《改行表示》92.《ネタバレ》 “Amadeus”邦題ままモーツアルトのミドルネーム…なんだけど『神に愛される』って意味なんだって。たしかに劇中、彼をアマデウスとは呼んでない。中学生の時、音楽の授業で複数回に分けて観たのが最初。だけど時間の関係で最後までは観られなかったと思う。とにかくあの、独特な笑い声で、いつもヘラヘラしてる、子供みたいなモーツアルトがショッキングだった。音楽の教科書に書いてた肖像画とイメージ違いすぎた。 音楽映画で才能の違いを観せるのって難しいと思う。極端な下手くそと上手い人の対比ならともかく、どちらも名だたる才能の持ち主だとしたら尚さら。 サリエリが作曲した『マーチ』。謙遜して「思い付きで書いた曲で」なんて言ってた自信作を、モーツァルトは1度の耳コピで完璧に弾いてみせて、その場で改良までするシーンは音楽の素人が見ても圧巻。ピアノが上手じゃない陛下と比べるまでもなく、作曲者サリエリの才能すら凌駕して、モーツアルトの曲に人々が凌駕されていく空気すら伝えてみせた、凄いシーン。 金策に困ったコンスタンツェがサリエリに楽譜を見せるシーンも圧巻。見ただけで楽譜から音楽が溢れ出す。全く手直しされていないオリジナルの楽譜。 モーツアルトが改良した『マーチ』が自分の作品じゃなかったら、楽譜がたくさんの手直しで苦労の跡が見えたなら、サリエリも素直にモーツアルトを尊敬できただろうか?終始サリエリ側の視点で観せるから、プライドがズタズタに引き裂かれる気分と、モーツアルトの才能の凄さが同時に味わえる。(創作だって?私はドキュメンタリーじゃなく映画を観てるんだ) モーツアルトの才能が解るからこその苦悩。嫉妬から来る妨害。音のないバレエを陛下が観た時のモーツアルトの勘違いと、咄嗟に空気読むサリエリ可愛い。 神が自分ではなくモーツアルトに才能を与えたこと。神を恨み、その恨みの矛先をモーツアルトに向けたサリエリ。そんな2人のまさかの共同制作がアツい。何だろう、サリエリにとって、この瞬間こそ至福の時だったに違いない。そんな思いがビシバシ伝わってくる。 神を恨む一方で、モーツアルトに頼られた男サリエリ。師弟愛とも友情とも違う、2人の奇妙な関係に惹きつけられた。 【K&K】さん [レーザーディスク(字幕)] 9点(2023-09-03 16:27:42) |
《改行表示》91.《ネタバレ》 下品で才能の塊のアマデウス、サリエリにとってアマデウスの才能が世界一わかってしまうということがどれほど残酷だったかが描かれていきます。 でも待てよ、そうは言ったって我々がモーツァルトに感動するなんてことより遥かに高い至福をサリエリは得られたんだよね。 ある意味世界一の幸せ者であり同時に最も不幸な男、落差が大きすぎでそりゃ精神も壊れるよな。 エンドロールの「ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466」が印象的で、心がザワザワしてる視聴者に静かな感動と癒しを与えてくれてます。 時々観返したい作品の上位に入りますね。 【クルセイダー】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-10-25 12:59:17) (良:1票) |
《改行表示》90.《ネタバレ》 クラシックにもモーツァルトにも中世文化にも大した知識も興味もない。そんな私が見てもこの作品は優れていると感じる。人によって色々な角度から見てしまう多様性を有した映画だと思うが、1000年に一人の天才vs10年に一人の秀才の、嫉妬と欲望渦巻く心理スリラーとして滅法面白い。と私は見た。 スケールは違えど、誰もがこういう無邪気で純粋な圧倒的実力者に翻弄されたことがあるのではないか。私も元同級生の○○君とか、元同僚の○○氏とかを思い出した。本人に悪意はない。しかし受け手にとっては嘲笑としか思えない態度、その反面努力もしてない(ように見える)くせに絶対追いつけないような能力…暗い過去が甦る…まあ、私の実力をサリエリに例えたらあの世から殴られそうだ。 多分史実をかなりデフォルメして娯楽にしてるのだろうし、ラストなどは迫力ある一方で、狙い過ぎの感もあった。しかし主人公二人の名演及び怪演と、美術の豪華さ、当然に音楽の凄み等、独自の雰囲気に持って行かれながら2時間余り吸引されたままの鑑賞となれば、「自分が死ぬまでずっと内容を記憶してる映画~しかも好意的な方向で~」の一席は占めますよね。 【カツルギ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-18 22:20:31) |
89.《ネタバレ》 映画に音楽がなくてはならない要素だということが改めてわかる1本。おもしろい。 |
《改行表示》88.史実に忠実かどうかはさておき、まさしく名作の冠にふさわしい作品だったと思います。ロードショーの翌年にはあちこちの小中学校で授業の一環として放映され、私の中学校でも大きな体育館でスクリーン上映されました。ただ正直なところ、子供には面白くない映画だったと思います。とにかく上映時間が長いため集中力が続かない子供達には辛過ぎたなという印象です。私は当時中学1年生ですでにかなりの映画ファンだったので食い入るように鑑賞しましたが、上映場所である体育館は終始ザワつき気味だったのをよく覚えています。 あらすじや感想をここに書くのは野暮だと思いますが、特筆すべきはウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)とその妻コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)の、愚かしくも天才の振る舞いを柱の陰から見守るアントニオ・サリエリ(F・マーレイ・エイブラハム)の図式に尽きます。先ほども書きましたが史実に忠実かどうかはさておき、とにかくこの図式が魅力的でなおかつ判りやすすぎるのです。努力家で秀才以上の才能を持つサリエリの前に現れた、どうにも抗えない天才音楽家という図式。そしてその天才が作る音楽を最も理解し最も愛せるのもまた自分だけだという究極のジレンマが本当に素晴らしい。悪者として描かれているサリエリですが「嫉妬と憎悪」という意味ではこれは致し方ないというか、、非常に人間味あふれる愛すべきキャラクターとして判り易く完璧な形で描かれています。 これほどの映画にはなかなかお目にかかれません。いつになっても全く色褪せない、、まさに名作だとしか表現のしようがありません。何度も書きますが史実に忠実かどうかはさておき、モーツァルトの笑い声は本当に最高過ぎます。ほぼ完璧な芸術映画作品です。 【アラジン2014】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-05-03 12:41:16) (良:1票) |
《改行表示》87.天才モーツアルトに対する宮廷音楽家サリエリの苦悩が見事に描かれている。 ストーリーに引き込まれて、160分の長さを感じさせない映画。 ディレクターズカット版より20分短いが、重厚なドラマになっている。 【飛鳥】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2012-12-05 14:05:41) |
《改行表示》86.《ネタバレ》 サリエリがモーツァルトと対立し毒殺したという噂は昔からあった。事実はそうでなくても、サリエリの存在とその噂のエピソードを高めさせた画期的な作品である。もちろん映画の中の音楽は圧倒的にすばらしい。 モーツァルトが天才で神童ぶりを発揮したことは大変有名であるが、人間的にはどうだったのだろうか。この映画のように軽薄な存在だったのだろうか。 伝記を読むとモーツァルトの手紙の中には、「うんこ」など下品な言葉がいくらも出てくる。そうなるとやっぱり・・・。もしこういう軽薄なモーツァルトであれば、まじめなサリエリにはたまらなかっただろう。 大変好きな映画であり、初めて買ったDVDがこの「アマデウス」であった。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-11-08 23:43:50) |
《改行表示》85.神がこの世に使わした天才・モーツァルトと、音楽にすべてを捧げているにもかかわらず、天賦の才に恵まれなかったサリエリ。 とことん享楽的なモーツァルトに対して禁欲的なサリエリは、神の不条理を呪う。 この二人の関係性を通して、天才の名を欲しいままにしたモーツァルトの生涯を、数々の名曲とともに描いた贅沢極まりない映画。 神を捨て、モーツァルトへの嫉妬に身を焦がすサリエリ役、F・マーレイ・エイブラハムの鬼気迫る熱演は、まさにアカデミーにふさわしかったと思う。 サリエリほどモーツァルトの音楽を理解し、愛した人間はほかにおらず、その様がよく表れている終盤の作曲シーンは感動的であった。 サスペンスフルな展開に最後まで飽きさせないテンポの良さ、豪華絢爛な映像、渋い配役、すべての点で非の打ちどころがない傑作。 【poppo】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-30 15:44:24) |
《改行表示》84.《ネタバレ》 この虚実入り交じったギリギリのところ。凄いです。あからさまに凄い。 最初、精神科医と同じように「ハイハイ、始まりましたよ」的に映画を眺めているのに、なんだか途中からホントに有りそうな気がしないでもなくなっていって、しまいにはそうかもと一瞬でもそう思わせてしまう引き込みのうまさ。 物語自体も面白いけれど、街や建物の美しさと汚さを楽しめる。衣装や光の表現もとにかく目で見て楽しめる。そういうリアリティなんかはこういう作品ばかり見ていると、ビジュアルの味覚障害になりそうなくらい完成度が高い。あたかも味の濃いラーメンばかり食べてると何を食べても味がないような状態になりそうで、っていう感覚に。怖い怖い。 こういう良い作品はBDの画質とロスレスの音源でたっぷり楽しみたい物です。 なぜかBDには蛇足なディレクターズカットしかない。完成度が圧倒的に高いし20分短い時間で観ることができる通常版の方が絶対に面白いのだけど。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-03 21:08:41) |
83.《ネタバレ》 名作ですね。とにかく面白いし、しかも、他の映画とまったく違うオリジナリティがある。何度みても、世界観にどっぷりとつかれます。 【コウモリ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-09-06 09:56:46) |
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《改行表示》82.3回目の鑑賞。ディレクターズカット版も含む。結論は久し振りの凄い作品だった。クラッシック音楽として、伝記として、ミステリーとして色々な要素が組み込まれたドラマ。 3時間近くの長編も時間を感じさせない。この作品からクラッシック音楽に興味を覚える。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-09-03 21:19:16) |
81.《ネタバレ》 ご指摘にもある様に、この作品のテーマは「天才と凡人」だと思います(サリエリが凡人だと言っていいものか疑問ですが)。私は勿論、凡人派なのでサリエリの気持ちがよく分かりました。殺そうとした相手に「ありがとう」と言われるあの時の心境まで。音楽、映像、その他諸々、作品としてどこを取っても完璧、傑作だと思います。ただ、個人的には後半のオペラシーンが長すぎてちょっと眠くなってしまったのが残念です。 【Kの紅茶】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-27 00:06:25) |
《改行表示》80.《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思う。 「神」というものを題材に描いているような気がした。 その時代背景が見事に描かれている。 まるで絵画に描かれている世界がそこにあるようだ。 装飾や衣装のデザインはとても素晴らしい。 優雅で華やかな貴族達を見事に描いていると思った。 しかし、天才ってカッコイイよね。なんだかブッ飛んでいるから。 良き?ライバル像として描かれているアントニオ・サリエリは、モーツアルトの才能を素直に賞賛していて、自分の才能の負けを認めているのが良い。 自分が嫉妬に溺れ、悪に魂を売ったこともわかっているし、そしてモーツアルトの死後も、サリエリは苦しみ続けたから、僕は彼が嫌いじゃない。 サリエリはモーツアルトの才能を認め、しかしモーツアルトもまた、彼に「光栄だ」と言った。 モーツアルトも彼に距離感を感じていたのかもしれない。 お互いの才能を認めているから良きライバルなのだと僕は思います。 なんだかこの作品を観て、モーツアルトは「地上」と「神」との「アンテナ」で、神が彼の身体を通じて民衆に「神々しい現象(奇跡)」をみせていたと思う。 モーツアルトの堕落していく様は、とても見ていられない。 天才って苦しいのかな? とても苦しそう。黒い枯れ木や馬車。不吉で暗い。 最後の疲れきった表情は見事だ。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-12 00:19:07) |
《改行表示》79.《ネタバレ》 凡人の努力をいとも簡単に灰燼にしてしまう天才という存在。 恨めしいというかなんというか・・サリエリに9点! 【しろタマネギ】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-10-03 13:22:22) |
【ネネ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-25 21:02:49) |
77.サリエリの方に感情移入してしまう。伝記的映画で、人間ドラマがこれほど濃いのは初めて。これでは、モーツァルトは死後に有名になったみたい。自分の音楽が今でも愛されていることは知らずに逝ったのか。天才肌でなく努力家のサリエリ側で自分は見てたんだけど、最後には、モーツァルトがかわいそう、というかいとおしく見えていた。この映画、モーツァルト生誕250周年の年にみたので、余計に感傷的になった。しかし何百年たった今でも演奏され続け、心に響かせる音楽を作った彼ってほんとすごい。 【Michael.K】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-17 23:50:50) (良:1票) |
76.天才と凡人について考えさせられる。製作者は自身のことを凡人の頂点と思っているのだろうか? 【なますて】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-27 12:00:18) |
《改行表示》75.モーツァルトが変わり者だというのは知っていたがここまでとは思わなかった。父親と嫁が怒鳴りあっている中でビリヤードの玉を転がしながら作曲しているモーツァルトのシーンが印象に残っている。 【PINGU】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-20 15:49:58) |
74.《ネタバレ》 高校の時音楽の授業で見ましたが、なかなか良かったと思います。ただ単にサリエリとモーツァルトの歴史を辿っているのではなく、2人の間の人間ドラマと言うべき内容でした。若いモーツァルトの才能を理解していたが、宮廷作曲家であったし、「何でこんな奴が!?」というような思いは隠せず嫉妬していたサリエリと、音楽の才能はずば抜けていたが、酒や女に縁がなくどこか変人だったモーツァルト、この2人をFマーレイエイブラハムとトムハルスが好演していた。この映画はそれだけでなく、当然音楽も素晴らしいし、衣装など時代背景もきっちり描いているのが良い。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-09-12 21:09:58) (良:1票) |
【ホットチョコレート】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2006-05-21 06:55:35) |