4.《ネタバレ》 これは突然宇宙人に地球が侵略される恐怖の中において、なす術無く人類が絶望感を味わいますが、絶望の中にも愛する家族の為に何とか生きのびようと願う主人公と家族を描いた愛のドラマだと思います。人類存亡の危機に立たされて初めて、愛する家族を守ろうと僅かな希望の為に奮闘する父親の姿は共感出来ました。
地底に埋まったトライポッドが浮遊し、人類を抹殺(むしろ肉片も血も吹き飛び、骨が粉砕)し、街を壊滅させてゆく大迫力は非常にリアルで怖かったです。「未知との遭遇」「E・T」と友好的な宇宙人を描いてきた監督が、冒頭からボコボコ人類を殺してゆく映像を撮っていると思ったら余計に怖さが増しました(苦笑)
出演者の演技もわざとらしくなく良かった。トム・クルーズがスーパーヒーローではない、普通の男性を演じていた事に非常に好感を持ちました。娘役のダコタ・ファニングも自然な演技でさすがだなと思いました。ただティム・ロビンスは少し損な役回りだったかなと思いました。ナレーションの声がカッコイイと思ったらモーガンフリーマンだったんですね!
また「ID4」のように戦闘機に乗って宇宙船と闘うようなわざとらしいシチュエーションが無かったので、余計に良かった。意外な結末でしたが人類ではなく、長時間かけて作られてきた自然にもたらした勝利というのは、大規模な戦争の中で最も落ち着ける結末ではないかと思いました。これだけの大作を72日で完成させ、117分の娯楽作の尺にまとめたスピルバーグ監督の実力を再認識。第一級のエンターテイメント作品です。