148.《ネタバレ》 たまたま舞台挨拶の回のチケットが取れたので行ってきましたが(市川実日子嬢@少し酔っ払いがステキだったぁ)、ホントは「ポセイドン」見るつもりで、これはそんなには食指が動いてませんでした。最近の邦画にありがちな、チャラチャラやかましいスタイルばかりの映画かな?って。で。「松子」は正真正銘、映画でした。お金の価値が人の価値、いっぱい稼いだから素晴らしい人生、そんな価値観を松子は根底からひっくり返してみせます。松子の転落人生が不幸だ、無価値だと捉える事は容易いでしょう。しかし、映画のマジックを駆使して描かれる松子の人生は、実はそれなりに幸せに見えて、それなりに魅力的だったりします。何をもって幸福と考えるのか、何に価値を見出すのか。それを他者が決め付けるのは大きなお世話だったりする、そんな事をこの映画は考えさせてくれました。【ここよりしばし追記・激しくネタバレ】で、この映画、創作・映画のルール上3箇所大きなミスを犯しているように見えます。1つは死人のモノローグ。1つは二人のモノローグによる人称の混乱。1つは回想シーン内での回想。しかし、これらが全てミスではなくて正当なものだった事が明らかになるのが「内海くんへの長大なファンレター」。人々の記憶や思いとは関係なく、松子部分はファンレターとして1つの作品だったワケです(だからファンレターを出して以降の松子は語りません)。多分、この監督は映画ってモノを判ってて挑発してます。非常に挑戦的態度な映画です。映画は送り手と観客の戦いなのですなぁ。【ココマデ】毒々しい色彩からテクニカラー調、モノトーン、8mmまでを駆使して、様々なジャンルを内包してみせるのも映画ならば、一人の人生にじっくり向き合わせてくれたのもまた映画なのでした。ただ、点と点を結ぶ線の上から更にキュッキュとマジックで太く塗って強調するような説明過剰、サービス過剰な部分が、映画の流れを悪くしてしまっていたので、そこが減点対象。何はともあれ、意外にも『映画を見た』という充実感は、この数年の中でもいちばんと言える作品でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-27 18:29:07) (良:1票) |
147.とにかくクリエイティブ。 今まで見たこともなかったハイセンスな映像と音楽がシャワーのように 途切れることなく降り注いできます。 そこらのハリウッド映画なんて目じゃありません。 それも、ただ勢いがあるだけではなく、心に訴えることも忘れない。 何度も鳥肌が立ち、泣きそうになってしまいました。 時間軸がテクニカルすぎて映画のリズムを崩してしまったのと、 「不幸な人生なのに、彼女にとってはすっごくハッピー!」 という宣伝のわりには松子がハッピーに見えなかったのが 難点ですが、そんなことはどうでもよいと思わせるほどの 圧倒的なパワーがこの映画にはあります。 中島哲也監督にはこれからも日本映画界を引っ張っていって欲しいですね。 【Ruby】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-27 16:49:45) (良:1票) |
146.《ネタバレ》 原作小説は未読です。50代で公園で野垂れ死んだ女性の波乱万丈人生を、遊び心に富んだ脚色と映像で綴っていく悲喜劇です。光GENJIの内海さんなど、ツボに嵌るところと、遊びが過ぎて悪ノリの域に入り、見ていて引いてしまうところと、色々と、ごちゃ混ぜですが、テンポが良くて飽きることはありません。例えば、幼少時の松子が、変な顔をして父親を笑わせようとするのは、まあ、微笑ましいエピソードで済ませることができますが、大人になった松子が、窮地に立たされると癖で変顔してしまうというバカ設定は、痛くて笑えないので、できれば無い方が、こちらとしては助かります。キャラクターがマンガティックにデフォルメされていて、ちょっとあざとさが見えてしまうつくりなので、受け手側も構えてしまい、どうしても繰り出される笑いに、アタリ、ハズレが出てしまいますね。ベタベタの直球は、やはり笑うのがなかなか難しく、変化球で、なんとかカウントを稼ぐという感じですかね。例えば、谷原章介の演じる男性教師キャラの歯が光るのは笑えないけど、ジャージのズボンを引き上げてゴムをパンパンさせるのは結構笑えるとか、細かいことなんですけどね。映像は、やりたい放題に、原色鮮やかに不自然な絵づくりをしていますが、毒々しいところがありつつも、色彩のバランス感覚は優れていて、一風変わった独特な作品世界を築いています。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-08-05 17:16:53) |
145.《ネタバレ》 たぶん、20代~30代に観たなら「あ~~面白かった~~」になったと思う。 そこそこ楽しめたけど、単純にエンターテイメントを面白く観られたとは感じないのは 自分がそれだけ年取ったんだなあと感じる。 まずラスト近くでそれまで観ていたものが、光GENJIのメンバーへのファンレターだったというのが わかった時、なんかもうほんとにチカラ抜けた。最後まで救いのない展開、最後はジャニオタかよって感じ。 思い込みの激しい病的な依存型の人間であり、ここまでの自尊心の無さってどういうもの? 人に喜んでもらえるからと体に染みついた手段があの変顔、痛々しい限りです。 不倫相手の家を訪ねて奥さんを確かめて「勝てる!」とかあり得んだろ。 松子はストーカーになりやすい人です。 殺人を犯して死ぬつもりで逃げておきながらちょっと優しくされた男と あっという間に寝る女、誰もいなくなったらゴミ屋敷で食べまくり飲みまくりでブクブク太る。 そうなったのが幼少期の父との関係に原因の一端があるのはわかるけど、松子はうまくいかなくなると 「なんで?なんで?」のみでそこから先に進まない。客観視とは無縁で自己のない人。 殺人をしてしまう時点で人としてアウトです。 こういう女の一生を悲惨にならずポップな昭和レトロな映像でコミカルに仕上げた手腕は大変良いと思います。 が、良質のコメディになったとは思わないの。表現の仕方がちょっと平坦すぎるかな。 あのファンレターどっかの出版社にでも送った方がよかったなと観終わった後に最初に思ったのでした。 中谷美紀の美貌と演技にプラス。 【envy】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-12-09 14:51:36) |
144.《ネタバレ》 なかなか良かった。何と言っても強烈に残る、映画でした。この松子さんの波乱万丈の一生を見て、自分の一生(半生)が、なんてちっぽけで(スケールが小さくて)真っ当なんだろうと思えるようになりました。 この松子さん、嫌いじゃないです。 こいいう人も世の中に、いるのだろうと思います。なんか運がない ついていない、どうしても上手くいかない、なんだかダメな人。でも決して悪い人じゃない、もともと ピュアな人なのです。憎めない それでも”嫌われ松子の一生”なのです。 この映画、脳のどこかがゆり動かされて、その奥に小さく刻まれる、そんな映画です。 松子さんの生涯、私は忘れることはないでしょう。 【杜子春】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-21 12:49:58) |
143.《ネタバレ》 『嫌われる勇気』という本が流行っている。松子は勇気をもって嫌われたわけではなく、結果的に嫌われた。それは何故か?幸不幸には主観と客観があって、客観的には不幸な話を当事者の松子はあまり不幸だと思っていない。逆に前向きに明るく生きていく(単に他人に依存しないと生きていけないだけなのかもしれないが)。その様をミュージカル風に楽しく描き、主観と客観のGAPを観客に問いたいのだろう。そもそも、本人が満足しているのに他人が不幸だ・哀れだなどというのは大きなお世話でしかない。 ただし、前向きな人生には学習能力が欠如しがちであり、結果失敗を繰り返す。本人が失敗と思っていなければそれでもよいのだが、松子は50前半で人生を終える事になる(普通は金属バット持って暴れてる中学生に注意などしない。まず警察を呼ぶ)。松子は自分の人生に満足したのか?悔いなく生きたのか?人を信じれば裏切られる。裏切らないのは神だけだ(教え子ヤクザは神を信じて生きながらえている)。それでも人を信じるのか?人を信じる事・信じない事の幸不幸。どちらを取るのか?羹に懲りて膾を吹いたり、石橋を叩いて壊すのもどうかとは思うが、ポジティブシンキングによる失敗・不幸にも注意したい。と示唆に富む作品ではあるのだが、テイスト的には好きになれないかな。 |
142.最初の方では「なんじゃこの映画、見ちゃおれん」と思ったけど、あまりの展開にぐいぐい引き込まれた何とも味の濃い映画だった。一見コメディ風、ファンタジー風、エロティック風、そしてサスペンスにも見え、ヤクザ映画にも見えた。不運というか不幸というか、それでも暗いところがない不思議な映画でもあった。そしてまた中谷美紀の演技力、監督からは怒られっぱなしだったそうだがここまでの映画を作る側も相当な者。好き嫌いは別に凄い映画だったと手放しに賞賛。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-02-21 22:46:21) |
141.《ネタバレ》 ○「下妻物語」も観ていたが、やはり中島監督作品は不思議な活力があり最後まで一気に見せる。○かわるがわる登場するキャストの数々もすごいが、それぞれにしっかりとインパクトある出番があるのもすごい。 【TOSHI】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-01-04 15:55:21) |
140.救いようのない話なのに暗くならずに最後まで観てしまいますね。「なんでっ?」 【東京ロッキー】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-09-09 19:33:25) |
139.この映像を好きになるか嫌いになるかははっきり分かれそうだけど 好きになれば心地いい映画 |
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138.《ネタバレ》 演出は力技一本だし、キャラクターの人格造型とかはほとんど考えられていないし、色彩は毒々しいだけだし、説明的なナレーションは鬱陶しいのに、なぜか最後まで見せきるパワーには満ちているという不思議な作品。時系列を微妙に操作している小技のスパイスが効いている。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-05-10 03:07:01) |
137.ミュージカル調は苦手だが、この作品は結構よかった。松子に共感できるところはあるが、男のセンスにはついていけない。松子が死んでからすぐおわったらよかったんだけど、回想シーンは長くて退屈した。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-05 08:37:05) |
136.これぞエンターテイメント。「下妻物語」に続くぶっ飛び映像。思わず口ずさむ♪曲げて~伸ばして~。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-02-05 10:18:27) |
135.《ネタバレ》 画面からの情報量の多さはCM出身の監督さんだからかーと妙に納得。清純派(死語かw)女優の中谷美紀の起用もスゴイが、そんなイメージと全く真逆な使い方にビックリ。撮影現場はオオモメだったそうで、そんな制作現場の混乱ぶりが見えるかのようなある意味「監督暴走」映画ですね。かなり好みの分かれる映画で個人的にはせせこましさがちっと苦手。でも、もともとの物語のパワーがすごいのと中谷美紀の女優魂でそこら辺がプラスに働いた感じかな? でもラストの中学生に撲殺は無しだな~、あとは松子の歳とった顔(のメイクと声)にもちと不満。もったいぶって見せなかった割りにそのまんまやん!と思ったのはワタシダケ? 。中谷さん著のメイキング本があるようなので読んでみようかなと思ってオリマス 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-19 10:33:04) |
134.中谷の演技は凄みがあるし、インパクトは強い。でも後を引く感じではない。 【noji】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-14 09:43:46) |
133.なんか制作者のパワーをもの凄く強く感じる作品だった。救われない話だけど、間違いなく名作。 【Fukky】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-06-30 02:08:12) |
132.《ネタバレ》 原作も、小説の神様が降臨してしまったかのような傑作だったけど、この映画もそれにまったく見劣りすることない傑作だった。そもそも山田宗樹の原作って、「夫も子供たちも送り出して掃除も洗濯も済ませた昼下がり、安心安全な私の家のリビングで美味しいお紅茶でも飲みながら、ロクでもない男に騙されてひたすら堕ちていく女の人生を追体験してみたいわぁ」という、多くの日本の主婦たちの願望を叶えるために書き始めたのだろうお話。けど、狙ったのか筆がどんどん滑ってしまったのか、あまりにもその堕ち方が凄まじくて、そんな主婦たちの健全な願望を返り討ちにした挙句、多くの人の心をとらえて離さない傑作に仕上がっていた。中島哲也監督はそんな原作の持ち味をものの見事に捉えて、ファンキーでトリッキーで猥雑でしかもとてつもなくエネルギッシュな映像で原作に負けず劣らず凄い作品に仕上げてしまった。素晴らしい。こんな狂った世界で、ちっぽけで愚かかもしれないけれど、松子は必死に足掻きながら幸せになろうとした。そんな彼女の強さも弱さもすべてひっくるめた圧倒的な情熱が深く胸を打つ。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-05-17 02:14:11) |
131.ドラマも面白かったけど、こっちの方が面白いかな。切ない。 【afoijw】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-01-04 02:51:06) |
130.《ネタバレ》 妻投稿■嫌われ松子の一生、不幸な女の一生。これをどう楽しく肯定するかが作品の味噌なんだろうけど…。よーく見たら、この松子という人、不幸な女という以前に他人を不幸にしまくっている(挙句に殺しちゃったりしている)。それも「自分が愛されたい」が為にだ。これって単なる「依存」だよね。私は依存自体は悪いことではないと思うけど、愛というものは「依存」だけでは続かないわけでありまして(-_-;)。■私の中にも当然松子的なあるわけで、多分女なら誰だってもっていて、それとうまく付き合い制御し、悩むのが人生だというのはわかるんだけど、そのダメな部分を肯定すること=人生を肯定することっていうのはちと監督違うんじゃないかと私は思う。■この映画、松子を主人公にしていると思うけど、こういう誰でも持っている、どう制御するか悩む部分をグロテスク(だと私は思う)な色彩で面白おかしく描くのなら、別に私も松子(デラックスの方)も麻原彰晃も、とにかく誰でも主人公に出来るわけで、でもそれって世間から前衛的と評価される事なのかという疑問は生じます。「ダメなところを肯定する」だけで一人の人間を描く最近の傾向には、その人をモルモットみたいに見ているような、冷たい感じがして嫌です。 【はち-ご=】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-09-17 01:20:44) |
129.ある歌の一節が頭の中で鳴り出して止まらずに困ってしまうことがあります。 劇中で繰り返される「曲げてーー伸ばしてーー」の歌が頭にこびりついてはたまらんと思い,必死に違うことを考えて耐えておりました。 本当に申し訳ないのですが,私,主演の中谷さんとは以前から折り合いが悪く,楽しめないまま映画が終わってしまいました。 【まきげん】さん [映画館(邦画)] 4点(2011-08-19 13:51:30) |