む必要性はない。ちょっと外でとふたりで出て行って、伊武と室井のツーショットを挟んで、電話をしに佐知が戻ってくるというシーンへ飛ばすだけで充分だ。また佐知が辻の事務所を訪れるシーン。佐知のワンショットで足音が近づいているのに佐知なめの辻になったときの距離感の遠いこと限りない。そもそもこんなシーン、紅をさした佐知が辻の事務所を訪れ、台詞などなしで佐知が辻のカットバック、もう次は少し乱れた佐知が事務所の前に立っているで充分だ。しかし根岸吉太郎は丁寧すぎるからいけない。丁寧は丁寧でも馬鹿丁寧だと間が悪い。脚本にどう書いてあれ、いい塩梅を探るというのが監督の仕事であり、この映画はそこが欠落している。
すぺるまさん [映画館(邦画)] 6点(2009-11-06 23:41:47)(良:1票)
2.《ネタバレ》 この監督の映画は80年代当時でも古臭く感じられてあまり好きでなかったりしたのですが、今、こうもきっちり普遍的な邦画の作りを見せられると、映画を取り巻く世界と自分の物の見方は随分と変容したのだなぁと感じます。安易に時代を追うよりも、真面目にきっちり作られた映画の方が安心して身を委ねられます。ここではカメラや美術、照明がガチッ!とプロの仕事を用意して、あとはもう役者の実力、役者同士の演技のぶつかり合い、戦い。結果は松たか子の一人勝ち。男に振り回されているようでありながら、実際に描かれるのは女の強さ、したたかさであって、当然彼女が優位に立つポジションであるにしても、他を圧倒する演技で存在感を示します。浅野と広末の二人だけのシーンのおぼつかなさ、拙さがあまりに残念に思えてしまう程に。広末がビジュアルだけで松に比肩する存在感を全く示せなかった、ゆえに松の内面の炎を強烈に光らせきれなかった恨みが残りますし、浅野や堤の毎度の延長線上の演技は、もっと他に適任者はいなかったのか?という疑問も残ります(一方、妻夫木の朴訥さは好感を抱きましたし、伊武と室井は見事にハマっております)。だけど、松の圧倒的勝利としてのバトルを見たという点では、これは痛快な映画と言えるでしょう。原作に上手く肉付けした脚本(私的にはもっとさちはカラリとドライであっていいとは思うのですが)を含め、スタッフが完璧な土俵を用意し、役者が勝負する映画として、その戦いを存分に堪能しました。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 9点(2009-11-01 21:30:18)(良:2票)
《改行表示》
1.戦中戦後の時代を背景として夫婦間の機微を描いたドラマは必然的に成瀬作品との親近性も感じさせ、それらは美術セットの再現力や、役者の存在感のみならず、並び歩き、振り返り、借金額、風・雨といったさりげない成瀬的なモチーフにも微かにうかがえる。面会室で遠くに響く汽笛の音、高架下の列車通過音、弁護士事務所の時計音、浅野忠信と広末涼子が心中を図る山中の水音など、静寂を意識させる微妙な環境音の演出が、単調になりがちな固定ショットにリズムを与え、松たか子の働く居酒屋や、列車車両の場面などに差し挟まれるガラス窓越しのショットが愛憎ドラマに客観的なバランスを取らせている。狭い台所・居間・客席の構造が面白い呑み屋(椿屋)のセットや、侘しさ満点の夜間照明、節度あるCGの利用法なども良い。  
ユーカラさん [映画館(邦画)] 7点(2009-11-01 13:37:16)
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【点数情報】

Review人数 29人
平均点数 6.10点
000.00%
100.00%
200.00%
313.45%
4413.79%
5413.79%
6827.59%
7724.14%
8413.79%
913.45%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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