232.《ネタバレ》 のっけからクールなタクシー運ちゃんが出てきたと思ったのに、 巻き込まれてワタワタとし始めてクールな印象もどこへやら。 そうかと思えば、依頼主の前で絶妙に微妙な啖呵を切ってみたり、 格好良さがいつのまにか、巻き込まれ人としての悲哀さへと変わっていく。 アクションらしいアクションはない、 サスペンスらしいサスペンスもない。 主人公2人のキャラクタはたっており、魅力的に思うが、 アクションやサスペンスのドラマ性が希薄のために、 ヴィンセントが死ぬシーンにもいまいち思い入れが沸かなかった。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 5点(2017-02-19 12:06:58) |
231.骨太なアクション・サスペンス職人、マイケル・マンと現代ハリウッドが誇るエンターテイナー、トム・クルーズ。 意外な組み合わせのアクションサスペンスですが、最後においしい所を持っていくのはジェイミー・フォックス。 美しく撮られた夜のLAの街並を背景に、この街の夜を流すタクシードライバーの長い長い戦慄の一夜。 トム・クルーズが演じるのは殺しのプロフェッショナル。彼のここまでの悪役も珍しい。 殺しのプロがタクシーの貸切で殺しの現場をハシゴするか?しかもド派手に暴れすぎ。とツッコミ所は多いのですが、 ジェイミーがトムの身代わりで殺しの親玉の元へ乗り込むシーンやラストの地下鉄の攻防戦など、見せ場も十分。 トム・クルーズを悪役に据えてのマイケル・マン流エンターテイメント、なかなか楽しませてくれました。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-04 23:53:47) |
230.一夜限りのドラマ展開、テンポよく、お話が進んでいきます。 トム・クルーズの印象が役作りのおかげで、返って彼の魅力が薄れていますが、ジェイミー・フォックスがそれを見事にカヴァーしてくれています。 頭を使わないで見ることができる作品ですが、セリフの伏線が上手く効果的に使われていて十分楽しめました。 恐らく悪役のトムが見れる作品は、これから先、まずないだろうと思うと、貴重な作品かもしれません。 【クロエ】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2016-07-10 21:59:06) |
229.《ネタバレ》 お前本当にプロの殺し屋かよと思ってしまうような突っ込みどころもあるけど、トム・クルーズの悪役ぶりがとてもハマっていて楽しい。白髪がとてもお似合いだ。ジェイミー・フォックスの小市民感もユーモラス。マイケル・マンのかっちょいい演出もキレているように思う。しかし、プロの殺し屋とは思えないチョンボの数々がリアリティをそぎ落としてしまっているのが本当に残念だ。『ヒート』のデ・ニーロに通じるところがあるな。 【カニばさみ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-02-25 13:53:42) |
228.正義の味方役にそろそろ飽きてきたトム・クルーズが、気分転換に悪役してみました的な感じ。しかし、さすがに迫力ありますね。特に終盤あたり、ターミネーター2の超合金ターミネーターと見紛うような執着ぶりです。下品な作品のパターンなら、最後の最後にもう一度復活して客を驚かすところですが、それもなし。哀愁の漂う終わり方でした。いろいろ不自然なシーンもありますが、おおいに堪能できました。冒頭のJ・ステイサムは「友情出演」みたいなものですかね。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-10-24 06:39:59) (良:1票) |
227.トムクルーズの悪役も珍しい。 アンラッキーにも殺し屋を拾ってしまうタクシードライバー。 壮絶な一夜を体験することになる…。 このダークな感じと相会わない職業との展開、個人的に好きです。 |
226.《ネタバレ》 とても重厚で、細部までよく作りこまれた傑作だと思います。私はこの作品のマックスと特にヴィンセントのキャラクター、描きこみの深さが好きです。 私は初見ですぐにファンになりましたが、この作品を気に入るかは主人公のマックスにどこまで感情移入できるかがカギだと思いました。この映画の主人公は「夢がある」と言いながら何年もタクシーををだらだらと運転し続ける続けるマックスと、絵に描いたような冷酷無比で完璧な現実主義者の殺し屋、ヴィンセントの二人です。 ただ実質的な主人公はマックスでしょう。私は私自身や周りにマックスのような人間は沢山知っていますが、ヴィンセントのような人間はほぼ知りません(笑) 何となく毎日を生き、自らの矛盾に気づきながらも、気づかないフリをして生き続けるマックスは典型的な「普通の人間」ではないでしょうか。そんなマックスにどこか自分を重ねながら鑑賞した方は少なくないと思います。 これに対してヴィンセントはそんなマックスと彼の人生をけなし、自分の仕事道具の一つとして使おうとします。 ヴィンセントは「怪物」です。「普通の人間」が沢山生きる街、ロサンゼルスは「普通の人間」と無縁のヴィンセントにとっては忌み嫌う場所であり、劇中でも「来るたびにすぐ出ていきたくなる」と言っています。 またヴィンセントは「地下鉄で男が死んでいても発見に何時間もかかる街だ」とロサンゼルスが嫌いな理由を挙げていますがこれはまたヴィンセントの特異性を表しています。「普通の人間」でも人が死んで何時間も発見されないような街は嫌いでしょう。ただこの場合多くの人は人同士の繋がりの希薄さなどの理由を挙げると思います。 ヴィンセントは違います。彼は最初からビジネス以外で人同士の繋がりなどに重きを置くありえませんし、彼にとっては邪魔なものでしかありません。 彼がここで嫌うのは「普通の人間」の鈍感さ、もしくは低能さではないでしょうか。彼にとっては他人の死は大した問題ではないでしょうが「普通の人間」にとってはおおごとです。おおごとなのに気づきもしない「普通の人間」の集まり、ロサンゼルスは、ヴィンセントにとってきわめて大きな矛盾の塊で、ヴィンセントはそれを許せないのではないでしょうか。 終盤、そんなヴィンセントにマックスは敢然と立ち向かいます。私にはマックスVSヴィンセントの勧善懲悪ものにも見え、痛快なドラマになったようにも見えました。このまま勧善懲悪もので終わってしまえば8点にはなりませんでした。地下鉄でマックスと対決し、死期が近づくヴィンセントはマックスに言います。「地下鉄で男が死ぬ。誰も気づかない」事切れたヴィンセントはただ眠っているようにも見えます。 「怪物」のヴィンセントは忌み嫌ったロサンゼルスの一部になってしまいました。 【パンツァー・フォー】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-05-24 00:26:56) |
225.《ネタバレ》 考えてみてください。①殺し屋が流しのタクシー運転手を脅迫してハイヤーさせ取引先回りをする②巨大都市LAなのに、5人のターゲットのうちの1人を殺し屋と出逢う直前に乗せている。普通に撮ったらおバカ映画になること必定なプロットなんですが、マイケル・マンの様な腕の立つ監督と脚本家が手掛ければこういう一級品の娯楽映画になっちゃうものなんですね。 トム・クルーズが殺し屋と言うのはサプライズのつもりなんでしょうけど、彼は善人より悪人の方が似合ってると思うんですけどね。悪役を演じる方が愉しめる俳優が多いそうですが、トムもその口みたいですね。でもこれはマイケル・マンの映画にはついて回ることなんですが、少しはユーモアを交えた演出が欲しかったところです。それにしても良く喋る殺し屋でしたね、病院でジェイミー・フォックスに鞄を持ち逃げされて窮地に陥ったりしてけっこう脇が甘い感じもしましたが。でも最後の死にざまはさすがトム・クルーズという感じですね、リングサイドで真っ白に燃え尽きて死んでいった矢吹丈みたいでした。 最近のLAを舞台にした犯罪映画では、この映画もそうですが、悪玉が韓国系という設定が目立ちますね。まあこれがLA裏社会の現実なんでしょうが、大陸や半島系の犯罪組織が登場することが滅多にないヘタれな日本映画界とは対照的です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-07 22:27:19) |
224.《ネタバレ》 タクシー運転手はこう言います。今の仕事は“つなぎ”だと。将来、会社を経営するための資金集めをしているだけ。殺し屋は言います。人口60億のうち、一人や二人消えたって影響ない。殺しを躊躇う理由はないと。2人の言い分は似ていると思いました。共に自分の心を偽るために、言い訳をしているように見えます。マックスは夢が適わないことに気付いています。ヴィンセントも人殺しに胸を痛めている気がします。現実から逃げているのです。でもそんな事、認めたくありません。今までの自分を否定することだから。自身を欺いてきた時間が長ければ長いほど、もう怖くて振返れないものです。一流の腕を持ちながら、仕事に誇りを持てない2人。不幸なことです。でも決して珍しいことではありません。双方、触れて欲しくない部分を罵倒し合います。それは刀を抜いたのと同じ。もう後戻りは出来ません。タクシー横転以降の展開は、2人の意地のぶつかり合いだったと思います。もはや理屈じゃなく。決着をつけなくては気が済まないのです。親友同士のケンカに似ているかもしれません。その結末が胸に沁みます。何故ヴィンセントはマックスを殺さなかったのでしょうか。スゴ腕のプロが、撃ち合いで遅れを取るはずがありません。そもそもタクシーから脱出した時に撃ち殺さなかったのはおかしな話。つまりヴィンセントは彼を殺したくなかったのだと感じます。共感か、リスペクトか、あるいはマックスの中に自身の姿を見つけたからでしょうか。胸中は分かりません。でも自分の心に正直だったから、ヴィンセントは負けたのだと思います。“殺したくないから殺さなかった”。自分に正直であることは、なんと難しいことでしょう。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-24 22:49:56) (良:1票) |
223.マイケル・マン監督の作品はその重厚さ故、観終わった後は息が詰まるほどの疲労感に襲われるので正直苦手としていた。だが、本作は気軽に観られるようなエンタメ重視の作品だった為、マイケル・マン初心者にもお薦めできる、入門編に最適なのではないだろうか。 タクシーの運転手が殺し屋を乗せてしまったことで事件に巻き込まれて行くという巻き込まれ型サスペンスアクションで、ストーリーも至って分かりやすい。 でも只の勧善懲悪ものにならないのはマイケル・マンならではの美学が炸裂しているからであろう。タクシー運転手を演じたジェイミー・フォックスと悪役を演じたトム・クルーズ。2人とも甲乙付けがたい存在感で魅力的だ。 この2人が終盤タクシー内で交わすやり取りが印象深い。「人間なら誰にも備わっている根本的な何かが欠けてる」「お前は夢を本気でやろうとしていない」という応酬は互いの人間性を炙りだしており、凄く心に響く。 それまで言いなりになっていたマックスが自らの意志で正義の為に女性を救いに行く場面はグッと来た。 一転ラストの追いかけっこは急にホラーな展開で、ハラハラドキドキ楽しめました。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-21 21:16:52) (良:2票) |
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222.《ネタバレ》 トム・クルーズが珍しく悪役で、実質的な主役はジェイミー・フォックスのほうだろう。 マックスの母を見舞いにいったときの三人の会話は秀逸。 マックスと母の関係がリアルに浮き彫りにされている。 殺し屋の最後のターゲットとなった女検事をめぐる攻防はスリリング。 殺し屋は身元がバレないように依頼者には絶対に顔を見せないという細心の注意を払いながら、殺しのやり方がターミネーター並みに荒っぽい。 犯行を極秘に進めるという気配りがまったく感じられないのは、最初のキャラ設定からは矛盾している。 そうしたブレが幾つか気になるものの、殺し屋と平凡なタクシードライバーの生き様、人生哲学が対照的でおもしろかった。 地下鉄で誰にも気づかれずに死んでいた男や、マックスのリムジンの夢の話など、伏線もいい具合に効いていた。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 6点(2013-06-17 22:27:42) (良:1票) |
221.《ネタバレ》 都会の片隅で鬱屈した毎日を過ごす孤独なタクシードライバーが、偶然乗せたある乗客の仕事にどんどんと巻き込まれていくハードボイルドサスペンス。それまで重厚な男たちの世界を撮り続けてきた監督が、いい意味で肩の力を抜いて撮った佳品。どんどんと暴走していくトム・クルーズの姿が意外に嵌っていて良かったです。全体を覆う都会の夜の雰囲気もナイス!観終わった後に、「あぁー面白かった!」と素直に思える良質のエンタメ作品。ただ、ちょっと女性には分かりにくい世界かもだけどね。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-30 16:53:29) |
220.予想以上に楽しめました。マイケルマン監督の映像質感・世界観。それに尽きる。トムさんじゃなかったらもう1点! 【460】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-03 06:28:24) |
219.《ネタバレ》 トム・クルーズの映画では一番好きかも。 でもトムの映画じゃないんですよねー、そこがイイ。 もちろんストーリー的にへんてこりんなところもありますが概ねヨシッ! 夜のロサンゼルスで微妙な関係になったジェイミーとトムの殺し行脚、道中お互いの哲学をぶつけ合い、ジェイミーのいろいろな心情の変化が出てくるのが興味深い! マックスの夢の話は冒頭の女検事にはクールにキマッたのにプロの殺し屋ヴィンセントにはキマらない、見透かされてしまう。 こんなところも男の映画って感じがしていいですねー!! マイケル・マン監督いいわぁ! 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-30 20:32:52) |
218.《ネタバレ》 L.A.と言えばハリウッド、ビバリーヒルズ、ロングビーチ・・・。一度は行きたいと憧れる、華やかな街。雑踏の中姿を現す、仕事に徹する1人の殺し屋と、生活臭漂う1人の平凡なタクシー運転手。華やかさとはかけ離れたローカルなL.A.の街並みを軽快なラテンのリズム、しっとりと落ち着いたナンバーで車を流せば、夕暮れから夜へとかけて俯瞰で眺めると、いつもの街並みもまた違った顔を見せてくれる。ヴィンセントとマックス、「仕事」は違えど、「仕事」をする男に違いはない。ヴィンセントは普通の、仕事の出来る男だ。マックスから見れば「殺し」を職業としている人間は「普通」に見えないだけの事。ヴィンセントも倒錯している訳でもない。「6年」も同じ仕事を続ければウデは上達し、誇れるし、人にものだって言える様になる。それに比べてマックスはどうだ?「12年」もタクシーを転がし、これは「仮の仕事」だと言い、夢を夢のまま終わらせようとしている。最初に殺した男を地球の人口60億の内の1人だと言うヴィンセントは自分のしている事を正当化する訳でもなく、事実を日々気にしない偽善的な態度をとるマックスに苛立つ。ヴィンセントにしてみれば仕事をして何がおかしい?という気持ちなんだと思う。そこには感情に左右されず に躊躇する事のない冷徹なまでの仕事ぶりを披露するプロの姿がある。刑事ファニングをいとも簡単に撃ち抜き、「仕事だ。」とさらっ、と言うヴィンセントに「殺し」に対する罪の意識は全く無い。目的地まで宣言通りに7分で着くドライバーの勘が鋭いマックスと同じで、「仕事」が出来るだけなのだ。そんなヴィンセントの考えを否定し、「人間としての根本的な何か」が欠けてると説教を垂れたマックスに対して露わにしたのは怒りよりも不快感。中途半端にしか仕事が出来ないお前に言われたらお終いだ、という冷笑。なぜお前は俺の仕事が理解出来ない?という苛立ち。「マックス!これが仕事だ!」と言うヴィンセントの叫びは、分かって欲しかった。そしてお前も男なら「本当」の仕事をしてみろ、と。殺し屋という孤独ゆえの、そしてプロとしての叫び。短くも一夜を共にした男に教え、教わった、もしかしたらマックスと話せた束の間の喜びだったのかもしれない。そしてマックスはきっと夢に一歩近づいたと思う。ヴィンセントのおかげで。 【miki】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-01 22:47:18) (良:4票) |
217.《ネタバレ》 一夜にして5人を始末しようとする殺し屋ヴィンセント。4人目まではなんてことなかったが、5人目(アニー)は面白かった。必死に阻止しようとするマックスとの攻防。ヴィンセントのしぶとさが良い。トム・クルーズは本作で初めて本格的な悪役に挑んだらしいが、やっぱりどこか憎めないんだよな~。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-22 17:33:31) |
216.《ネタバレ》 少し前の話だ。 友人が急に電話を掛けてきた。同じ学校の同期だった彼は、大変な仕事をリタイアしてなにやら大きな事の準備をするらしい。同時に全く合っていない仕事をなんとかギリギリにこなし続ける自分の能力を過剰に評価する会社に困り果てているのだという。僕は緑の箱から引き抜いたたばこに火をつけようとするけど、火花ばかり飛ぶライターに一向に火が着かない。羨慕の中頷きながら話を聞き、お互い大変だよなと笑っていると、 「起業のことだけど、手伝ってくれないか」などという。 詳細の一歩手前くらいの話をおもしろおかしく説明するこの事業は、確かに僕の能力とかぶっている。 「そういう訳で、損はさせない。固まったら連絡するから一度会って説得させてくれよな」と友人は電話を切った。 タクシー運転手のマックスはじきに独立するのだという。そこに乗り合わせたヴィンセントは大きな仕事の最中な訳だが、彼は本物のプロだった。恐らく軍人として訓練を受け研ぎ澄まされた技術を修めたはずなのに、何故かいま彼は素人を相手に一方的な殺人を行っている。 マックスは彼の職業意識と、従業員然とした自分の人生を見比べて覆い隠せない落胆を自分の中に見咎めてしまったようなのだが、ヴィンセントの職業そのものを受け入れることができない。 しかし、受け入れることができないのはヴィンセントも同じだった。自分の人生を作り出す道を選んだ先駆者だったはずだが、その手前にいるマックスに自分を重ね、その背中を押すようにマックスを殺さなかったヴィンセントは、やり直せない人生の幕引きを、マックスに任せた。 この映画を時々思い出す。地震の後、仙台にいた友人から連絡は来ない。不安と期待で蜷局を巻いていた気持ちはもう無い。彼があの日どうなってしまったのか、その後なんとか知ることはできた。もう彼と会うことは無い。 僕はずっとマックスのように、しもしない起業のことを得意げに吹聴し続けるのだろう、ずっと。僕の人生は11年の3月で止まってしまった。背中を押してくれるヴィンセントのような人間との危険な遭遇はもう映画の中だけの話だ。 だから、美しい夜景と、巻き添えを食うマックスと彼の行為の巻き添えを食うヴィンセントの、二人の短い物語には何となく憧れてしまうんだ。 というのを同級生から聞いて、自分の無個性さに自殺しそうになった。 【黒猫クック】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-05 11:38:32) |
215.《ネタバレ》 悪役のトムはそれなりにいい味を出していると思う。彼の生き方、彼の死に方に、無常観を持たせているのも良い。娯楽作?として納得できる作品だった。 【love】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-05-05 07:57:06) |
214.《ネタバレ》 平凡なタクシー運転手と、凶悪だが複雑な殺し屋が一緒に過ごした一晩。タクシー車内での会話に、ドキッとする瞬間もあった。シンプルだがいくらでも面白くなりそうなプロット。だが、その良さが結局活かされなかったのでは。トム・クルーズの悪役演技がどうと言う以前に、単純に緊張感のない凡庸なサスペンスだった。殺し屋のキャラクターが中途半端に人間臭いのはどうした事か。ドジって一人目の標的がタクシーの屋根に落っこちる序盤から失笑。挙げ句、タクシー運転手の母親と話している隙にドジってアタッシュケースを盗まれ、慌てて追いかけたがケースはトラックに激突し木っ端微塵。運転手に凄む殺し屋の台詞『あれには全データが入ってたんだぞ!』に至ってはもう爆笑するしかない。その後も依頼主の元に自分の替わりにタクシー運転手を行かせるわ、可哀相なほど情けない。ムーディでスタイリッシュなマイケル・マン監督は、プロットが要求するヒリヒリした心理劇には興味がなかったとしか思えない。DVDでの視聴ながら、夜のタクシー車内の雰囲気はいい感じだったが、やはりこれは別の監督で観たかった。 【i-loop】さん [DVD(字幕)] 4点(2012-04-14 02:27:36) (良:1票) |
213.監督がやたら高感度カメラを使って夜の情景を映しこんだことをエバッてたけど、確かに夜のLAの顔はたんねんに描かれていたと思う。NYの乾いた感じとはまた違う、多国籍の生活の匂いのする感じがよく出てる。運転手と殺し屋、二人の性格もバックグラウンドの描写も丁寧。似合わない白髪のトムが、冷徹な殺し屋というより口八丁な詐欺師に近いいかがわしさがあってこの人っぽい。組み合うシーンや銃の抜く速さに運動神経の良さが出てさすが、かっこいい。でもトムさあ、6件くらい事前に頭に入れておくべきでしょうが。直前にタクシーの中でばたばたPCチェックって準備悪いぞ。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-12-20 01:12:08) |