1.試写会にて鑑賞。
公開前なので今回はネタバレ無しで。
観た感想をひとことで言えば「キングダムを実写化したらまぁこんなもんだろうなぁ…」
それ以上でもなくそれ以下でもない極めて無難な出来です。
ストーリーは、原作を知っている人であれば「2時間の映画でまとめるならここまでだろう」と誰しもが思うまさにそこまでが描かれていますが、しかし2時間の尺ではどうしても駆け足気味の展開になるのを避けられません。
(ちなみにテレビアニメの方では同じ内容が15話つまり約300分でしたからそれを半分以下の時間でまとめてるわけです。そりゃ駆け足にもなります)
結局あらすじを追うだけの部分が多くなり、キャラの掘り下げも不足気味です。
たとえば河了貂はぶっちゃけいてもいなくてもいい程度の扱いですし(橋本環奈の貂はかなりよかっただけに残念です)、楊端和は太モモを晒しながらドヤ顔決めてるだけです(だがそれがいい。とてもいい。)
これがやや脇のキャラとなるともはや存在すらよくわからず、たとえば壁あたりになると(劇中で何度も名前が出るにも関わらず)おそらく原作を知らない人は彼がどういう役割の人なのか映画を観てもほとんどわからないでしょう。
このあたり映画の尺的な限界を感じました。
ちなみに個人的に一番よかったのはムタでしょうか。なかなかのムタ感がありました(というかアダモステ感もあって世代的に妙にテンションあがったわけですが)
さて映画としては手堅くまとまっていたとは思いますが、だがしかし、これはあの「あの」キングダムの映画化なのです。
マンガ→アニメ→実写映画ときている「キングダム」ですが、メディアが変わる都度に作品としての色がどんどん薄れてしまい、この実写映画に至ってはもはやありがちなごく普通の「大作歴史ファンタジー映画」と化しています。
原作を知らない人が観ても安心して鑑賞できるような無難な出来だとは思いますが、キングダムのストーリーとキャラクターの表面を上手になぞっただけの映画だとしか個人的に思えないのです。
ケレン味にあふれてこそのキングダムでしょ?と。
もっと言えば別にこれならキングダムじゃなくてもよくね?と思えてしまう、重要なキングダム的な何かが決定的に足りてない…僕にはどうにもそう思えてしまってしょうがない、そんな映画でした。