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101.《ネタバレ》 黒澤作品は「天国と地獄」しか見たことがありませんでした。何気なくレンタルしたのですが、面白かったです。特にみなさん仰るように二木てるみさんの演技が素晴らしく、おとよのエピソードが一番好きです。昔の子役って凄かったんですね。大女優杉村春子を大根で殴る。素晴らしい。役名のない(?)香川京子さんの芝居も引き込まれました。しかし、ああ言う凶暴な患者なんだから、簪なんか抜いておきなよと思いましたが。気になったのはセリフがやたら現代的だったことかな。岡場所で育ち、教育も受けていない(はずの)おとよがあんな利発そうに話すのは違和感がありました。あと、動脈とかガンとか。江戸時代にあったのかな? 【MILA】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-18 17:40:45) |
100.久しぶりに観賞。やはりいいものはいいですね。加山雄三演じる保本登という若い医師が赤ひげに共鳴していく過程は、心の病を持つ患者、おとよを始め、様々な群像劇の中で自然に進んで、とても心地よいです。 2時間半でも短すぎるくらいです。いっそ、大河ドラマにしてもらいたいところです。 白黒ですが画質も綺麗だし若い人に是非観賞してもらいたい作品です。 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2013-01-04 00:18:23) |
99.《ネタバレ》 古き素場らしい映画。最近の、人情ドラマを見慣れてしまっていると、ちょっと違和感を感じるかもしれないが、この時代でこれはいい。 小さなエピソードまとめてあるが、前半と後半とやや趣が違っており、あとになっていく方が、好みかも。 いずれにすれ、観る度に色々なことを受け取れ、長いが何度も観てしまう秀作。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-12-02 20:33:04) |
98.《ネタバレ》 「貧困+病気=不幸」だが、不幸の様子は人によって様々。ここで描かれる不幸模様は通り一遍のものではなく、大不幸と呼ぶべきもの。底辺に生きる人々の姿を描く事で人間の真の姿、エゴ、死の荘厳さ、人と人の絆、人間愛等を浮き彫りにする。不幸だから可哀相という皮相的な描き方はしていない。人間が自分の力ではどうすることもできない運命や不幸にみまわれた時、それをどう受容するか、どう考えるか、どう行動するか、いくつかの切り口で見せてくれる。不幸には多面性がある。不幸を背負った者にしかわからない事、味わえないものがある。不幸になって初めて幸福だった自分を知る事もある。もしかしたら不幸は、人間らしくあれと神様がお授けになったものかも知れない。不幸があってこそ偉大な人生が歩める。そんな感傷的な考えが思い浮かぶほど、考えさせられる映画。名作です。何より無駄が無いのが心地よい。例えば、おとよの着物の使い方。まさえがおとよに着物を贈る。心を病むおとよは着物を溝に捨ててしまうが、やりて婆が迎えに来て「着物がうちにいたときのぼろのまま」となじると、「私はこんな佳い着物を持っている」と服を見せる。着物一つでまさえの優しさ、おとよの病気、その回復ぶりが顕かとなる。巧いです。いちいちおとよ目元にライトが当る職人芸も満喫。気になる点もある。それは赤ひげが遊郭の用心棒を叩きのめすところ。赤ひげをスーパーマンする必要はない。人間味ある医者としての赤ひげに弟子の保本が心酔し、成長する姿を描くのが主軸。他の要素を入れず、医者物語で終始してよいと思う。他にも気になる点がある。保本が手術に立ち会い失神するが、これはまずない。保本は長崎で蘭医学を3年以上修行している。蘭方医と漢方医が覇を競いあっている時代で、蘭方医が出来て漢方医が出来ないものが外科、内科手術。手術は念入りに実施研修する。左八とおなかの挿話だが、おなかは佐八との生活を「幸せすぎて怖い」と感じていたところに地震が起きて、罪意識から佐八の許を去る。ミステリアスな展開だが、再会後おなかは自責の念にかられ「強く抱いて」と佐八に短刀を突かせて自死する。乳呑児を持つ母が自殺するとは思えないし、最愛の男に殺人をさせるのも疑問。相手を苦しめるだけ。看病日記だが当時は全て候文で、「おとよははっきり意識を回復した」等と口語では書かない。これは完全なミス。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-07-12 01:44:40) |
97.《ネタバレ》 はぁはぁはぁ。。。やっべぇぇぇぇ。。。クロサワ映画で萌え死ぬところだった。。。 【とっすぃ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-03-25 07:23:10) |
96.《ネタバレ》 若い頃に一度観ていて、いい映画だと記憶していたので、久々にレンタルして鑑賞しました。すっかり忘れていたのは山崎勉のエピソードのみで他は全て鮮明に記憶された映像の通りでした。それほどに記憶された物語であるにもかかわらず、若い頃にはなかったホロリと涙を流してしまう反応を何度か。歳をとったということもあるでしょうが、最近の映画でなかなかそういうリアクション起きない自分としては「貴重な映画だな」と感じざるを得ませんでした。加山雄三はこの作品でとてもいい役を与えてもらっていると初見時から思っています。これを機にもっと伸びる役者さんにもなり得た気がして、どうして若大将イメージで終わってしまったのか勿体無く思ってしまいます。三船敏郎は再見してみると意外と出番が控えめなのに気づきました。なのに、どっしりガッシリ安定感のある存在感を放ち映画の軸になっていることに感心。AKBの新作プロモ映像の参考にされたという、カンザシ女のシーンは、BGMなしでヒッチコックの『引き裂かれたカーテン』の台所格闘シーンを思い出す緊迫感で、今見ても見応えあり。物語が持つ雰囲気はなんとなくサマセット・モームの『人間の絆』(映画の方は未見)を思い出すなぁ。老人の死の瞬間の映像に、『人間の絆』での「この人の人生に敬意を払いなさい」のセリフがダブるんです。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-02-17 00:46:22) |
95.《ネタバレ》 児童虐待やら、サイコパスやら、「幸せになってはいけない」という思いこみなど、今日的なモチーフがふんだんに使われており、古くささを感じさせません。好きなシーンもたくさん。ただ幾度となくおとよに薬を飲ませようとする赤ひげ先生。布団干し場での内緒話。お別れを告げにくる長坊。左八とおなかが再会を果たす風鈴の場面など。香川京子の狂女っぷりも忘れられません。清濁あわせ飲み、しかも変人で、なおかつ腕も立ち、そこはかとなくかわいげのある赤ひげ先生は魅力的。あと、加山雄三氏を初めて、「男前じゃん」と思えたのも収穫でした。って、どんな収穫だ。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-12-03 09:40:05) |
94.御存知、小石川養生所・赤ひげ先生のお話。 見習い役の加山雄三に不安を感じたものの、そつなくこなしていて普通に見れた。 赤ひげ先生の三船は、もう文句なしにハマリ役。 ストーリー展開での妙味というものはないけど、 今の時代だからこそ逆に内容に深みを感じてしまう質のいい作品。 お医者さんを目指す人は特に、そうでない人もぜひ観てほしい。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-07-16 00:41:33) |
93.《ネタバレ》 少女が心を解きほぐして行く様や老人が息絶えるシーンが非常に印象に残りました。あと骨折した腕がとてもリアルでした。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-02-13 20:47:26) |
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92.《ネタバレ》 ヒューマニズムの洪水みたいな映画。観る側に先入観を与えて環境にネガな印象を持たせたうえで、3時間掛けて色んなことをじっくりと説得される。保本(加山雄三)と入れ替わりに去る医師(江原達怡)のように馴染めない人もいるだろうが、私はコロッと説得されたクチです。最後は保本と一緒に、心地よいコミュニティに包み込まれるような充足感と希望をいただきました。ほとんどのエピソードに女性が様々な立場で絡んでいて、その多彩さで長尺を飽きさせない。全部は書けませんが、おとよが保本に恋心を抱く流れに和み、賄いのおばちゃんたちにダイコンでボコ殴りにされる杉村春子に笑わせてもらいました。縦軸には青年医師の成長がありますが、実は女性を描いた作品ですね。三船敏郎は大活躍という類いではなく、大地のような安定感と存在感で物語を支えます。ちょっと前なら志村喬が演じていた役目だけど、それを勤めて黒澤映画を卒業したんだなという感想です。波状攻撃的に連なる予定調和や役者のアドリブが入る隙間も無いような演出は、全てを計算し尽くす黒澤スタイルの完成型なのだと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2011-02-03 00:07:19) |
91.黒澤組総動員で作り上げた感の、壮大な人間ドラマ。医師になりたいと思う人には是非とも観ていただきたい映画の一本です。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-25 14:36:37) |
90.《ネタバレ》 この映画は休憩があるのでそこを境に前後半に分けられる。前半は平凡な出来だったけど、後半には大きく心を動かされた。タイトルは「赤ひげ」だが、実質的に主人公は加山雄三演じる保本登で、三船敏郎は貫禄の存在感で脇を固めている。しかしその2人よりさらに印象に残ったのが二木てるみ演じるおとよだ。体以上に心が病んでいるおとよは療養所の先生をも信じることができず、心を閉ざしている。そんなおとよが少しづつ心を開いていく過程が素晴らしい。中でも熱を出した保本を看病した事が大きな転機になるが、その看病の様子はセリフが少なく、チャップリンの無声映画のような味がある。おとよは次第に恋心が芽生えるものの、保本にはまさえの存在があり、初恋は儚く散る。その事でいじけたと見えて、泥棒を見逃し、周りを失望させてしまうが、それはおとよの優しさから来るものだった。極度の貧乏ゆえ泥棒をしている長坊に対し温かく接するおとよは以前の姿とは見違えていた。長坊役の頭師佳孝の天才子役ぶりも素晴らしい。物語冒頭で「絶対に出て行く」と言っていた保本が最後には金や名誉を捨てて「力ずくでも残ります」と引き下がらない。こういう無償の愛ものには弱い。満点つけます。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-08-18 17:03:31) |
89.これは観賞するのがきつかったですね。黒澤作品に陰りが感じられた作品です。冗長であること、淡々とした語り口であること、これらが作品にプラスに働いているとは思えませんでした。 【ジャッカルの目】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-08-13 17:52:54) |
88.時間が長すぎるよ。それから、わざとらしい人情話にもうんざりです。 【doctor T】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2010-02-26 01:05:15) |
87.《ネタバレ》 人情もので3時間はキツイかなぁと思ったが、冒頭から見るものの興味を強く引く見せ方で始まり、一つ一つでも一本の映画ができてしまいそうなエピソードをうまく絡ませながら、若い医者の成長物語という太い幹を完結させるという、見事なシナリオ、展開、演出と得意の映像マジック、役者の演技に全く長さを感じなかった。主役の三船敏郎、加山雄三は演技云々ではなくその存在感でしっかり見るものを魅了し、脇役もすべて名演技でそれぞれの役を完璧にこなし、特に子役の仁木てるみ、頭師佳孝の眼、動きのうまさには舌を巻いてしまった。役者の個性、うまさと黒澤監督の完ぺきな演出、映像作りのなせる業だろう。この時代にシネマスコープなのに白黒にこだわったのも、江戸時代の貧乏な町民の世界の雰囲気を陰影のみで巧みに表現するため、と頷けてしまう。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-23 03:36:36) |
86.若者は,いろいろな出会いを経て成長していくのだと。同じく修行中の身として,人との関わりを大事にしていきたい。 【さそりタイガー】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-06-28 01:08:44) |
85.佐八のエピソード部分は少し助長に感じてしまったが、 おとよが登場してからはいいシーンが盛りだくさんだった。 心が壊れたおとよが廊下を拭き続けているシーンはとても悲しい。 その分回復した時の生き生きとした顔が凄く輝いて見えた。 お見事な演技でした。 赤ひげ先生が強すぎるのは多少気になりましたが(笑)、 三船はこの役もバッチリハマっていたと思います。 人間愛を感じる、素敵な映画。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-13 04:03:46) |
84.《ネタバレ》 前半、「この、つまらん話が何故に名作・・・?」と半信半疑で鑑賞していたが、なるほど、後半に入ってからは長さを感じさせない作りでした。あの、男の子うまいねぇ。それにしてもダイコンで殴るシーンには笑わせてもらった。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-22 03:51:53) |
83.黒澤で唯一苦手な作品。キャラクターには感情移入できるんだけど、黒澤の映像演出が余りにもあざとすぎて辟易。「ほらほら、この映像凄いだろ」と自慢してるようなカットの洪水。エピソードも似たようなものが多く、いたって凡調に感じる。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-02-11 21:24:47) |