205.《ネタバレ》 まさにホラ話のファンタジーを聞かされている観客と息子はおんなじなんです。
また始まった、どこまでが嘘なのか、恥ずかしすぎるよその展開は~と、
やや引き気味で観ていた私は途中でそれはこの息子なんじゃないかと・・
父の若いころを地味だと(人畜無害とまで思えば言い過ぎか)思い込んでいた私は、
その役者が実はオビ=ワンでもないムーランルージュの男でもない、
ただの普通のそして実に爽やかな往年のあくまでも普通の夢物語の俳優かもと思いました。
ユアン・マクレガーってこんなにかっこよかったんだ!?
そんな普通の夢物語の主人公のドラマなので私は好きですね。
父の語る昔話があまりに飛びすぎている。
ファンタジーはホラ話であり真実かもしれない・・わかりやすく共感できる。
イギリスのトム・ハンクスか?というのはまた違うかもしれませんが(苦笑)
観た方の多くは「フォレスト・ガンプ」に似てるところがあると感じたでしょう。
その面白さとラストになってもシリアスにならず観客に任せる大らかさ。
父のおとぎ話の真実は息子によって解明されていくのだけれど、
そのホラ話に真実が見つかったとき宝石のようにお話は輝きだします。
続きを語ってくれという父に息子は(息子の役が実は一番難しいのでは?)
父よりもうまいくらいのおとぎ話を聞かせるのです。
それが(父の最期の死に方)というおとぎ話なのでした。
ホラ話が解明されてゆく足取りや息子が「子供のころならともかく20、30歳になって、
何回も(1000回とも)聞かされて、僕にも子供が出来たら息子に何を聞かせればいいんだ」
思わず「そのとおり!」とこの息子に共感しつつそこらからもう感動モードに入りまして、
エンドロールが流れるまで感動しまくりでした・・久々に感涙。
この映画で泣けるのはおかしいかもしれませんが、
ホラ話についていけない息子の気持ちで観てください。
こんな何1000回もホラ話をする(しかも人に好かれるので話をやめない)親父はいらないけど、
この親父のような夢のある生き方もいいのではないでしょうか・・
一番似てるなぁと思ったのは、「マン・オブ・ザ・ムーン」の世界です。
ただしあれはコメディアンの実話で結構シリアスです。