65.《ネタバレ》 午前十時の映画祭で映画館で再び見ることができました。素晴らしい映画だと思います。ロビン・ウイリアムズとロバート・デ・ニーロという名優どうしの競演が素晴らしいです。特にデニーロの演技は神がかっています。デニーロ・アプローチといわれる事前の徹底したリサーチの成果により本当に脳炎患者なんじゃないかと思わせてくれます。引きつり・手の動き・目の動きなど全てが本物と思わせてくれます。事実が元になっているとはいえ、レナードの初恋など「これはフィクションではないか」と思わせる演出もありますが、奇跡の物語のいいアクセントになっています。なお、この映画を最初に見たのはもちろん初公開時な訳ですが、当時の自分はいわゆるハリウッドアクション映画やジャッキー映画などのエンターテインメント映画にしか興味がありませんでした。そんな中この映画は、映画好きの先輩にすごくいい映画だから見た方が良いと強く薦められて見た映画です。楽しい・面白い映画しか興味なかった自分に、他のジャンルでもいい映画はたくさんあると教えてくれた、自分を映画好きにしてくれたきっかけの映画です。なお、原題はAwakenings、「目覚め」の複数形です。これはレナードの病気からの目覚め(一時的な回復)はもちろんのこと、他の患者の目覚め、レナードの恋への目覚め、そしてそんなレナードに影響されてコミュニケーション下手だったセイヤー医師が生涯の伴侶を(おそらく)得るきっかけとなる積極性への目覚めなど様々な「目覚め」を意味しているのです。最後になりますが、ランディ・ニューマンの音楽も素晴らしいです! 【MASS】さん [映画館(字幕)] 9点(2023-02-19 16:33:16) (良:1票) |
《改行表示》64.《ネタバレ》 -Awakenings- “目覚め” 複数形なのはレナード以外の患者はもちろん、セイヤー先生にも掛かってる。 ロバート・デ・ニーロの表現力が凄い。レナードの抱える難病表現はもちろんだけど、入院する20歳の頃から時が止まっている青年役を見事に演じていた。レナードの少年のような笑顔は、数年前にアル・カポネを演じていた人のものとは思えないくらい、デニーロの演技の幅広さをみせてくれた。 登場人物もとても魅力的で、現実的だけど理解あるカウフマン先生。普段はサボってるけど率先して寄付をする看護婦。寡黙な薬剤師に人懐っこい清掃員。レナードからお金を取らない食堂のおばさん。勤めてる人が人みんな良い人で、こんな温かい病院なら安心して家族を任せられる。 患者は突然叫びだすし、動かない患者は全く動かない。変化のない患者たちとの毎日にじっくり長く付き合うは、家族と言えど、とても大変。レナードの母がいつも献身的に看病するのは根気のいる辛い毎日だし、ポーラの母が夫のお見舞いに来なくなる気持ちも分かる。 失った時間の長さ、年老いた自分と向き合う患者たちも、とても個性的、魅力的に描かれていた。先に投薬されて、日々症状が悪化するレナードの姿に、数日後の自分の姿を重ねる不安と恐ろしさ。 後半は観てる方も辛くなるけど、レナードの「もう会わない」という決意を理解して、無言で受け止めるポーラの心の綺麗さ。食堂でのダンスは何度観ても涙が止まらなくなる。 “レナードの朝”ってとても良い邦題で、劇中レナードが「(もう目を覚まさないかもしれないから)目を閉じる(眠る)のが怖い」ってセリフがある。この映画を観ると、自分の意志で起きることが出来て、その日一日好きなことが出来ることに、とても有り難みを感じられる。 毎日当たり前に来る朝。そんな朝が来ない人達。彼らと違って何でも出来るのに、毎日何もしないことの、なんて勿体無いことか。 他人から求められることがボンヤリ解っていても、自ら行動しなかったセイヤー先生が、最後に“目覚め”てエレノアを引き止めるところがとても好き。 難病との戦いが“道半ば”で終わってしまう映画を、とてもスッキリした後味に変えてくれる。 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2022-08-27 16:26:19) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 全体的に演出は抑制ぎみな方に思うが、その静けさが残酷な現実をより際立たせている様にも思う。観終わって調べると、若干の脚色・演出はあるものの肝心なトコロは大体事実という超衝撃(世にも不思議な実話)。その意味でも、観る価値は確実に在る作品だろう。 抑え目とは言っても、終盤のダンスシーンなんかは正に号泣もの。昔いっとき通勤電車で映画観てた時期があって、そんなときに山手線で観てて不覚にも車内で大泣きしたのだよね(その後、電車で映画は観ていない)。あと、ロビン・ウィリアムズのこれも静かな演技も流石といってよい出来だが、更にデ・ニーロのは演技の域を軽く超えてしまっている、そのへんも必見。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-09-09 23:49:41) |
《改行表示》62.人間の尊厳とは何かを考えさせられる。 何の目的もなくただ漫然と生きるよりも、ほんの一瞬であっても最高の輝きを放った人生の方が素晴らしいと言えるのかもしれない。 「眠っているのは、君たちの方じゃないか」という言葉には、ハッさせられる。 主演2人の演技もまた素晴らしくて引き込まれる。 【アクアマリン】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-07-27 19:42:56) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 難しいですね。何が正しくて、何が間違っているのか。効果も副作用も不明な新薬を、独断で増量投薬する。まるで実験台じゃないか・・もし自分が医師だったらとても真似できません。したくありません。しかし、そうして目覚めたレナードの喜び、世界の輝き。何物にも代えがたいはずです。レナードが目覚めた最初の夜、「僕は起きている」と笑うシーン。母親を認めて腕を広げるシーン。ほかの患者にも投薬治療をし、皆が次々とベッドから起き上がるシーン。あの喜びと輝きに満ちた、鮮やかな場面は、全ての批判を跳ね返す力があります。もちろん結果論です。成功したから肯定できる。見方を変えれば彼をマッドサイエンティスト(?)と呼ぶこともできるでしょう。彼は間違っています。しかし、レナードにとって彼は救世主で、かけがえのない主治医で、友人でした。やがてレナードに再びゆるやかな死が迫り、お互いに苦悩し、心を分かつ場面もありましたが、しかし最後まで二人は努力を続ける戦友であり続けました。何が正しくて、何が間違っているのか。外野がとやかく言える問題ではありません。ラストシーン、セイヤーは、たどたどしい口調で看護師エレノアをコーヒーに誘います。正しいも間違いも存在しない。人は成功と挫折の中で一生かけて学びつづけ、自分が最善だと信じる方へ進み続けるしかないのだと思います。 レナードとポーラのダンスシーン。文句なく素晴らしい、まさしく名場面です。そして、あの奇跡のひと夏が終わりを告げ、患者はすべて元のような人形に戻ってしまいますが、あの「髪を染めたいわ、私の髪は黒髪なの」と気恥ずかしそうに笑ったおばあちゃんの髪が変わらず黒く染められ、化粧を受けているシーン!ぐっときますね。セイヤーは「自分のしたことはひどく残酷なことではないか」と悩みますが、果たしてそうでしょうか。あのおばあちゃんの黒髪は、ひどく救いに満ちていると感じました。(私が女だからでしょうか・・) 【デルモゾールG軟膏】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-29 02:19:25) |
《改行表示》60.《ネタバレ》 以前に小説の『アルジャーノンに花束を』を読んだが、それとよく似ている。 臨床の経験がなく研究ばかりしていた医師の試行錯誤に生真面目な誠実さが見える。 覚醒して生の喜びを得た後だけに、再び症状を自覚したときの衝撃が倍加する。 病気が健康のありがたさを教えてくれるように、レナードの悲しい人生の追体験が生のあり方を教えてくれる。 普通に生きていることがどんなに尊いか、人生は喜びであり神からの贈り物――レナードの言葉が胸に蘇る。 レナードがポーラと別れのダンスで痙攣がおさまるシーンは感動的。 いつもながらロバート・デニーロの演技はさすが。 医師が彼女をコーヒーに誘ったラストは、レナードから学んだことが端的に表れていて後味の良い映画になっている。 【飛鳥】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2013-06-10 00:21:17) (良:1票) |
《改行表示》59.《ネタバレ》 『奇跡』の起る時間が早かったのでこれはヤバいんじゃないかと思ったら…。 たった2時間の上映時間のなかで、ここまで見事に状況や主人公たちの気持ちの変遷を描き切った作品はそうは無いんじゃないでしょうか。 そしてそれぞれの人に影響を与える人、人、人。これほど人間関係だけで出来上がった映画って面でも珍しいですね。 レナードたちは突然やってきて、またいってしまった。 それでもわずかな『奇跡』の時間に確実に残したものがあって、彼らは以前も、これからも生きていることを証明してみせました。 これがこの種の不治の病と戦う(いや、戦うと言うかそんな日常に疲れきっているかもしれません)人々にどれほどの影響があったことか。 実験的投薬のエスカレートが示すようにロビンは患者たちに対して医師から友人になっていました。 もちろん倫理的な問題はありますが、あの人づきあいが苦手な医師が、あの時間のとまってしまっていた患者たちにです。 ラストもこの物語を締めくくるにふさわしいエピソードで、なんだか切なくなりました。 そしてロバート・デ・ニーロのおそろしいまでの演技力がこの映画を支えていたことは言うまでもありません。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-10-31 06:27:51) |
58.《ネタバレ》 泣けて、そしていろいろ考えさせられる映画。結局患者たちはみんな元通りで決してハッピーエンドとは言えないけど陰鬱さとかそういうものは感じずむしろ優しい気持ちに包まれる。セイヤー医師はレナードに喜びや楽しみを与えただけでなく、レナードからも同様にもらってたんですね。凄くいいEDでした。つまんねえ人生だ、とかもうやだ死にたいとか何かにつけて皆言いがちな世の中ですが、こうやって見て、触れて、聞いて、話して、感じて…こういう単純なことだけでも生きるってのは楽しくて素晴らしいんじゃあないのかあ、なんて思ったりしました。『純真な気持ち』を思い出させてくれる映画。心が洗われます。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-01 22:32:19) |
《改行表示》57.《ネタバレ》 このように病気を題材とした作品は、感動をもたらすための演出が過ぎると白けてしまうでしょうし、かといってガチガチに医療のリアルさばかり描写するとわかりにくくエンターテイメントとして疑問符がつくと思います。 私はこの作品の題材となった病気の現場、現状を知りませんが、想像するに、この演出とリアルさのバランスが非常にとれている作品だったと思います。 奇跡がおきた夜の感動、自らの身体が動かなくなっていく絶望感、最後に女性を見送る際の切なさ・・・箇所箇所でいろいろな感情が胸にわき、考えさせられました。また、これらのシーンが観ている者に対し押し付けがましくなく、さりげなく描写されていて落ち着いた作品になっていると思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-05 22:11:01) (良:1票) |
56.《ネタバレ》 ジーンとしました。レナードは人として生きたあの瞬間に、恋をし主張をし生きた証を残し・・泣かされる映画でした。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-03-10 13:53:43) |
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《改行表示》55.個人的にもこういうジャンルは好きです。 最も好きな映画の一つ 。 【シトロエン】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-24 13:59:18) |
54.《ネタバレ》 「ビッグ」のあと本作を監督して、ペニー・マーシャルに非常に注目したのだけど、その後あまりパッとしないのが残念です。これはとても好きな作品なので、またこんな作品見せて欲しい。ロバート・デ・ニーロの演技で評価したいのは病気の姿の演技力ですが、彼の役所として最も印象に残すのは、目覚めてから、この世に生きていることの素晴らしさを興奮しながらロビン・ウィリアムスに喋りまくる場面です。あの場面がとても好き。そしてロビン・ウィリアムスが看護婦さんをコーヒー飲みに誘うシーン。デ・ニーロ演ずるレナードが短い目覚めの中で、セイヤー医師の心に温かい波を立てて残したことが伝わる、良質なラストだと思います。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-12-23 02:42:31) (良:1票) |
53.久々にジーンときちゃって、良い映画見たな~って感じです。数分余韻に浸っていた。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-31 23:00:26) |
52.感動です!奇跡です!映画館で泣けた数少ない作品の一つです。 【じょーー】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-12-11 12:22:17) |
51.《ネタバレ》 ベンチで座る子供と母親のシーンが、表現しがたいのですが悲しさが画面中あふれていて泣かせます。公開当初デニーロが医師で、ロビンがクランケであることのほうが理想的なキャスティングだと思いつつ鑑賞。どうなってしまうのかなぁ、、、と心配しましたが心配無用です。デニーロはやっぱデニーロだな。最高!最高! 【成田とうこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-26 15:44:10) |
50.《ネタバレ》 人から勧められて観ました。そして自分も人に勧めました。観ると哀しくなる映画ですが、お勧めします。観ると哀しくなるのになぜお勧めするかは・・・観ればわかります。 【ラスリープ】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-29 01:41:30) |
49.二人の名優に魅せられました。脚本だけではなくストーリーや患者の想いを見せ付けるカメラワーク。こういった邦画にはいつになったら出会えるのだろう。この作品は1990年作。2006年作の「明日の記憶」でも比べると見劣りしてしまう。16年の月日でも超えられない。しかし名作とはそういうものなのだろう。 【あるまーぬ】さん [地上波(吹替)] 9点(2008-01-15 13:00:49) |
48.一番の良薬は「愛」なんだってことに気付かされた……人の持つ心と、その中で見出されるたくさんの夢や希望が、どんな最先端の医療にも劣らない素晴らしい良薬なんだってことに。その結末が束の間の夢でも、奇跡でも、信じることの大切さや時間の尊さを身に染みて感じ取ることができました。 【南の二等星】さん [地上波(吹替)] 9点(2008-01-13 16:15:43) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 物凄く心に残る映画(´Д⊂グスン 新薬投与によって奇跡の目覚めを起こす患者をロバート・デニーロ。上手すぎます。懸命に患者を元に戻そうとする医師にロビン・ウィリアムス。目覚めて今までやり得なかった事をしていく様はとても微笑ましく、徐々に体が戻っていくやるせなさに胸が痛くなりました。実話であり見応えありました! 【うさぎ大福】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-03-29 21:37:23) |
46.とても悲しいけど、不思議な映画。実話というのに驚き。奇跡って起こるんですね。 【Fukky】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-02 14:43:00) |