522.評価が分かれているようだが、一応反戦映画と思うよ?「ドイツをとにかく悪者に」、と言うよりドイツ兵をアホに描きすぎだけど。SSが命乞いったって、星条旗よ永遠なれを歌うかいな、とは思った。私がいいと思ったのは実戦経験のない通訳のアバム伍長の描き方。レーダー基地でウエイド(Gリビシも凄く達者。キャスティングには隙がない)が殺された後、ドイツ兵を1名捕らえたシーン(その、星条旗よ永遠なれを歌うところ)では降参した捕虜を殺すのは国際軍事法違反だ、と声高に言うも、最後に投降してきた複数のドイツ兵のうち1名を射殺する描写がある。最後の市街戦で彼は弾薬の補充係を割り当てられていた。廃墟の中で弾を使い切り、その後取っ組み合いになってナイフで殺されかけている味方の元に足がすくんでどうしてもいけない(この弱さの描写が実にリアル)。ナイフで味方を殺したドイツ兵は階段ですくんでいる彼を見つけ、鼻で笑って「見逃し」て去っていく。最終的にこの市街戦では勝利を収め、生き残ったドイツ兵が投降するのだが、彼はその中にあの男を見つけ、撃つのだ。仲間を助けられなかった自分への苛立ちか、仲間を殺したことへの怒りか、自分を鼻で笑ったことへの怒りか、優位に立ったことで慢心の表情で、国際軍事法を犯すのだ。ラスト近いというのに、この「生の実戦を通して崩れたヒューマニズム」にゾッとした。私はこういった描写の方がむしろ印象的だった。あと、皆が褒めているノルマンディ上陸だが、あれを見て戦争美化と思う人はいないだろう。だからやはり「反戦映画」と思うけど。本筋は皮肉もあるんじゃないのかねえ、軍のトップから出された一見人道的だが理不尽で矛盾だらけの任務、そんな「偽善のヒューマニズム」に頼らなければならなかったアメリカ、という。深読みしすぎかな?ま、確かに、プラトーンとかカジュアリティーズとか、そういうアメリカの反省を前面に出した反戦映画には及ばない。でも勝っちゃった戦争で作る反戦映画なら、こんなもんじゃないのか? 【あっかっか】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-13 13:52:53) |
521.うかうかしてる間に劇場に行きそびれて大後悔していたところ、とある機会にとある場所で、プロジェクタで大々的に映写して鑑賞することができたので、まあ良しとするかな、と(詳細はイエナイ)。クライマックスの、あの戦車がのしかかってくるかのようシーン、「コワいスピルバーグが帰ってきた!」と、うれしくてしょうがなかったです(『ジョーズ』で見せたコケオドシ。金属が軋む不気味な音は、まさに『激突!』だ!)。冒頭のノルマンディー上陸は、通常の演出では『地上最大の作戦』を越えられない、とばかり、戦争映画ならぬ“戦場”映画の様相。雨アラレと飛び交う弾丸・砲弾の恐怖。兵士が無力に撃ち倒され肉塊と化す光景のみならず、その横で、持ち主を失い地面に横たわる銃が、敵の銃弾で跳ね上がり不気味なダンスを踊る、その光景によってこそ、戦場の恐怖が感じさせられます。さて物語はと言いますと、『シンドラーのリスト』が、「大勢の命を金銭で買い取って救う話」だったのに対し、こちらはその対極とでもいうべき、「たった一人の兵卒を、何人もが命がけで救おうとする」お話。テーマ自体はとても我々が共感することのできない、理不尽なもの。もともと戦争は矛盾に満ちたものなのだから。同時期の『シン・レッド・ライン』があまり馴染みのない俳優(ごめん)を中心に据えた、その賢明さに対して、こちらの作品は、馴染み深いあのジャガイモ顔を中心に据えてしまったため、フィクション臭さがどうしても強くなってしまうのだけど、その分、登場人物たちのキャラを際立たせた、ヒーロー色の強い娯楽映画にもなっています。その一方では、戦争の矛盾、納得できない使命への苦悩、割り切り。これぞ、『七人の侍』と『乱』を足して、ハリウッド資本をたっぷりまぶした、まさに成金クロサワ映画。こういうのを観たかった(笑)。冒頭の戦闘シーンは、これ以上ありえないほどの激しさだったけど、クライマックスはそれを凌ぐほどの歩兵戦。その前の静かで和やかな光景が印象的(やや冗長な程、たっぷり時間をとっているのが『激突!』のレストハウスのシーンを思い出させる)。そしてついに、最初に述べた、あの壮絶な戦闘へ。観るたびに「あーえらいもん観ちゃった。でもまた観たい」と思わせる、スゴい映画です。 【鱗歌】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-11-24 08:55:32) |
520.あれこれ深く考えたら負け。純粋に頭からっぽにして見よう、そしたら間違いなく名作。まぁ自分は「なんだよ、この星条旗」とか思ってしまったんですけどね。 【非映画人】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-06 01:52:53) |
519.でかいTV、いいスピーカーが欲しくなる一本。 映画館で観たひとがうらやましい。ハンドサインってかっこええ。 【srprayer】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-17 07:49:12) |
518.米軍礼賛映画でもなく、強烈な反戦映画でもないように思えます。人間ドラマみたいなものを期待するとはずすと思います。 戦争映画の一種の手法として、淡々と行軍・戦闘を描写するというのもありかなと思います。と言うのも、実際の戦争を体験していない私のような人間にとって、第二次世界大戦の兵器や戦闘はこんなものだったんだと臨場感を持って見られることは悪いことではない様に思えるからです。(もちろん実際とは違うと言うことは百も承知で) 記録的、資料的映画としてみるなら8点。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-05-01 21:00:45) |
517.人間の命なんてものは、戦場では圧倒的に軽いと認識した。この映画にメッセージなるものがあるとすればそこかと。きっと今までの人生が、まるで”全て嘘”だったかのようにあっけなく終了するのかな。大佐はまだ幸運なのかもしれない。死ぬ直前に二言くらい残せたからね・・・。自分も戦場に行けばやっぱり死ぬんだろうな~。しかも、一発の銃弾で即死できればいいけど、自分のはらわたを見ながら死んだり、手足を吹っ飛ばされて「これなら死ななくてすむかも?」なんて思ってたら、結局、出血多量で死んだりね。外交の手段として戦争を選択しなくてすむことを、切に願う。イデオロギー云々ではなく、人間は必ず死ぬ存在だとしても、僕は死が怖いんですよ。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-04-16 14:30:51) |
516.こういう超超級の、人類のド肝をぬく、映像を撮る作家たちが、(わたしはその衝撃度において、”プライベートライアン以降、少林サッカー以降”、などと呼んでいる)超優秀な人材たちが、なぜ、物語は?スジは?スクリプトは?となると、はなはだ、???というか、お寒いというか、なんで?というか、せいぜいあとほんの一ヶ月ぐらい、その肝心の”お話し”について、その優秀な頭脳を並べれば良かったのでは、と思うのだが、この、なにかこの、作品の全体の”いともいえないアンバランスさ”が逆に”味”になっているのかなあ?(これも、宇宙戦争も特にそうだったのだが、消化不良というか、その未完成さ?を感じる)よくわからない。見せなくてもいい映像、語らせなくてもいい言葉、があると思う。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-04-15 01:09:05) |
【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-08 00:04:15) |
514.軍の車を向かえに出た母親がくずれるシーンが一番ぐっときた。 トムハンクスもマットデーモンも好きだけど、 何度も観たい映画ではないかな。 ゆっくりと刺されて死んでいく兵士、夢に見そう。 |
513.この映画でキーポイントの一つになっているドッグタグ。兵士一人ひとりはこのタグを回収されたり、遺体確認で使われることなく、生きたまま首に下げて母国に帰りたいと誰もが思っていたことだろう。 そんな彼らの儚くも熱い心情を思うと、ファッション感覚でネックレスとして軽い気持ちで身につけることに私は反対だ。そしてそれが一時的だとしても流行ってしまう現代の冷たさを感じる。 【りりあ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-04 16:58:46) |
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512.3回目の観賞。プライベート・ライアンは人の名と思っていた。 でもPRIVATEとは兵卒(上等兵、二等兵など最下位の階層)で「兵・ライアン救出」が原題らしい。 一言で言えば“理不尽”戦争そのもの含め。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-03 21:29:02) |
511.当時、高校1年生の時に観に行った作品。 最初の30分はまさに衝撃的・・・・ 今思うと、あの臨場感は映画館でしか体験できなかったと思う。。。 ただ、最初の入りが良かっただけに 後半やや失速した印象。 【ナラタージュ】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-01-28 16:35:56) |
510.《ネタバレ》 理不尽な任務設定で反戦を謳い、その任務を全うすることが唯一の誇りだと戦った揚げ句に再び仲間を失ってしまうことでその行為すらも馬鹿げたことだったと悔やむ、という流れなのかと思ったら、どうにもそんな処理ではなく、どこに落ち着けたいのかよくみえないラスト(だから、冒頭の老人は生き残ったミラー大尉なのだろうと思っていたのですが・・・)。 結局主人公であるミラーは途上での仲間の死、そして最後の戦闘で何も学ばずに死んじゃったみたいに映る。これでは「ドラマはどこにある?」という代物に。惨たらしい戦争描写での反戦映画でしかなくなってしまうのが残念。 映像はさすがに見応えありました。 【カラバ侯爵】さん [DVD(字幕)] 2点(2008-01-01 22:41:55) |
509.ノルマンディー上陸は勿論の事、地形の利・戦車の強力さなど、全体を通して戦場を身近に感じることが出来た。兵隊は駒に過ぎず、何故戦うのか?を考えても相手を殺すしか無い。上官の命令に従って進軍し、多くの人間があっさりと死んでいく狂気。戦争映画の傑作だと思う。 【Ad】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-07 20:21:39) |
【ジダン】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-10-17 18:26:34) |
507.後に残ったのは「あの銃撃戦すげえぜ!うおー!」という感想だけというちょっと困った戦争映画。派手な戦闘シーンを観て楽しもう。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-06 00:07:08) |
506.《ネタバレ》 冒頭の戦闘シーン・・なぜか中学生の頃、最初の生物の時間にブラック・ホーク・ダウンと共に見せられた。しかも前フリなしで。インパクトは大きかったのですがなぜ生物?消化不良だったのでこの間ビデオで全編通して鑑賞しました。少し長かったですが、戦場の臨場感や無意味さを感じることはできたと思います。 【HOPUKO】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-31 15:07:03) |
505.《ネタバレ》 まあ、任務内容はともかくとして、やはりスティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが揃うとヤバイ!冒頭、オマハの戦闘シーンだけでも見ておく価値はありますね。初めて観たのが中学生の時で、父親と2人で居間で観ました。僕は、「うほ! すごいべ? こいつが最後に……」と話しかけてくる父親の話などそっちのけで、全身の毛を逆立たせて興奮していました。評価の9点+父親との思い出に1点追加で10点! 【南の二等星】さん [地上波(吹替)] 10点(2007-08-22 00:59:30) |
504.《ネタバレ》 私はスピルバーグが何故この映画を作ったか、何故このストーリーを採用したかが長い間理解できませんでした。スターウオーズもそうですがスピルバーグは観客が十分楽しめて嫌みを感じさせない間にアメリカ帝国の赤裸な一面を描く術に長けているように思います。直接祖国が侵略された訳でもないのに関係ない遠くの戦場にはせ参じて若者たちが次々と死んで行ったことは、顔も知らない二等兵一人を戦争から連れ戻すために大勢が命を懸ける「くそ任務」と同じことだったのではないか。始めとおわりに多くの家族と共に、つまり戦後のアメリカの繁栄を象徴するような幸せそうな家族に見守られて「私は恥ずかしくない人生を送ってきたか(大戦を機に帝国になったアメリカはこれでよかったか)」と白々としたアメリカ国旗とオーバーラップしながらミラー大尉に問い掛けるシーンは「くそ任務」で死んでいった先人達への監督なりのこの映画を作った思い入れのように感ます。上陸場面での戦場のリアリティは第二次大戦で虫けらのように死んでいった先人達のために絶対に必要だったのでしょう。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-17 19:27:09) (良:1票) |
503.《ネタバレ》 冒頭の上陸シーンのリアルな迫力には圧倒された。そこで死んでいく兵士達には、「死の美学」も「死の恐怖」もなく、ただ「死んでいく」のであり、ある意味この映画で最も強烈なメッセージとなっている。本筋のストーリーに入ってからは、ライアンを連れ戻すという任務を行いながら、兵士達は「なぜ自分達は戦うのか?」という問いを与えられるのだが、リアルな戦場シーンとのギャップで、その問いもやや弱まってしまった様に感じる。むしろ、最後に一人生き残ったライアンが、自分の為に死んでいった兵士達を思いながらどんな人生を送ったのかという事を描けば良かったのかもしれない。 【チャン太】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-08-07 23:10:34) |