3.とにかく凄い。迫力満点。「インデペンス・デイ」を上回るスピード感と迫力に釘付けになった。恐竜物(怪獣?)としては「ジュラシック・パーク」シリーズが代表的であろう。この作品はそれを上回るスケールと迫力がある。後半には孵化したゴジラの幼獣が200匹も一斉に襲ってくるのだから、ラプトルが2匹で襲ってくるのとは訳が違う。しかしジュラシック・パークとは全く作品的に違うような気がした。見終わった後の空しさは何だろうか?この決定的違いは科学的説明に乏しい点である。「ジュラシック~」の方は、科学的根拠に基づき、こう言った遺伝子操作が現代の科学で可能だと言うこと、それに対する警鐘を鳴らしていた。ここには多少の悪人もいたが、決して悪者はおらず、人類が自然とどう向き合うかがテーマであった。言わば大人の映画だ。しかし「ゴジラ」は題材から無理があり、それをどう現代のニューヨークに登場させるかについて、全く科学的に説明しようとせず、いきなり大都会に登場させ、暴れさせ、揚げ句には子供まで生ませて、どたばたと大の大人が走り回るだけの作品にしてしまった。この空しさを表現するのに、良い論評が一般誌に載っていたので紹介したい。”日本のオリジナル「ゴジラ」においては、結局自衛隊の力ではゴジラを倒すことはできず、最後は海水の酸素を無くすことでゴジラをせん滅する。しかしこの選択肢は人類にとって多大な犠牲を払う結果を生む。この原因を作った核実験に対し抗議をするとともに、ゴジラも同じ生物であったものを人類の手で絶滅させてしまっていいのか?と言う問題を投げかけて映画は終わる。しかしこれをアメリカが作ると、被爆国である日本とは違って、米強しとし、軍による鎮圧で幕を閉じる。これがアメリカ人の好きな考え方なのだろう(by asahi)”以上。