2.《ネタバレ》 個人的にはデビュー作の1が大好きですが、今作の4を最高傑作とする人も多いでしょう。それぐらい、何もかもがよく出来ています。3では「ストーリーの分かりにくさ」が不評でしたが、1と2を観てない人にも分かるように作るのは難しかったと思います。その点、4では一度全ての設定をリセットし、1と同じ「ジャックが宝を探しに行く→ライバルに邪魔される→でも最後に見付ける」という、非常に分かりやすいストーリー展開となっています。かと言って一本道の子供騙しなシナリオではなく、巧妙に張られた伏線や切ないサブストーリーなど、大人の鑑賞にも耐えうる作品になっています。それから何と言っても映像が良い。カメラワークが非常に好みです。個人的にはチャンバラシーンの引きの映像がもっと欲しかったですが、雄大な大自然の迫力を3Dで観れたのは幸いでした。もしこの映画が、「手前に飛んでくるナイフ」で3Dを主張しようとしていたら、失敗していたと思います。ようやく、そういった手法が一昔前のものになりつつあるのは嬉しい限りです。音楽も良いですね。ハンス・ジマーの手によるあの有名なメインテーマが、今回もふんだんに使われています。新アレンジバージョンも、世界観に良く合っていたと思います。あ、もちろん粗はありますよ。「なんでやねん!」と突っ込みを入れたくなるところや、「え、それってそうだったの?」みたいなシーンもいくつかありました。しかし、そんな重箱の隅を記憶の片隅に追いやってしまえるぐらい、メインディッシュの存在感が素晴らしいです。ジョニー・デップの人気やシリーズものの知名度に頼らない、そのままの意味で「良く出来た映画」だったと思います。おかしな言い方かもしれませんが、ジョニー・デップが出ていなくてもこの映画は面白かったです(もちろん出ていた方が5000倍良いですが)。使い古された言葉を使えば、「子供から大人まで家族そろって楽しめる、手に汗握ってハラハラドキドキ最後はすっきり気分爽快の、上質のアドベンチャー映画」ということになります。ああ…それってディズニー映画の原点だ…・゚・(ノД`)・゚・最後に一言。俺がこの映画で一番笑ったシーンは、恒例のエンドロール後のシーンでした。観に行く際は、絶対に最後まで観てくださいね。