101.《ネタバレ》 結構みなさんの評価は厳しいのですね。この作品は見る人の年代や立場によって
評価はかなり分かれてしまうのだと思います。私の友人は「結局、フランチェスカ
は家族をずっと欺いていたんじゃない」と批判的でした。私ももっと若い頃に
観ていれば同じような感想をもったかもしれません。しかし、私は二人の恋愛を
世間的な「不倫」と切って棄てる気にはなれません。一人の連れ合いを一生同じように
愛し続けるのは困難ですし、色々な人にそれなりの感情を抱くのは自然なことで
あると思います。家族を守りながら、一方で男への想いを持ち続けた切ない
彼女の生き方を責める気にはなりませんでした。
ストーリー自体はそれほど新鮮なものでもないと思うのですが、映画自体はそれな
りのレベルに仕上がっているのは、やはり主役二人の演技に負うものでしょうか。
ところで、夢を抱いてアメリカへやって来たが、いつしか田舎で家族との平凡な
日々に埋没してしまっていたフランチェスカの心が、夫とは全く違うタイプの男性
に呼び覚まされる、という設定には無理がないのですが、世界中を歩き、色々な人
との経験を積んで来たロバートが、彼女にあそこまで引かれた理由が今一つ理解
できませんでした。