9.堕落した男についていく女。 この構図をシンプルに描いている。 浅野忠信と松たか子が初めて組んだ主演作というだけで、もう両者のファンにとってはそれだけで十分なわけだが、両者共に持ち味を発揮しているのが更に良い。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-13 23:14:06) |
8.松たか子はこの作品でいくつも賞をとったらしいがまあそういうもんなのかなあと納得。 |
7.結局何を伝えたかったのかよく分からなかった... 【映画】さん [DVD(邦画)] 3点(2010-11-06 21:35:31) |
6.松たか子はあんまり好きじゃなかったが、この作品で見直した。文才あれど人格劣等感の塊のような男をひたすら圧倒する、無学な女の眩しいほどの精神の健全さを好演していた。20年ぐらい歳を取ってからもう一度観たい。 【lady wolf】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-10-29 22:05:09) |
5.《ネタバレ》 〈原作未読〉夫婦の再生という風に自分は観ました。「存在の耐えられない軽さ」を思い出しました。自分に尽くす奥さんがいるから、外でも浮気をする浅野は、奥さんが飲み屋で働き人気者になり、自分は寝盗られるんじゃないか、と自分のコアである奥さんが心配でしょうがない。しかし奥さんの方はそんなことより、生活を守ろうと旦那のそんな心配に少しも気づかない。それが浅野には奥さんが腹に一物あるのでは、とうつる。広末との心中もそんな、みんなからもてる彼女のまぶしさに自分が醜く見えて、不安に思えて、行ったのだろうと思います。ラストの方で堤と松との間に何が起こったかははっきり示されませんが、松はそこで浅野の広末との心中に精算がついたものと思い、最後の「あなた!」につながるのだと思いました。太宰治の本は高校の頃、一冊読んだきりですが、こういう内容の小説なら読んでみようかな、なんて思いました。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-25 11:57:25) |
4.「告白」で、松たか子は案外いいなあと思い、太宰や周辺の女性には殆ど興味なかったものの(ちなみにまあまあ小説好きの同世代の中では私はたぶん少数派)、見てみた。あーやっぱり根岸監督って古臭い、という思いが一番強かった。たとえば太宰の女性たちに焦点を当てるなら、そしてそこに今の時代を投影させたいなら、太宰の人物像にもやはり今の時代性の投影がほしいけど、この中の太宰は、人がボンヤリ思い描く太宰像を1ミリも超えていない。浅野は確かに太宰役に向きそうな役者ではあるけれど、そこに頼り切っているだけで、人間・太宰の深みがまるでない。せっかくいい役者なのに、もったいない。それにひきかえ、松もよかった(演技がね。だけどこういう女性像は同性として好きにはなれない。男に都合のいいだけの女だなあ、と思うわ)が、意外なことに広末が、破滅にしか向かえない女をちゃんと表現できていて、よかった。あの人はヒロインなんかではなく、もっとクセのある脇役に転じていったほうが飛躍しそうな気がする。ところで、太宰を少し思い出したついでに、太宰の娘である津島佑子を思い出し、帰りに書店で津島の作品の文庫が書棚にあれば読もうかなと探したら、全然置いてなかった。ネット書店で買ってみようとおもうほどの動機ではないのであえて探そうとは思わないけど、太宰だけでなくその娘もとっくに過去の人になりつつあるということなんですかね・・。 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-09-14 13:00:06) |
3.もっと暗くてじめっとした作品かと思ってたけど、意外にも笑えました。 冒頭の地獄車から爆笑です。 そんな縁起の悪いもの廻させるなよと言いたい。 しかも、2回も…。 何かの罰ゲームなんでしょうか? 本編も結構笑いどころ満載で、あり得ない倫理観の連発に笑いが止まりませんでした。 特に妻夫木聡は頭がおかしいとしか思えなかった。 広末涼子の艶かしいエロさも良かったし、全体的によく出来た作品なんじゃないでしょうか。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-26 12:32:18) |
2.《ネタバレ》 これはいけない。前半は『ヴィヨンの妻』、後半は別物。『太宰と妻の物語』と言いたいところだけど、実際の太宰の妻は全く違う境遇だったし、なんと言ったらよいか、ひとつの物語として、その「接ぎ木」は、とても中途半端に思える。 ヴィヨンの妻とは、大谷が泥棒を働いたということを店の主人から聞かされ、その台詞まわしに思わず笑い出してしまう佐知その人なのである。彼女を演じる松たか子がみせた泣き笑い、苦境をもろともしない根拠のない明るさ、小さく噛みしめる充実の表情はとてもよかった。それは一歩間違えば簡単に不幸に潰され、埋もれてしまうような仄かな明るさであり、だからこそ、それを真摯に描いてみせることによって、僕らははっとするような生の本質を感じる。彼女のからりとした明るさと大谷という破天荒な誠実さの対比にこそ、その本質がある。それが太宰治の『ヴィヨンの妻』なのだと僕は思う。 だから、、、途中から、ちょっと違うよなぁと思ってしまう。松たか子と浅野忠信はイメージに合うのだけど、「接ぎ木」以降の物語は、不要な「落ち」としか思えないのである。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-05-13 00:28:37) |
1.戦中戦後の時代を背景として夫婦間の機微を描いたドラマは必然的に成瀬作品との親近性も感じさせ、それらは美術セットの再現力や、役者の存在感のみならず、並び歩き、振り返り、借金額、風・雨といったさりげない成瀬的なモチーフにも微かにうかがえる。面会室で遠くに響く汽笛の音、高架下の列車通過音、弁護士事務所の時計音、浅野忠信と広末涼子が心中を図る山中の水音など、静寂を意識させる微妙な環境音の演出が、単調になりがちな固定ショットにリズムを与え、松たか子の働く居酒屋や、列車車両の場面などに差し挟まれるガラス窓越しのショットが愛憎ドラマに客観的なバランスを取らせている。狭い台所・居間・客席の構造が面白い呑み屋(椿屋)のセットや、侘しさ満点の夜間照明、節度あるCGの利用法なども良い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-11-01 13:37:16) |