49.《ネタバレ》 この2はもちろんカラーなのですが、
不思議と1よりも古さを感じました。
80年代の古さです。このカラーであるバブルの時代の娯楽作。
そこにまた変に哀愁も感じます。
ボウリングやビリヤードといった娯楽。
それがいつかはまた廃れる娯楽。
ところがまた1から2のように静かなブームになっています。
お金を賭けるゲームからファッションへ変わり、
今また新しい懐古として不思議な娯楽なのです。
この映画こそ、ポール・ニューマンの映画だと思いました。
確かに1も主役でしたが、脇役に食われていた。
ところがこの2では、ニューマンが見事にトム・クルーズを
食ってしまうワガママな中年ハスラー役。
中年も超えた年のおやじが、子供のように本能のまま
突っ走るさまは見ていて腹立たしくもありいとしい。
「おやじがんばれ!」と応援せずにはいられない。
その情けなさ、ありのままの勝負師の姿は、
まるで往年の「ロッキー」のようでもあります。
最初は、なんだニューマンも年を取ったな。
教師役かよ~と見ていたのですが、誤解でした。
どんどん化けの皮がはがれ、1の若かりし日のニューマンに
帰ってゆく意気込みに、変わってないじゃん!とあきれながら、
少し嬉しい。こういう役、情けないけど実直な我の強いおやじ。
ニューマンがやると色気や品まで感じさせるから不思議。
ラストでは逆に教え子のトムに諭され種明かしまでされ、
引くということをすればまた大人の魅力を発揮できたのにね。
それができなかったところに、いい裏切りがあるのです。
教える側にはまだなれなくていい。
1でさえ、ニューマンの性格が把握できなかったのに、
これはただこの作品の主役は俺だ!と言わんばかりの活躍。
ただし、老年ハスラーの哀愁や暗さがあまり出ず、
1の方が若年寄に見えるのは時代と色と、作り手の娯楽性か。
色がつき玉のスピードが見える方が映画としては面白い。