229.《ネタバレ》 妻に先立たれ、孤独を紛らわすために酒に溺れ、それが原因で家族から疎んじられると、ますます自分の殻へと引きこもり、そしてさらに酒に溺れてしまうという人生の終盤で悪循環に陥ってしまったイーストウッド演じる偏屈で頑固者の嫌な爺さん。そんな彼の自宅の隣に、アジア系の家族が引っ越してきたことから始まるヒューマンストーリー。ともすれば説教臭くなったり、建前だけの薄っぺらい映画になりがちな題材なのに、そこはさすがイーストウッド。どんなにゴミのような人間にだって、いつかは輝くような日が訪れるかもしれない。老い先短い命と引き換えに、偏屈な爺さんはささやかな決断を下し、そして最後は素晴らしいものを少年に遺すことが出来た。それがグラン・トリノだけではないことは、もちろん少年が一番よく分かっている。淡々としながら深く、静かでありながら熱い、慈愛に満ちた良作。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-30 18:06:56) |
228.《ネタバレ》 有色人種に対し、差別的だったウォルトが、タオの為に死ぬ。差別、偏見って、その対象をあまり知らないところから始まるんだろうなぁ。差別が横行してるから、モン族のチンピラも徒党を組み武装しなきゃならないんだろな。ただ、同じ民族の、しかも身内をレイプってあまりにひどいね。この作品は、肌の色だとか民族だとかじゃなく、クズはクズ。いい奴はいい奴。とことを感じさせてくれた。やっぱり先入観にとらわれたらいかんよね。 【kontiki】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-27 19:35:44) |
227.イースト・ウッドの終着点にして集大成、齢78にして作り上げた最高傑作。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-05-21 03:21:17) |
226.《ネタバレ》 イーストウッドって監督としても才能があったんだと再認識する作品。 偏屈じじいと純朴な若者の友情という点では、『セント・オブ・ウーマン』のアル・パチーノを想起させる。 モン族との異文化を感じながらの交流が、微笑ましくてよかった。 少年の姉がレイプされてボロボロになって帰宅した姿は生々しく、犯人グループへの怒りが沸く。 その復讐手段として、単純に襲撃するのではなく、丸腰で殺されに行ったというのが捻りが効いていた。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 9点(2013-05-21 00:13:44) |
225.イーストウッドが実にいきいきと頑固で孤独で強き老人を演じており、いきいきとという表現が妥当かわかりませんが、とにかくこちらが楽しくなってしまいます。孤独な老人が人との絆を取り戻すというベタな設定も、イーストウッドにかかれば違った楽しみが加わります。果たして銃の引き金を引くのか引かんのか?もしくは引くまでもないのか。イーストウッドにあって引くまでもないなんてことがあり得るのか?しかし今回ばかりは、イーストウッドがこれまでバッタバッタと倒してきた敵とは趣が異なり「救われない」子どもが相手なわけで。かといってイーストウッドをして握られた銃が最後まで火を吹かない映画を作るとも思えない。そんなスリルを孕んだまま進む映画の結末は、やはり一貫してイーストウッドはイーストウッドだったと、意外性をも包括した説得力を持っていたと思います。 |
224.《ネタバレ》 う~ん軽い衝撃。CGは皆無で、ピンボケしたような画面、金の掛かっていないロケ地とセット(グラントリノだけピカピカですが)、頑固オヤジで家族から疎まれている主人公…。序盤こそたるいな~…でしたが、ウォルトがタオに絡んだ札付きを追い払い、スー始め一家から感謝され始めてからは徐々に引き込まれました。それにしてもヒューマンドラマは魅せますね!地下室から小汚いフリーザーを引き上げるだけなのに、タオとウォルト2人の心情の変化が実に心地良く響きました。ウォルトは、朝鮮戦争での自ら犯した罪にずっと囚われ、死に場所を探すだけの人生だった?いや、頑固オヤジとは程遠いくらいタオ始め一家に様々なことを伝えてたのが実に印象的でした。気がついていたか?ヤムヤムはずっとお前のことを見ていたんだぜ。気持ちのこもった作品でした。 【黒兵衛】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-12 23:40:29) (良:1票) |
223.《ネタバレ》 あー泣いてしまった。泣くと言うより涙がつつっと。一人じゃなにもできないくせに集団でつるむと途端にでかい面をするような屑共のために命を落とさなくてもいいじゃないかと思うと余計に。これが映画で良かった。現実だったならやりきれない。 【悲喜こもごも】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2013-01-23 23:59:50) |
222.クリント・イーストウッドの映画には、主人公含めいつも面倒臭!って感じの人が多いですね。でも、現実の世界ってそんなもんで、クリント・イーストウッドは本当のリアルを表現できる数少ない監督だと思います。この映画の主人公も、全部がかっこいい完璧なヒーローじゃないからこそ、感動できるのではないでしょうか。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-21 06:52:53) |
221.《ネタバレ》 物語が起こる範囲はとても狭い。ほとんどは隣り合う2軒の家のどちらかで、あとは教会とか近所の路上がちらほらあるくらい。それにも関わらず2時間近くをじっくりと見せ切ってしまう描写の奥深さに感服。ところで、ここで敵役として出てくる不良団は、まったくの中途半端なチンピラ崩れであり、過去のイーストウッドのヒーロー映画なら開始後10分で消される程度の存在である。しかし、本作の主人公はそれにすらあっさり返り討ちにあってしまい、最後には一世一代の決心をせざるをえないことになる。自らの俳優上の役柄をすら相対化し、それに決着をつけようとするイーストウッドの壮絶な視点を感じる。のみならず、そこにアメリカという国家に対する決着まで凝縮してしまった、この人ならではの不敵極まりない作品。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-26 23:50:06) |
220.《ネタバレ》 クリント・イーストウッドの俳優人生の終焉が近づいていますが、さすがいぶし銀の貫禄が映像を観ていると伝わってきます。あのため息まじりの低いうなり声がたまらない。仕返しの連鎖や愛する子供達のために命をもって挑んだことは素晴らしい。捨てるものが何もない老人ほど怖いものはないですね。スーがレイプされてからの流れが凄まじく、目が離せない。しかし、あれほど都合よく、しかも皆揃って連射をしてくるものなのかと。こういう地味な映画に高得点付けだすと、歳を感じます。 【マーク・ハント】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-19 21:35:31) (良:1票) |
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219.ストーリーは、ベタでもあるし良く構築されてるともいえるね。見終わった後は「ショーシヤンク~」と似た余韻に浸れました。 儚くも爽やかな感動を味わえる作品です。 【狂童】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-11 11:16:23) |
218.《ネタバレ》 『ネタバレ厳重注意』おそらく多くの人がラストの主人公が撃たれる場面で、きっと防弾チョッキか荒野の用心棒よろしく腹に鉄板などが仕込んであって起き上がるんだろ?そして、回転式リボルバー又は44口径マグナムなどで全員を容赦なく虐殺するんだろ?と思ったに違いない(笑)それぐらいありえない受け入れがたい結末でした。しかし、思い返してみると、復讐に燃える少年に「頭を冷やして4時にまた来い」と言っていた場面ですでに迷いはあったにしろ覚悟は決まっていたんじゃないだろうか。しかも、あれだけの短時間の間に死を受け入れることを決め、遺書まで残しているのである。もう凄すぎるとしかいいようが無い。さらに、これがイーストウッドの俳優としての引退作だなんてあまりに格好良すぎるではないか。やられたゼ。 【ヴレア】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-10-24 16:23:20) |
217.すごい!約2時間があっという間でした。こういう系の映画は途中で気がそれてしまうことがあるんですが、どんどん物語に引き込まれた!最後は銃をぶっ放して復讐して相打ちで死んじゃうんだろうなあ、と思ってました。まさか丸腰だったとは!皆様の感想を見て最後のウォルトの選択もなるほど、と納得。ますますこの映画が印象深いものになりました。息子たちとは溝ができ、頑固もので疎まれ、妻にも先立たれ、かわいそうな、さみしい爺さんという感じするのですが、自分の最期にウォルトは満足したんじゃないかな。 【はちまろ】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-10-14 14:41:00) |
216.ずっと車の映画だと思って敬遠してて損した。 地味だけど終盤の怒りと決意した後の安らぎ、うまく計算されてる。 ハリーのようにはでに撃ち殺すのではない復讐の方法、まいりました。 |
215.《ネタバレ》 ウォルトの性格は相当悪く見えるが、これは強烈な愛国心の裏返しでもあり、また寂しさを隠そうとしてる裏返しでもある。報復は報われない。一人で幸せにはなれない。そんな事を老後のウォルトを通して痛烈に感じた。クリント・イーストウッド自身の映画界への思いのようなものが詰め込まれているように感じた。世代交代という意識と、次世代の人々に期待する意識と、俺を超えれるか?という大層な自信(笑) 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-26 23:36:15) |
214.《ネタバレ》 最後の20分はもう言葉に言い表せないくらい凄い。 タオに金網越しに「贖罪」するシーン、指で銃の形を作り不良達を打ち抜くシーン、 グラン・トリノが浜辺沿いを走るED、テーマ曲等々全てにおいて格好良い。格好良過ぎる。 自らの死によって暴力の連鎖を断ち切り罪を認め許しを請うラストはこれまでの映画でイーストウッドが演じてきたキャラクターの言動に対する贖罪の行為であり、40年越しの「クリント・イーストウッド」という名の物語の締めくくりにふさわしい最高のラストでしょう。 彼の鋭い眼光が、銃を持ったときの「何が起きるか分からないドキドキ感」が「ダーティ・ハリー」の、「夕陽のガンマン」の頃からなんら変わっていなかったのが凄く嬉しかったです。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-08-10 00:00:54) (良:1票) |
213.2010.5 鑑賞。クリント・イーストウッドはいいね! 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-13 10:27:33) |
212.《ネタバレ》 私にはグラントリノという車が主人公を象徴しているようには思えませんでした。 今の日本人、特に若者にとって「車」というものはそれほど興味を抱かせるものではないからかもしれません。 過去のトラウマを勲章や銃、ライターで表現して、ラストは「許されざる者」みたいなものかと思ったら、いい意味で裏切られました。 でも、私が主人公の立場だったら、少年よりも乱暴されたお姉ちゃんの方がずっと気がかりになる。 ラストの遺言状のシーンで、期待する身内たちの姿は「ミリオンダラー~」を思い出し、いかにもイーストウッドらしさが出ていました。 これが彼の俳優としての引退作だと思うと、ちょっと寂しいです。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-05-17 03:13:58) |
211.アメリカの古いタイプの愛国者という価値観と、家族、人種の間で揺れ動く人間的葛藤を描いた傑作。ハリウッドというアメリカ的価値観と人種、社会問題の坩堝のような所であり、またその旗頭でもある場所で生き抜き、その象徴にもなったイーストウッドだからこその解釈があるのだろう。非常に心を揺り動かされ悩まされる内容。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-11 05:57:22) |
【わんたん】さん [映画館(字幕)] 4点(2012-05-06 21:12:25) |