46.《ネタバレ》 簡単に言えばミッキー・ロークがあまりにも辛い"男の意地"を見せる映画。女性には中々理解されにくいテーマをマリサ・トメイ演じるパムを通じて表現できている点が素晴らしく感じた。レスラーは自分の体を痛みつけてまでリングに立つ。歳を取り、肉体が悲鳴を上げても戦い続ける。それが自分である証明なのだから。これはストリッパーのパムにも共通する点だ。客からは「俺の母親みたいだ」と茶化され、ステージで踊っても誰も自分を観てくれない。それでも子どもを育てる為に踊り続ける。 ここまで似通っている二人が結ばれないのは悲しすぎる現実だ。しかし結ばれると彼等は彼等では無くなってしまう。よくプロレスを「所詮は見世物、嘘のドラマだろ?」とか「わざわざ痛い思いして何が面白いんだ?」と評価する人がいる。でも自分が自分であるために何も恐れずに舞台に立つ彼等を馬鹿にする権利は誰も持っていない筈だ。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-28 08:15:46) |
45.《ネタバレ》 『シン・シティ』観たとき、ミッキー・ロークがよく分からなかったのは、顔や体型をメイク技術でそうとういじってるからだろうと思ったが、けっこう素のままだったのかもしれない。本作でも、ときに口元にいたずらっ子のような往時の面影が認められてやっと納得いくが、スーパーの惣菜売り場で出会っても、「M・ローク」と名札が付いてなくちゃ気が付かないだろう。かつてのクールでセクシーなスターが、体も顔も崩れた姿をスクリーンにさらす。この映画、劇映画としてより、M・ロークのドキュメンタリーとして観てしまうし、そう観て初めて価値があるんじゃないか。マリサ・トメイと「80年代は最高だった」とうなずき合う場など、シナリオ、当てて書いているとしか思えない。それでもリングに・スクリーンに戻る「男」の姿。しばしば後ろから追い続けるカメラも、その効果を高める。話として臭くなりかけるところで、ドキュメンタリーとしての味が出て締まる。いやあ、映画スターというものは業の深い職業ですなあ。実際の人生だったらば、スーパーの惣菜売り場で働く勇気の方が偉いと思うけど、スクリーンの中の世界では、こうでなくちゃならない。かみそりでこっそり額を切っとくような世界と同列なんだもん。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-04-21 12:07:56) (良:3票) |
44.《ネタバレ》 まわりの人間がやたら絶賛していましたが、個人的にはそれほどは。ラストがちょっと…… 【K】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-04-17 21:22:39) |
43.《ネタバレ》 ダメダメな男の生き様を見せつけてくれます。がらがらのサイン会と、子供とTVゲームをするシーンが個人的に好き。拍子抜けするラストだったのですが、プロレスのリングの上でしか存在意義を見出せない男にふさわしい終わり方だったのだなと納得できます。消える間際のロウソクの様に見えました。 【はらへり】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-10 23:17:35) |
42.《ネタバレ》 60歳まで現役だったジャイアント馬場を思い出す。60歳といえば還暦だ。クソジジイだ。見ていてスリルがありすぎる。対戦相手が間違って馬場を強く攻撃したら即死もありえる。彼は61歳でくたばったから生涯現役だったと言える。そういう意味ではたいしたものだ。ミッキーもラストで愛する彼女をふりきって、死ぬ覚悟でリングに上がったが、試合が終わって、まだ生きていたら格好悪いだろうな。ラストは必殺技ラム・ジャムの途中でぷっつり終わるが、あれで本当に死ねるのか?と逆に心配してしまった。このダメ俳優は猫パンチで日本人を激怒させたが、彼はああいう性格なので、ハリウッドでも総スカンを食らって干された。レスラーはまさに彼の「はまり役」といえる。かつての時代の寵児が落ち目になるという話はよくあるが、それをレスラーの体から流れる血や、ボロボロの体で表現する手法のことを、メタファーと言う。この手法がアカデミー賞候補に認められた理由だと思う。ドグマっぽい撮影方法も好感が持てる。ちなみに死にそうになったからと言って、数十年ぶりに娘の前に現れる父親ほど恐いものはない。私だったら、そんな父親が瀕死の状態で目の前に現れたら絶対にとどめをさしてやる。「おまえに嫌われたくない」とメソメソ泣く姿も、ただ感傷に浸っているだけで気持ち悪い。私の親だったら許さない。私自身が同じ経験があるので強くそう思った。親の身勝手な感傷などクソ食らえである。しょせんこういう男は家族など持てないのだ。不器用な生き方だねと言ってこのレスラーを愛することができるのはしょせん他人だからである。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 3点(2010-03-21 11:59:58) (良:1票)(笑:1票) |
41.なかなか、リアルで良かったです..前評判が高かったので、もっと泣かせるコテコテのヒューマンドラマかと、想像していたのですが..意外と物語は淡々と進み..どうしようもない侘びしい現実を、1人の男の生き様を通して、シリアスに正直に、描いた作品でした... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-18 12:59:16) |
40.《ネタバレ》 あまりに痛々しく、そして悲しい映画でした。始めから終わりまで退屈することなく引き込まれました。プロレスにはまったく興味がなく、ほとんど事前知識なしで席につきましたが、冒頭のレスラ-仲間との段取り確認と、しこんだカミソリ刃による自演流血の時点からはまってしまいました。 勝手ながらロッキーのようなアメリカンドリームの映画ではないかと思っていたら、そうではありません。プロレスラー界とそこで生きる一人の老雄を等身大に描いた愚直でまじめな映画でした。 ステイプラーガンのおぞましさ。対戦相手を気遣う戦友同士の仲間意識の暖かさ。閑散とした合同サイン会と、「8ドルだよ」と自身でお代を徴収し、ウエストバッグからお釣りを返す寂しさ。メインデッシュのPコートを少しは喜んでくれた様子に安堵したものの、2時間の待ちぼうけくらいであそこまで言うかぁ?という娘の厳しさ。我慢して総菜の盛り直しを繰り返す忍耐。キャンセルされたはずの対戦が直ぐまた復活される興行の安直さ。こうした境遇の中で心身ともみまさに満身創痍でリングに上がり、観客はそれなりに熱狂するわけですが、両者の間には背負うものについて大きな温度差があるのは否めません。片や死の淵を彷徨いながらのパフォーマンス、片や入場料20ドルで一時の娯楽を求めに来た観客達。ラムの居場所はリングただひとつしかありませんが、観客は別の娯楽は無数にある。映画は敢えてその対比をクローズアップはしませが、私は非常に恐ろしく感じました。「もう十分だ!」と言う相手構わず、命をかけた大団円を迎えるランディ・ラム。同じく「もう終わりにしてくれ!」「何故そこまで?」と叫びたくなったのは私だけではないでしょう。 ところで、ラム(雄ヒツジ)とは、字面だけではかわいいイメージがあり、リングネームとしてはふさわしくないのでは?と思いましたが、プロフットボールのチーム名でもあるし、辞書を見ると「(軍艦の)衝角」や「破城槌」という凶器的な意味もあるようなので納得しました。 【風神】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-03-14 16:58:41) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 観る前のイメージと全く違っていてビックリしました。 観ていて痛々しかったです。 娘さんの気持ちもよく分かりますよ。 それにしても、昔スーパースターだった人間がここまで落ち目になるかな~? それなりのポジションにつけると思いますがね。 ま、ランディはそういう人間だったんでしょう。 観ていて何かモヤモヤした感じでした。 【かずまる】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2010-03-13 12:08:37) |
38.背中を追う追う、重い空気感の画質の中でドキュメンタリーのように話は進む。 ショーシャンクやベトナム帰りの映画と同じように、社会に適応しにくい男の哀愁はこれでもかと、むせ返るほどに漂う、映画はミッキー・ロークとマリサ・トメイの演技力に支えられ記憶に残るものになった。 私自身はプロレスというものに昔から全く興味が無かったが、一度脚光を浴びた不器用な男のドラマとしては良くできてる、時間が長くないのもいい。 【カーヴ】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-03-11 09:56:01) |
37.《ネタバレ》 不器用な漢を演じるミッキーがリアルでした。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-02-22 23:48:03) |
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36.《ネタバレ》 これはもう、ミッキー・ロークとマリサ・トメイのキャスティングでほぼ成功していた。それに見事、というか期待以上に応えた2人もまた素晴らしかった。駆けつけたトメイのシャツが「モトリー」なのには「おま、絶対行くつもりだったろ?w」とは思った。 【Junker】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-21 01:43:04) |
35.《ネタバレ》 ◇映画に期待することって、「希望」だったり「ハッピーエンド」だったりするかもしれないけど、この映画はそんなことはなくて、人間の弱さと強さ、ダメさをリアルに描いていたと思います。◇たいしたことない理由で娘との約束を破ってしまったり、結局職場放棄してしまったり。そんな簡単に人間変われない。◇決して「期待された」ハッピーエンドではないんだけど、だからこそ心に響くのかもしれない。「痛みを抱えて、人は生きる」 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-08 00:33:46) (良:1票) |
34.アンタ ほんとにミッキー・ロークなんかい?!(ナインハーフの時以来のご対面。) アンタ どんだけ良い芝居をしでかしたんだい 素晴らしいですやん。 (その佇まいやら、顔立ちやら ほんと痛々しいったらありゃしない ) アンタ ほんとレスラーに見えたよ。(よれよれの ) 良い作品に巡り合いましたね。なにかといろいろおめでとう。 ☆☆☆ マリサ・トメイ。撮影当時、42ですか。 まだまだイケてますね。十分許容範囲です。 良いオッパイに巡り合いましたね。なにかといろいろありがとう ☆☆☆ 【3737】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-01 23:23:55) |
33.《ネタバレ》 華やかな80年代のプロレスやロックの世界が忘れられない夢の亡者たちに向け、夢の世界でしか生きられない男の因果な生き様を静かに熱く描いた傑作です。そして、この20年の間、知らぬ内にいろいろなものが失われていってしまったことに気付かされました・・・・・。 とにかく、ミッキー・ロークの体を張った演技が素晴らしかったです。完全にレスラーになり切っていて、全く違和感は感じられませんでした。 しかし、ガンズ・アンド・ローゼズの「Sweet Child O' Mine」が流れた瞬間に涙腺が崩壊してしまったんですが、この曲が懐メロ的に使われる時代になったんだなあ・・・・・・ 時折、痛々しい描写があるのとプロレスの舞台裏が赤裸々に描かれすぎているのがちょっとアレですが、本当に良い映画でした。 【TM】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-01-30 02:09:01) |
32.良かった。男の顔は履歴書というが、ミッキーロークはいい顔している。「ナインハーフ」の頃のたらし屋の顔ではない。ストリッパー役の女優(マリサ・トメイ)はきれいなのに、あんな役までやらされて、それでも演じちゃう。ああいうストリッパーって日本よりも敷居が低いのかな?客とはちゃんと一線ひくし。まあ、なにせ凄い。最後の「みんながオレの家族だ!」というセリフ、いい事言うと思ったが、ちょっと寂しい感じもした。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-28 20:40:22) |
31.不器用な生き方しかできない男と女、そして娘 みんな不器用で傷つきながらも懸命に生き場所を探す。いい映画だった。 【東京ロッキー】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-24 17:50:13) |
30.《ネタバレ》 勝利のためでも、栄光のためでも、金のためでも、愛のためでもない。死の危険があろうが「リングで戦う事」こそが彼の生きるための唯一の道であっただけなのだ。現実での孤独な戦いと比べたら、リング上では怖い事なんか何もない。 男にとって、人間にとって一番大切な事は、やはりその時々の状況によって変わって当然。身も心も痛々しさと生々しさが全開で描かれ、ある意味消去法的に道を選んだようにも見える男の話だが、全く嫌な気分にならない。これが生きるって事なんじゃなかろうか。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-24 01:43:14) (良:2票) |
29.泣き死にするかと思った。ドキュメンタリーのような撮影はリアルすぎ。ため息、ボイラーの音など生活感を感じさせる一つ一つを丁寧に披露音響は見事。十分良い女だがあえて年齢を感じさせるように撮られたマリサ・トメイも良い。そして何よりぼこぼこの顔、不器用そうな指、体のパーツ全てで役を表現しきったミッキー・ロークには感服。傑作。 【GO】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-01-24 01:15:10) |
28.《ネタバレ》 「ナインハーフ」で演じた優男からは想像もつかないマッチョでそして衰えたM・ロークには驚き。年齢を重ねる事は悪くはないけど、レスラーとストリッパーには確かにちょっと辛いのか。劇中で語られる80年代のグラマラスなロックは90年代に入りニルヴァーナで代わり、そして衰退したのは事実。音楽は華やかでポップでなければいけない。現在の洋楽の衰退はここにある。音楽に限らず全てのエンタテイメントはこれに当てはまると思う。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-22 23:31:40) |
27.ファンにも同僚にもこよなく愛され、一面では幸せな人生と言えるんでしょう、ランディは。パサパサの長髪でうらぶれ感を醸すミッキー・ロークがたまりません。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-01-22 18:55:57) |