22.本作は人生の岐路に立たされた男の物語であり、訴訟絡みは彼の人生を変えるイベントにすぎません。宣伝文句を期待して観た人はガッカリしたと思います。しかしドラマとしては超一流。人生の半分ですべてに行き詰った男の姿がリアルに描かれます。弁護士とはいえ名門大学出身ではないため、華々しい法廷ではなく裏のフィクサーとして生きるクレイトン。汚れ仕事しか知らない自分には明るいキャリアなどない、おまけに事業に失敗し借金を抱え、家族もいない、自分には何も残っていない。でもこんなはずじゃなかった。人より努力して弁護士になったのは、金銭面でもステータス面でも満たされ、人が羨む人生を送るため。でも今の自分はブルーカラーの弟にすら嫌味を言われ、別れた妻は気の弱そうな普通の男と再婚。こいつらより偉くなるはずじゃなかったのか?-そんな彼の折れそうな心を表現する印象的なシーンがふたつあります。ひとつは、借金を返すアテがなく、やむなく上司にお願いに行くシーン。彼は会社のためにフィクサーとなり、そのせいで自分のキャリアは潰れたと主張しますが、これは序盤、同じく汚れ仕事担当であるアーサーに対して彼自身がいった言葉の裏返し。「俺たちは自分で選んでフィクサーになったんだろ」。クレイトンはわかっているのです。でも、環境が悪かったから、会社が悪かったからと自分に言い訳しないとやってられない、この人生に納得いかない。それに対する上司の一言が突き刺さります。「お前が思うほど昔のお前は優秀じゃなかったかも」。もうひとつは、彼の経営するレストランの雇われ店長が、店を潰したことを謝りに来るシーン。彼を無視したクレイトンは、この様子を見てしまった幼い息子に「お前はあいつのような人間とは違う。お前は自分が思ってる以上に強い男なんだ。だからあいつみたいには絶対にならない」と自分自身に言い聞かせるように話しますが、この時の彼の弱さには胸が苦しくなりました。人生の中でもがき苦しむクレイトンは鏡ごしの私たちであり、矢のように鋭いセリフは私たちを貫きます。30代後半で脚本家に転向するもボーン・アイデンティティまでの10年は代表作のなかったギルロイ、15年に渡る下積みを経験したクルーニー、デビュー作が賞賛されるもその後は不遇の10年を送ったソダーバーグ、彼らの人生訓が込められたかのような、本当に重く素晴らしい作品でした。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 9点(2009-01-14 00:05:44) (良:3票) |
21.ジョージクルーニーがもう少し頭がいいとか腕っ節に自信があるとか、そんな設定だろうと思って観ていたら、ギャンブルしたり、お金に困っていたり、親戚に色んな人がいたりして、えらく頼りないので、観ててすっきりこなかった。同僚のフィクサーが大企業の野心家の女性の上役に殺されてから、やっと物語が見えてきました。「エリンブロコビッチ」や「インサイダー」を思い出したね。最後まで観て、映画冒頭の場面と結びついた時、やっと心に突っかかっていたものが取れて、すっとした。ラスト、タクシーの中でのクルーニーの表情を見て、「はやくニヤリとしろ」と思ってしまったよ。結局、緊張感から解きはずされて、ほっとした表情みせるだけだったけど。社会派サスペンスとして快作だと思う。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-26 22:46:59) |
20.《ネタバレ》 企業倫理、守秘義務など重いテーマを扱っている作品ではあるが、多くのエピソードがあるが故に発散しているような気がする。もう少し、エピソードを絞って、一つ一つのエピソードの重点を置いて描いた方が良かったと思う。 オープニングとエンディングの馬のシーンは素敵だったぞ。 守秘義務に関しては、弁護士のみならず、私のような技術者にも関係しているテーマである。 職務上知り得た秘密(不正行為)を告発することによって確保される公益と、その者に課せられている守秘義務のいずれが尊重されるべきか、という問題である。 本作のマイケルは告発することを選択したわけだが、告発によって所属する弁護士事務所は大打撃を受けるだろうし、マイケル自身の弁護士としてのキャリアは終わりだろう。 もし、私が同様の場面に出くわしたらどのような選択をするのか、その時にならなければわからないだろうし、おそらく正解はないのだろうな。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-17 17:27:29) |
19.《ネタバレ》 青い馬.あれが「ヨハネの黙示録の四騎士」(蒼ざめた馬)のうちの3頭?それで助かったのかと思って(すっきりしないけれど), あー, うーん, そうなのかぁ ... でもあの場面は映画の始めと最後に二回あるわけですが,美しい映像で私自身二度と忘れない場面になると思います.映画自体は皆さんおっしゃるとおり映像が美しいし, 俳優陣の演技もGeorge Cloonyはじめ上手いと思います. 単なる大企業相手のClass Actionものかと思ってたら全然違うんでどんどん引き込まれていきました.久し振りに傑作というか快作と思える映画に偶然出会いました.でも映画も(小説もそうかもしれませんが)「出会い」のタイミングが大事で,今回も別の機会に見ていたらそんなに評価高くなかったかもしれません.誰でもいつでも楽しめる定番ものではないので. 【RTNEE USA】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-10-25 13:07:24) |
18.単なるサスペンスかと思って観たが、リリカルな映像と効果的な音楽で予想を覆す面白さだった。ストーリーはありがちなものだが、撮り方でここまで雰囲気が出せたという好例だと思う。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-23 00:21:41) |
17.いや分かっているんだ。自分の頭の悪さもある。しかし下手な落語聴いているような感じというか、それぞれが立ってこないのでかなり混同誤解して見てしまった。役者は良。 |
16.《ネタバレ》 ジョージ・クルーニーが意味無く映っている時間が長すぎたせいか、アーサーを除いてキャラクター描写が不十分に感じた。シリアスムードを演出するという意味ではそれも悪くは無かったがラストで台無しに。クルーニーはまず格好を付けるのをやめるべきだ。 【Robbie】さん [DVD(吹替)] 5点(2008-09-20 16:33:53) |
15.なんだろう、いまいち必死さが伝わってこない。全体を通して物足りなさが残った。 【ラグ】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-09-19 19:03:24) |
14.これは、玄人好みの しぶ~い 秀作ですね~ 限りなく 10点に近い、9点です!! クルーニー..イイ作品に出てるね~ これからも、作品を選んで出演してください..期待してます... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-09-19 12:53:51) |
13.知的な映画だと思いました。ストーリーの軸がなかなか見えてこないのだけど、じわじわ見えてくる。しかし面白かったかといわれると、もうひとつ。もう少しテンポがほしかったということと、もう少しフォーカスしてくれるとよかった。見終わったとき、なんだか映画が終わった気がしなかったのがひっかかった。 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-15 22:37:49) (良:1票) |
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12.派手好きの映画を好む方には薦められないかと思われます……。ジョージ・クルーニー目当てだけの方も止めておいた方がいいでしょう。 最後の"騙し"は見ていて爽快でしたね。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-07-29 00:07:20) |
11.《ネタバレ》 ストーリーのブツ切りに不親切な演出。またもやソダーバーグ一派か。ぼおっと見ていたせいか、馬のエピソードは、パンフを読むまで気づかなかった。フィクサーというのは、悪徳弁護士の意味もあるらしいが、普通の日本語の感覚からすると違和感がある。かといって原題だといまいちだし、最近こんなのばかりだ。本作で凄いのはやっぱりティルダ・スウィントンだろう。「フツー」のキャリア・ウーマンが殺人にまで手を出してしまうというのも恐ろしいが、それ以上に脇の下に汗じわーっとか、腹の肉ぶよっとか、もう正視に耐えない衝撃映像の数々には戦慄を覚える。何百億ドルもの訴訟を一人で仕切るなど、人間の限界を超えているというものだ。リーマンの鬱病なんてレベルじゃない。さすがアメリカ。殺人シーンも妙に機械的で怖いし、誰もが何気なく極限状態に陥っている様に、観ているこちらの神経までギリギリと締め付けられるようだ。正義を貫き勝利を手にしても、ハッピーエンドにならないのがいい。 【わいえす】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-07 00:59:21) |
10.頭が悪いせいか途中まで話について行けず訳分からんかった。だんだん役柄やストーリーなどが分かってきたところで終わっちゃったって感じ。あまり楽しめなかったですわ。 【かすお】さん [映画館(字幕)] 4点(2008-07-06 00:30:37) (良:1票) |
9.主役をを中心にした人間関係が丁寧に描かれていて見せる部分も多い。子役もうまかったし、正気を失ったかのような友人もバゲットいっぱい持って歩いてるシーンなんかよかった。始終おどおどした様子の女性管理職は嫌だった。全体に話の印象が薄いし、痛快さに欠けて後味はいまいち。 【のまっと】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-05-19 22:16:55) |
8.なかなか見応えがありました。ジョージ・クルーニーの演技が良かったですね。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-05-10 10:27:54) |
7.《ネタバレ》 個人的に好みに合わないことが多いジョージ・クルーニーなので、あまり期待せずに見たが、そこそこの出来。凄腕の黒幕が次々に活躍する話かと思ったが、まったく違った。原題は、あくまで「マイケル・クライトン」であって、「フィクサー」が全面に押し出された話ではない。ストーリーとしては、マイケルが車を離れて難を逃れたところに何の脈絡もなかったり、いくら時計を放り込んだって肝心の“体”がないのに“死亡”が確認されるとは思えないとか、オチもいかにもありがちなパターンで意外性がまるでないといった具合で、アカデミー賞候補にしては、このように雑な部分が散見されたのは残念。ついでにいえば、最後は、ちゃんと令状を取って囮捜査しているはずなので(でなきゃ証拠能力がない)、重要な会話を携帯を通じて聞かせるというのはリアリティに欠ける(マイクくらいは付けるはず)。また、守秘義務を守れなかったマイケルや法律事務所の将来は真っ暗だろう。さらに、カレンの演技は「うまく演技している」感じが見て取れてしまい、印象はよくなかった。 【mohno】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-05-08 01:31:27) |
6.《ネタバレ》 この邦題で主演がジョージ・クルーニーであれば、弁護士でも手に負えない難事件を次々に解決する「フィクサー」が、それでもたじろぐほどの大事件が起こり、それでも数々の人たちの思惑を抑え込んで事態を乗り切る・・・みたいな内容を期待するところですが、全然そんなことはない、というかむしろ対極でした。冒頭の事件処理からして何となくぱっとしないのですが、おまけに私生活では借金まみれだし、起こってくる状況に対しても何か無力で受身的だし、そのくせラストはえらく都合良くて、そもそも何のためにこの主人公の設定にしたのかよく分かりませんでした。普通の展開にしていたら素直に面白くなったと思うのに、奇をてらって価値半減になった感じ。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-04-21 02:38:29) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 二回も同じシーンを放送しておいて、マイケル・クライトンが命拾いしたのが偶然って・・・。そこは何らかの伏線が欲しいよ。「王国と克服」という本の挿絵で、ちらっと広原に佇む馬があったから、つい深読みしちゃった自分が口惜しい。ジョージ・クルーニーがかっこよかったから、ま、いいけど、仕事の疲れをとるための週末に観に行く映画としては、あまりおすすめできませんな。 【豆治】さん [映画館(字幕)] 4点(2008-04-20 00:14:08) |
4.主人公を悩ますいろいろな出来事がありますが、そのどれをとっても、主題に関係する事柄がないように思えました。あくまで主人公が苦労してるよと言いたかっただけのように感じます。そんな余計なことをせずに、メインの事件だけを追ってくれていれば、面白いミステリーになったと思います。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 4点(2008-04-14 22:12:44) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 最初は物語を把握するのに集中力を要する。登場人物の台詞でどんな状況で、どんな仕事をしていて、どんな間柄かを判断しなければいけないのだ。まぁしばらくすればわかってくるが・・・。しかし、ジワジワと面白みが出てくる。ジョージクルーニーが借金苦になっても平然としている点が少し気になった。どう見てもイケイケのエリート弁護士にしかみえない。久しぶり良い社会派サスペンスものを観たかなといった感じだ。 【キャメル】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-04-14 15:55:40) |