159.《ネタバレ》 某海外の映画監督がリメイクするかもしれない、と噂を聞いて観賞してみました。子供は殺されるのか、ちゃんと身代金払うのか、犯人は捕まるのか、緊迫感と不安に襲われ、気分はイライラ心臓はバクバク。観ながらこれは映画の中の人物が感じている気持ちなんじゃないか、と思いました。ふと考えたのですが「天国と地獄」は犯人の心情のことかも?要求している時は支配感に満たされ、天国気分だったのではないか?犯人の目的は権藤氏の精神を「堕とす」ことにあったのではないか?人を恨み、社会を恨み、自分と同じように彼の魂が堕ちるのを望んでいた。彼は身代金を払い、無情に会社を追い出される。それでも、誰も恨まず、相変わらず靴を作っている。それを知った時の犯人は地獄を味わっていたのではないか?命をかけてまで自分のやったことは、意味をなさなかったと思い知るから。なんて哀れな男なのだろう。最初から最後まで、緊張と不安で不愉快感があった。現代と比べるとテンポは遅い。今の映画って観客を飽きさせないように、なんて配慮があるけどこれは違う。媚びがない(昔は映画って「芸術的」だったけど、今は「アトラクション的」なところがあるかもしれない)やっぱ職人体質監督の映画だな~と強く思いました。リメイク出来るのかな? 【果月】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-09-02 10:23:14) |
158.現金受け渡しのシーンのために、撮影のじゃまになる民家の2階をとっぱらってしまう監督のこだわりは相当なものだ。そのこだわりがスリリングな名場面を生んだ。後に「踊る大捜査線 THE MOVIE」で、煙突からあがる煙を見て青島くんが言うセリフを、どれくらいの人が理解したのだろう。 【きーとん】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2010-07-21 22:48:52) |
157.まったく飽きさせない映画の腕力がすさまじい。特に前半。めまぐるしくストーリーが進んでいくのに一切めんどくさくならない。終始ドキドキハラハラ。これはこの時代にしか撮れない大傑作だと思う。 【コダマ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-05 20:11:27) |
《改行表示》156.《ネタバレ》 香川京子のムダ肉のない二の腕に釘付け。 アラン・ドロンも認めた三船敏郎のダンディズムに陶酔。 さて、前半の室内における心理劇は面白かったが、どうにかして三船敏郎に身代金を肩代わりさせようとするシナリオに、わざとらしさを感じた。 出発しようとして、なかなか出発しない三橋達也にも苛立ちを感じ、「うだうだ言ってないで早く出発しろや!コラ!!」と言いたくなった。 後半の犯人を追い詰めるくだりは、はっきり言ってそれほどの凄さは感じられない。 ただ、横浜の黄金町やドヤ街を舞台にした犯人と刑事との追走劇は、喧騒と不気味さの相まった街の雰囲気が存分に演出されており、緊迫感を盛り立てるような臨場感があった。 ラストシーンに関しては、山崎努の絶叫よりも、むしろ三船敏郎の落ち着きぶりの方が印象に残った。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-04-17 11:33:59) (良:1票) |
155.権藤の葛藤、伝説の身代金受け渡し、警察の地道な努力と巧妙な戦略、最後の面会シーン。どれをとっても非常に見ごたえがあって満足できた。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-13 11:03:17) |
154.巨匠といわれているが黒澤監督は失敗作も多く、面白いのは脚本が良いものばかり。本作も、やっぱり映画は脚本が命と思える映画。 【ダルコダヒルコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-09-20 23:56:37) |
153. ケータイとネットが普及していれば1時間で解決する事件。今では考えられないほど練りに練った細かい構成と描写は芸術的だが、やっぱり2時間を超える映画は、よほどの場合を除いて私には合わないと実感。観終わって大切な娯楽の時間を無駄に潰した気分で一杯…。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-07-30 15:06:25) (良:1票) |
《改行表示》152.《ネタバレ》 さすが巨匠、見ごたえのある作品で一気に最後まで持っていかれた。 主人公三船のどっしりとした雰囲気、警察のリアリティ、犯人の迫力。どれを取っても一級品。 ほとんど口を開かなかった犯人が、最後に思いのたけを話す演出がまた良かった。 (2019.3追記) 10年ぶりに見たが、ほとんど内容を覚えておらず、とても楽しめた。 長尺だが、最後のほうで犯人がさんざん歩きまわってグダるのが気になるぐらいで、飽きずに見られる。 8点に近い名作! 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-31 15:59:34) |
《改行表示》151.前半部ではほぼ部屋の中だけの展開にもかかわらず、人間描写の巧みさ、キャストの力強い演技でぐいぐい引き込まれる。台詞が圧倒的に多いのに、全く複雑さや飽きを感じさせない演出は本当に見事。 現代のサスペンス映画に比べても全く劣らない、先が読めない緊迫した展開で、画面に釘付けになった。 山崎努の鬼気迫る演技、 三船はもちろん、警部役の仲代達矢の存在感も凄い。 映画の雰囲気、スケールともに、何だか日本映画というより海外の映画を観ているような気分にさせられた。国内外ともにこの映画が与えた影響ははかりしれないでしょう。 黒澤映画の中でも特に見応えがある部類だと思います。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-21 07:00:31) |
150.私ごときが黒澤監督をどうこう言うのは大変おこがましいことですが、とにかく凄いと思った。何が凄いかって、やっぱり何をやるにも先駆者であるという事。貸切列車で一発勝負撮影のリアリズム、緊張感。事件の説明をこれまたリアルな捜査会議という形で見せる手法。どれも現代サスペンスドラマでは当たり前となっている事もこの時代に黒澤監督がやっていたから凄い。それでいて根底にあるのは、最も単純で最もスタンダードな「勧善懲悪」の世界なのである。しかしやっぱり新しいのはここに出てくる「悪」が今までに無いタイプの悪で、常識では考えられない形で身代金誘拐をやろうとする。これは原作のアイデアなのだが、その原案には無い犯人の人物像や、人間味溢れる警察の捜査など、膨らませていて、原作よりも断然面白くなっている。若き日の山崎努演じる犯人のラストシーンは本当に鬼気迫るものがあり、勧善懲悪から一瞬だけ悪に感情移入させられる瞬間が用意されているという終わり方も凄い。 【ちゃか】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2009-03-31 18:23:15) |
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149.《ネタバレ》 三船敏郎初めとした俳優陣が豪華でした。前半の被害者、後半の犯罪者と二部構成で人が追い込まれていくがまったく長さを感じない。最後の犯人の様が壮絶でした。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-16 01:09:13) |
148.《ネタバレ》 冒頭の勘違い誘拐から物語にぐいぐい引き込まれました。緊迫したシーンが続いた前半と比べると、後半は主役の三船敏郎の出番は激減しテンポもダウンしますが、そのぶん「天国」に対する犯人の歪んだ感情がずっしりと重くのしかかります。今見ても、黄金町のシーンは衝撃的です。高度経済成長に取り残された人々の怨念が若い医師を狂わせたのかなと勝手に解釈しています。一級の娯楽作でありながら、日本が「豊かさ」を知り始めた時代の「天国と地獄」を見事に切り取った傑作だと思います。 【ころりさん】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-02-13 23:49:10) (良:1票) |
147.見応えのある作品に出会えることほど嬉しいことはない。久しぶりに映画らしい映画を見ることができてとても満ち足りた気分だ。地球にうまれてよかったーーー!!! 【さそりタイガー】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-02-05 17:39:43) |
146.《ネタバレ》 なにげなくチャンネルを替えるとBSでやってました。もう何回目だろうかと思いつつ、やっぱり引き込まれて最後まで観てしまいました。わざとらしい演技と説明セリフ、犯人医学生で将来安泰だし医学部に入れたぐらいだから抜群に頭が良いか金持ちのはずなのに何を怒ってるのか?とかいろいろ文句を言いながらも抜群のおもしろさ。これが黒澤明の力なのか。調べたら、三船42歳、仲代30歳、山崎26歳、と以外に若いのに今の役者にはない異常なまでの存在感がありますね。 【SAS30】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2009-02-03 11:54:14) (良:1票) |
145.《ネタバレ》 ラストのガシャーンッてのと、貧民窟の描写がよかった。 【翼ネコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-29 20:38:45) |
144. この映画はモノクロがかえっていい影響をもたらしていると思います。 【ファンオブ吹石】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-12-28 16:43:53) |
143.この143分てのは『生きる』と同じ長さなんだ。どちらも同じ二段構えで。何かを描くのにちょうどいい長さというものが、作家には固有にあるらしい。でもこれは私には『赤ひげ』とセットになっていて、ヒューマニズムの人としての総まとめが『赤ひげ』なら、サスペンス作家としての総まとめが本作だと思っている。そしてあちらに善の医者、こちらに悪の医者、と対になっている。黒澤は多くの作品で医者を描いていて、生命に密着した職業ということを越え、魂の治癒者といった役割りを持たされている。その医者がこの映画では、魂を沈下させていく。高台の権藤邸に憎しみの目を向けつつ、黄金町の魔窟にまで沈んでいく。こういう世の裏側の感じは、『野良犬』の楽屋裏なんかにも通じて黒澤が好んだ形而上学的な世界構造だ。この世界には一つ奥の暗い場所が隠されている、って。医者はそこを往還する職業なんだ。善い医者は下から上へ、悪い医者は上から下へと、魂を運んでいく。そういった世界観が黒澤にはあるのだと思う。この映画のサスペンスのうまさを今さらいちいち挙げてもしょうがない。好きな女優さんをひとりだけ挙げさせて。これを見るたびに印象に残るのは、山崎努と踊りながらヤクを受け渡しする女のそれらしさ。今村昌平作品なら主人公になれるような顔で、生き物の臭いはプンプンさせていながら生活臭のない女。ストイックな黒澤さんはきっとこういうタイプが嫌いなんだろうけど、それだけに見事に存在感を示していて、私はあのシーンになると異様にドキドキしてしまうのだ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-12-24 12:23:52) |
142.《ネタバレ》 たとえば捜査会議のシーン。もちろん今では珍しくも何ともないが、一旦情報を箇条書きのごとく整理し観ている者の頭に叩きこむ。 この映画は紛れもなく教科書なのだと何度見ても思う。 |
141.《ネタバレ》 巨匠の映画。横綱相撲ですね。 【なたね】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 8点(2008-10-19 12:39:53) |
《改行表示》140.《ネタバレ》 むか~し中学生か高校生の頃に一度観てます、その時は年齢のせいもあるけどあんまり真剣には観てなかった。で、ん十年ぶりに再見しました。 これは無茶苦茶面白い、素晴らしい映画です。 個人的な恨みがあるわけではなく、自分より恵まれていると思われる人間に対する憎悪、でも恵まれていると思うものは表面的なものでしかない。この浅はかさね。 その他、善悪問わず人間の色んな思惑がちりばめられていて興味深いです。 かばんに細工をするシーンは秀逸、劇中の刑事たちだけではなく、観客もあのシーンで権藤さんの人となりを見せられ彼への印象が変わる重要なシーンだと思う。 そしてピンクの煙なんて、当時は衝撃的なシーンだったんだろうなぁ。 印象的なシーンは数限りなくあるけど、焼却所のシーンと花屋ですね、きっちりユーモアもはずしてないの。「誰か花買いに行け!」「あいにく花を買うようなツラはいません!」これは笑いました。張り込みする刑事さんはツイストも踊れないといけない、大変な仕事です。 事件は犯人の極刑確定で解決したわけだけど、だからといって誰も喜んでいないし、それで救われた人がいるわけでもない。犯罪、暴力ってこういうものですね、ラストでそれがいやというほどわかりました。わめき散らす犯人に対してこれといった感情も見せず淡々とした権藤、いかに一方的であったかもわかる。 罵ることも恨みごとも言わない権藤さん、単にそんなことをしてる場合じゃないんですね、犯人に対しても興味ないの。貧富の差は「きっかけ」にすぎず、基は人格、心、精神性の差です。 【envy】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2008-10-19 00:03:01) (良:2票) |