454.なんとも物悲しいお話であるが、設定はまるでアニメなのにジョニー・デップの表現力と監督の采配で素晴らしいファンタジーになっている作品。 【movie海馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-09-09 01:14:14) (良:1票) |
《改行表示》453. 「バックトゥーザフューチャー」と同じくらい、複数回見ている作品です。なぜなら当時、確か家族がばらばらで借りてきたり(ほんとになぜだ?)、テレビでも放映されていたからです。 1回目。ホラー映画と思い込んで家族と一緒に見ました。(当時父が借りてくる映画はホラーとSFとアクションばかりだったので、ハサミの手が出てきた瞬間そう思って・・・)途中でホラー映画でないことに気づきました。 2回目。不自然な点に多少つっこみ&イライラしながら見ました。「まだ手はできていないから、代わりにはさみを・・・」って。そっちのほうが作るの大変そうなんですけど。え?今まで誰も屋敷に入ったことがないの?そんなばかな・・・ 3回目。不自然な箇所は了承済みなので、もう単純にストーリーと演技を楽しみます。 すると意外なことに、3回目くらいが一番この映画が面白い。 4回目以降。もう無心で見ます。理屈ではありません。登山家が、そこに山があるから山に登るように、そこで「シザーハンズ」が流れているから、つい最後まで観ちゃうだけです。そしてやはり面白い。 僕は、同じ映画を2度見ようとはほとんど思いません。よほど1回目の鑑賞で面白いと思わなければ。ですが、この映画は「つい見てしまう。」数少ない映画の1つです。つまり、この映画は人を惹きつける不思議な魅力にあふれています。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-10 09:13:05) (良:1票)(笑:1票) |
452.《ネタバレ》 長所は、異形の主人公がほとんど違和感もなく家族の一員として受け入れられる筋、である。この「越境」の有り様のみがオモシロイ。あとはすべて子供向け「アトラクション」映画である(非道の敵対者に対する死の報復もまた子供レヴェルのカタルシスである)。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 3点(2012-05-09 18:23:05) |
451.《ネタバレ》 思えば、ここからジョニー・デップとティム・バートンの名コンビが始まった記念碑的名作。絵本のようにカラフルな街並みやあり得ないストーリー設定ながら、現実的な社会的弱者への苛烈な差別、そして軋轢を寓意的に描いている。カフカの「変身」のように、両手がハサミという姿をある種の障害と捉えればこの映画は一気に深くなる。そしてそんな不条理な社会に背を向けて、ただ愛する女性のために雪を降らせ続けるエドワードの姿はあまりにも辛く切ない。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-05-07 07:14:59) (良:2票) |
450.おとぎ話っていうのはけっこう残酷な筋立てのものが多いのですよね。これは酷と美の境を操るのが得意なT・バートン作のおとぎ話。ストーリーも怪人の設定もそれだけ見ると残酷ながら、そこにカラフルな生活感の無いふざけた街並みとバカボンのパパの作品みたいな植木を配置して観る者を煙に巻く。なんだか居心地の悪い話だったけれど、降りしきる雪が幕切れの悲哀を美しく飾って印象的でした。ウィノナの野暮ったい髪形もカットしてくれたら良かったのにな。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2012-03-20 00:48:51) |
449.《ネタバレ》 さすが暗めの切ないファンタジーを作らせたら天下一品のティム・バートンと、奇抜な役をやらせたら天下一品のジョニーデップの組み合わせは、足し算じゃなく掛け算でいい作品にしてくれる。映像美を意識した構図、色彩は見事。カラフルな家や車をパステルカラーを使うことによって現実と非現実の中間の曖昧な街並みを演出している。また、ジョニーデップの演技も圧巻。素朴さ、悲しみ、怒りをすべて少ないセリフで表情、動きで表現しきっている。共演陣のややオーバーな演技も監督の計算どおりと思われ、現実と非現実の中間を見事に表現し、さらに特異な存在であるジョニーデップの心理を見るものに強く印象つけている。ティム・バートン×ジョニーデップが大好きです。 【nobo7】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-05 22:53:45) |
448.《ネタバレ》 アメリカの住宅地のそばにヨーロッパ風の古城を頂く山が隣接する不思議。 人造人間エドワードが住む館、彼はジョニー・デップの名演技であると同時に、子供の頃から他人とうまくコミュニケーションがとれないと意識していた若きティム・バートン自身でもあるらしく。 やさしい老発明家(ヴィンセント・プライス、バートンの怪奇映画へのオマージュ)に野菜刻みロボットからハートを持つ擬似人間に作り変えられていった彼は不完全なまま城に残され、ペグ(ダイアン・ウィースト)に連れ出されるまでは孤独。 カラフルに塗られたサバービア(郊外住宅地)の中で、唯一モノクロな存在のエドワードが際立つ。 スタン・ウィンストン特製のハサミの手をつけたデップは子供のように無垢で頼りなげですが、あの手が生かされるあたりは楽しく、ここや城の回想シーンはアートな感覚をちりばめ、バートンの極上のセンスが光ります。 それだけに後半の切り返しは残酷だけれど、それでも失われない彼の純粋さに救われる。 ペグや夫のビル(アラン・アーキン)のようにオットリな人ばかりではない住人たち、エドワードに拒絶され逆恨みするジョイス(キャシー・ベイカー)が彼の町での浮き沈みを導く役を担い、彼女が後ろ髪を引かれつつ立ち去る姿に移ろいやすい人の心の弱さが見えて。 トム・ジョーンズが歌い上げる"WITH THESE HANDS"は皮肉味をおびて聴こえ、ダニー・エルフマンの音楽が哀切を奏でる。 キム(ウィノナ・ライダー)の愛情に限界があるのが哀しくもあるけれど、エドワードはそれを理解し満足している、自分にはこれで十分と。 キムと過ごした短い時間が永遠となり、変わらぬ愛となって降りそそぐ。 新たな雪のイメージを生み出した、おかしくも切なく美しいお伽話。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-12-10 07:00:01) (良:2票) |
447.《ネタバレ》 一見すると絵本のような映画だけど実際はかなりリアルっていうか、人間のズルさをしっかり描いてるっていうか。 パステルカラーの家とか衣裳とか車とかはとってもカワイイけど、その町に住む人たちのドス黒さったら! 強引でワガママなジムとか、色仕掛けが失敗したら悪口言いまくるジョイスはもちろんだけど、いい娘に見えるキムも実は保身に必死だし、ペグの善意も穿った見方をすれば自分のボランティア精神に酔ってるだけって言えなくもないような…。 この映画を要約すると「結局みんな自分が一番カワイイ」(=現実社会)ってことになるような気がするわ。 …物語風にかなりデフォルメ&単純化しつつもちゃんとリアリズムを追求できるってとこがティム・バートンの非凡な才能なのかもしれないわね。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-01 17:26:10) (良:1票) |
446.市民の人たちにはついていけないところがありましたが、大人向けのおとぎ話という感じで人と人との接し方について考えさせられる作品でした。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-19 22:27:28) |
《改行表示》445.《ネタバレ》 冒頭から、窓から見えるお城がミニチュアなのがバレバレで、あぁダメだこの映画と一瞬思ったのですが、ストーリーが誰が観ても明らかな作り話とわかるので、あれでいいんだなと思い直してからは、徐々に入り込んで観ることが出来ました。 ストーリーは、異形の主人公エドワードが一般社会に馴染めずに元の世界に戻ってしまうという話ですが、深く考えずにぼ~っと観ると、彩り豊かな家々やそこに住んでいる人々の洋服までもがカラフルで、一見すると楽しく愉快な話のようにも思えてきそうですが、実はなかなかに残酷な内容で、正直なところ、終わり方もあまり好みではない感じで幕を下ろされてしまい、評価はちょっと辛口になりそうです。 この映画のような、世の中に受け入れられ辛いキャラクターが最後には世を捨てて去っていくというストーリーは、実は様々なパターンで映画黎明期から作られているのですが、この作品においては、主人公が一旦世の中に受け入れられているときのハッピーな瞬間とのギャップが余りにも大きいのが何とも残酷で、パステルカラーで花開いた画面から一転してモノクロームのお城の内部にある暗闇に突如として突き落とされることに象徴される明から暗への落差が、自分自身にとって如何ともし難いわけなのです。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-10-10 22:19:34) |
|
《改行表示》444.お話のベースは「フランケンシュタイン」なんだろうけど、 それをファンタジー・ロマンスに仕上げ、切なさをうまく表現してます。デップの表情もいい。 個人的には主人公がかわいそうすぎて、あまり好きな作品ではないのだが、映像が美しいし、 演出も長けていて、作品自体の完成度は高いのではないかと思う。 ファンタジーものが好きな人には特にお薦め。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-25 21:36:52) |
【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-09-05 21:52:01) |
《改行表示》442.《ネタバレ》 人は相手を心から愛するようになった時や、相手と喜びを分かち合いたくなった時、自然と抱き合いたくなるものではなかろうか。しかしハサミの手を持つエドワードはそれができなかった。 キムから愛を打ち明けられた時、彼は自分を作ってくれた博士のことを思い出す。博士は彼の一足早いクリスマスプレゼントに、「手」を用意してくれた。これさえあればエドワードは完全な人間になることができる。博士と抱き合って喜びたかったろう。しかしその瞬間博士は、顔をゆがめ倒れ込んだ。そしてエドワードのハサミには血が付いていた。 手がハサミというのは、大変便利な時もある。人は巧みにそれを利用した。しかし、愛する人を抱けないということは何と悲しいことだろうか。 映画の最初の方はエドワードの顔がとても気味悪く思えて、好きになれなかったが、純粋な心に触れているうちにだんだん気にならなくなっていった。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-26 21:22:14) (良:1票) |
441.その昔、映画館でみました。相性がよくなかったみたい 【HRM36】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-06-14 09:17:57) |
《改行表示》440.《ネタバレ》 ベタと言えば、すべてがベタなのだが、マジョリティの平凡さの演出(同じような家が並ぶパステル調の住宅街、同じ時間に同じ様に出かける父親達、すぐさま流行に飛びつく母親達)とマイノリティであるエドの演出の対比が秀逸。 創造的な表現者×身体的な障害者というマイノリティの主人公に、イノセント故に他人を傷つけることがあるいう人間の習性を、究極的に可視化した「手=ハサミ」としてかぶせ、 それをいかにもな「社会」(というか「世間」に近い)の暴力に放り込むことによって、大衆の醜さを露悪的に見せる巧さ。 それに加え、見た目が青年の無垢な少年と、スレた高校生との対比を正に(ある意味卑怯だが)ファンタジーをして描くことで、エドにとってのこの出会いの期間をファンタジーだったとして昇華させる。 物語自体が最後は語りだったという視点に戻し、彼を理解したと思える彼女ですらマジョリティの側から離れられなかった、というキムの語りを懺悔の物語としてまとめることで人間の弱さの演出を重ねる。 単純に切ないラブストーリーと呼ぶには勿体無い一作 【楊秀清】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-06-05 21:03:52) |
《改行表示》439.《ネタバレ》 出会い、裏切り、恋愛、別れ・・・起こる出来事の全てが唐突すぎて、ご都合よく無理やり話を展開したように思えます。 最後は娘との恋愛がメインになってしまったが、元々は、拾ってくれた母親を中心に、ぶっきら棒ながら理解示した父親、弟とのファミリー的な愛情をクローズアップすべきではなかったか? その肝心な家族との顛末は何も描かれていないのが非常に残念。というより致命的。 代わりに持ってきたのは、恋敵をあっさり殺害したことでしたが、どう消化してよいのか良くわからない中途半端な終わり方でした。 良い悪いに関わらず噂にすぐ飛びつくご近所さんの描写は、風刺が効いてて良かっただけに、最期はしっかりと結んでほしかったです。 結局、最も印象に残ったのはカラリング・・・特に上から撮った屋根と車のシーン。それも寂しいですが・・・ 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-05-22 21:50:57) |
《改行表示》438.《ネタバレ》 中学校の映画クラブで観たのが初見。 一緒に観ていたクラスメートは涙をポロポロこぼしてたのですが 私はどうにもこの映画に感動出来ませんでした。 街のオバさんとかエドワードに色目使って拒否られたら悪評流すとかサイテーだし そもそもキム、全然エドワードのこと好きじゃないじゃん。 自分可愛さで罪をエドワードになすりつけてるしさあ。 警官のオジさんに一抹の良心を感じるものの誤解をといてあげることもせず 「逃げろ」って何の解決にもなってないしー。 最初から最後まで純真なエドワードが可哀想なだけじゃん。 むしろ中途半端に恋心なんて抱かせて孤独に生きさせるほうが残酷だし この監督さんて絶対性格悪い、すごいドSだと思う。 …と当時の私は思ったのですが口に出すことはありませんでした。 自分でもこういう感想をいう生徒は可愛くないってわかってたし(笑) 【どぶん子】さん [ビデオ(吹替)] 5点(2011-05-18 23:11:55) |
【akila】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-05 15:44:27) |
436.《ネタバレ》 ガオガオ~! と元気だった若い頃、きれいな女性に対して「傷つけないように、そぉ~っと優しくしなきゃ」とか「自分みたいなのが触れたら汚してしまう」とか、思ったことあったなー(遠い目)・・・・ハサミの手って、そんな頃の自分を象徴してるような気がしました。それから「言葉」も「ハサミ」に似てる。使い方次第で他人を幸福にもするし傷つけもするし。そうした「自分の持っているもの(感情であったり才能であったり、いろいろ)」をしっかりコントロールしきれていない青年期(未完成期)を、こういうモチーフに仕立てたアイディアは良いなーと素直に思います。でも、そういうモチーフなら、もっと深い話にも出来たろうに・・・とも思ったり。「ハサミ=言葉」と考えてみると、正しい使い方が完全に分からないので「沈黙」ってことになったのかな? 自分を守り、同時に誰も傷つけることのない使い方が分からないので、やっぱり人間社会を退却して引きこもりました・・・みたいな。ロボットものとして見れば、かなりオリジナリティー高い作品だと感じます。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-20 00:07:03) |
435.小学生の頃にクラスの女子がやたらと「良い映画だ」と騒いでいたので試しに観てみたのですが、事前に聞いていた評判とは正反対のドロドロとした居心地の悪い印象を持ち、まったく好きになれなかった映画です。大人になった現在になって観返すと、その時に持った違和感の正体が分かりました。これは感動作でも美しい愛の物語でもない、グログロのドロドロの性根で作られた世間に対するうっぷんの塊のような映画なのです。ディズニー映画のようなファンタジーの殻を被ってはいるものの、その中身は「タクシードライバー」をはじめとしたポール・シュレイダー作品と大して変わりません。社会に適合できない若者がいったんは楽しくやっていけるかもという希望を持つが、その希望はあっさりと裏切られて孤独な生活に戻っていくという、何の救いもない暗い暗い物語。世間の冷たさとヒロインの薄情さが主人公を苦しめます。特にウィノナ・ライダーV3には怒りを覚えました。見た目は綺麗だし、エドワードの前では理解者として振舞ってくれる。しかし不幸な誤解から非難を受けることとなったエドワードの弁護はしてくれません。話すことに不慣れなエドワードは自分の口から事情を説明することが出来ない。だからこそ彼を泥棒に引き込んでしまったウィノナ・ライダーV3がみんなに事情を説明してあげねばならないのに、彼女はエドワードの盾にはなってやりません。事情が明らかになると自分や彼氏の悪事がバレてしまうから。二人きりになった時にだけ「エドワードごめんね」と言って良い人になろうとする様には虫唾が走りました。無意識のうちに人を傷つけながら自分では良い人だと思っている彼女もまた、エドワードを攻撃する街の人々とは変わらないのです。それを理解したからこそ、エドワードは彼女の思いを拒絶したのでしょう。。。しかし不思議なのは、本作がクリスマス映画の名作に数えられていること。これは「クリスマスを楽しんでる奴らなんか大嫌いだ!」という、もっともクリスマスに観てはならない映画なんですけどね。この映画の美しい外面だけを観てティム・バートンの真意を理解してあげない人もまた、エドワードを持てはやした末に追放した街の人々と同じなのでしょう。「スウィーニー・トッド」に対する批判がまさにそれでした。「怖い!気持ち悪い!こんなの観に来たんじゃない!」って、ティム・バートンは昔からこうでしたよ。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-19 22:20:02) (良:3票) |