11.《ネタバレ》 L.A.と言えばハリウッド、ビバリーヒルズ、ロングビーチ・・・。一度は行きたいと憧れる、華やかな街。雑踏の中姿を現す、仕事に徹する1人の殺し屋と、生活臭漂う1人の平凡なタクシー運転手。華やかさとはかけ離れたローカルなL.A.の街並みを軽快なラテンのリズム、しっとりと落ち着いたナンバーで車を流せば、夕暮れから夜へとかけて俯瞰で眺めると、いつもの街並みもまた違った顔を見せてくれる。ヴィンセントとマックス、「仕事」は違えど、「仕事」をする男に違いはない。ヴィンセントは普通の、仕事の出来る男だ。マックスから見れば「殺し」を職業としている人間は「普通」に見えないだけの事。ヴィンセントも倒錯している訳でもない。「6年」も同じ仕事を続ければウデは上達し、誇れるし、人にものだって言える様になる。それに比べてマックスはどうだ?「12年」もタクシーを転がし、これは「仮の仕事」だと言い、夢を夢のまま終わらせようとしている。最初に殺した男を地球の人口60億の内の1人だと言うヴィンセントは自分のしている事を正当化する訳でもなく、事実を日々気にしない偽善的な態度をとるマックスに苛立つ。ヴィンセントにしてみれば仕事をして何がおかしい?という気持ちなんだと思う。そこには感情に左右されず に躊躇する事のない冷徹なまでの仕事ぶりを披露するプロの姿がある。刑事ファニングをいとも簡単に撃ち抜き、「仕事だ。」とさらっ、と言うヴィンセントに「殺し」に対する罪の意識は全く無い。目的地まで宣言通りに7分で着くドライバーの勘が鋭いマックスと同じで、「仕事」が出来るだけなのだ。そんなヴィンセントの考えを否定し、「人間としての根本的な何か」が欠けてると説教を垂れたマックスに対して露わにしたのは怒りよりも不快感。中途半端にしか仕事が出来ないお前に言われたらお終いだ、という冷笑。なぜお前は俺の仕事が理解出来ない?という苛立ち。「マックス!これが仕事だ!」と言うヴィンセントの叫びは、分かって欲しかった。そしてお前も男なら「本当」の仕事をしてみろ、と。殺し屋という孤独ゆえの、そしてプロとしての叫び。短くも一夜を共にした男に教え、教わった、もしかしたらマックスと話せた束の間の喜びだったのかもしれない。そしてマックスはきっと夢に一歩近づいたと思う。ヴィンセントのおかげで。 【miki】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-01 22:40:13) (良:4票) |
10.いちいちカッコイイ映画。序盤のタクシーでのマックスのセリフはどれもみな素朴でいい。 【南の二等星】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-10-29 03:17:19) |
【くまさん】さん [地上波(吹替)] 9点(2007-10-23 20:14:52) |
8.「プロの殺し屋なのにマヌケ過ぎる」という意見があるけど、んでもゴルゴ13みたいな完璧な殺し屋の方がむしろ非現実的なのであって、本物の殺し屋はこんなもんじゃないの?(知らんけど、多分)と思い、別に違和感は感じませんでした。それに一晩で五人殺さなくちゃいけないって依頼がそもそも大変な仕事なワケで(・・・今フト「最初から一人じゃなく、複数の殺し屋を雇えば確実だったんじゃないの?」って思ったケド、まぁ、良いじゃん。世の中には気付かない方が幸せなことも、たくさんあるのよ)。僕はマックスが依頼人の前で開き直るシーンが良かったです。後は・・・何人もの方が熱いレビュー書いてらっしゃるからまぁ、良いや。クールだけど熱い映画です。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-15 19:42:14) |
7.《ネタバレ》 殺し屋の手際がイマイチ、運転手が逃げ出せそうなタイミングが何度もある、そもそも何でタクシーを利用するのか等々、ストーリー展開上の穴(というかツッコミどころ)は結構ある。 けれど、それはあまり重要ではない。 というよりも、そこに焦点を合わせてしまうと、製作者が語ろうとしているもっと重要な部分を見失う。 都会の片隅で、善良な一市民が偶然に出会った悪夢。 それは非常によくできたブラックファンタジー。 「善良ではあるが、茫洋とした日常の中で未来へのステップを躊躇う羊」 と 「凶悪ではあるが、まさに現実の中をリアルに生きる孤高の狼」という対比。 「状況に適応するしかない」、「お前は夢を語るだけで、その実何も行動を起こさない」、「これが"仕事"だ」。 痛烈に胸に突き刺さる辛辣な台詞。 タクシー車内の濃密な空気感。 互いの心理描写の妙。 マックスが殻を破っていくカタルシス。 「いつか完璧な状況が整ったら」。。。 いつか? それはいつだ? 明日か? 来週か? 来年か? 10年後か? 50年後か? 実はお前の人生、そのまま何も変わらない(変えない)んじゃないのか? 容赦なくそう突き付けてくる。 何かをつかもうとするとき、全てが順調に進むことなどあり得ない。 そんな「機」を待つばかりでなく(もっと言えば、「そんな言い訳ばかりしていないで」)、不測の事態を恐れず状況に適応する(逆境を乗り越えてでも必ず手に入れるという)強い意志を持って「行動を起こせ」と。 「目的を達成する」というのは完璧な状況ができるまで待っていてできるものなんかじゃない。(今の俺のように)次々と起きてくる問題と取っ組み合いながら前進するその先にあるものなんだ。 「これが"(実現するという)仕事(の本当の姿)"だ」と。 そんな強烈なメッセージがこめられた、非常に痛快な作品。 ただ、このテーマが心に響かない人には、ただの二流アクション映画に見えちゃうだろうけどね。。。(笑) 【とっすぃ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-19 03:22:18) (良:7票)(笑:1票) |
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6.《ネタバレ》 いやーこれ何回も見てしまった。マイケルマン。とりあえずリアリティを追求したかったわけではないらしい。トム体がキレててよかったですね。ただし老けづくりには失敗しているので見た目的にヘンだが。丁寧につくってあるなあ。タクシーの中の場面とか。標的の部屋のインテリアとか。これはたぶんラストに「俺はただ食うための仕事してるだけなんだぞー」と言わせたかったためにつくった映画なのでは。ディスコの音楽が不気味。いいような悪いような、耳について離れない不思議な曲ですね。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-14 23:27:36) (良:1票) |
5.ここに登場するT・クルーズは殺し屋だが、むしろ淡々と仕事をこなすビジネスマンといった印象で、従来の殺し屋のイメージとは大きく違う。初の悪役という事もあり、おそらく型通りの役作りを彼自身が嫌ったのだと思われるが、その為か、表層的には冷酷で非情な男ながら、かなり人間臭い面も表現できたように思う。そして一方、都会を仕事の場として生きている事では、J・フォックスのタクシー・ドライバーも同じである。違うのは仕事の中味。目的と手段とが異なる二人の男が一つの車に乗り合わせた事により生じる熱いドラマ。都会にささやかな人生の望みを抱いて生きてる男と、生きることに疲れ、こんな生き方しか出来ない自分に嫌気がさしている男。本作はそんな対照的な二人の男の生き方を通して、クライム・サスペンスのスタンスを保ちながら、都会で生きることの孤独を痛切に描いた作品である。とりわけ“街の片隅で野垂れ死にしても誰も気に止めない。都会とはそういうものさ。”というような意味のセリフは、自らの行く末を暗示すると同時に、父親の死に様の含みをも持たせ、都会の冷淡さと厳しさを痛烈に感じさせるエピソードとなっている。だからだろうか、生きていく事に執着するドライバーに対し、殺し屋は死に場所を求めて街を彷徨っているようにも見える。話が進むにつれて二人は、殺そうとする者とそれを阻止しようとする者として対立するのだが、孤立無援で闘いに挑むフォックスに対し、クルーズをターミネーターのような怪物に仕立て上げたのは、演出プランの計算違いというものだろうか。しかしそういったストーリーやドラマツルギーよりも、日常・非日常の世界が渾然一体となって息づいている大都会そのものが主役である事こそが重要なのであり、ロスの夜を舐めるように活写したカメラが見事な効果を上げ、そしてそれが美しく魅惑的であればあるほど、人間の寂寞感がより際立つ役目をも果たしている。終始都会的センスで描き切ったM・マンの力強い映像は、言葉よりも雄弁で、やはり凄いという他ない。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-26 18:17:41) (良:5票) |
4.ロスの夜、満喫!驚くほど美しく大人なロスの夜。おとなしいマックスの生き方を激変させた、殺し屋ヴィンセント。またヴィンセントにとっても人間的な感情を揺さぶったマックスの存在。(ホントだったら、マックスはさっさと殺してしまってもいいはず)二人の心理的な関わりが、非常に面白い。 それにしてもトムのクールな色気がいい!今回一気にファンになった。 |
3.最初から最後まで飽きずに見れた。ヤマ場はあんまりないけどみんなの抑えた感じがよかった。きっと彼は会社を作るよな!あんな経験したらこわいものはもうなにもないでしょう~。 【きょんきょん】さん 9点(2004-11-16 22:33:56) |
2.《ネタバレ》 みなさん評価低いんですね・・・。 派手なアクションやハラハラするサスペンス的展開を期待していた人には拍子抜けの作品だったのでしょうか?会話がメインの映画でしかたらね。私は、オープニングのアニーとマックスの会話から強く惹く付けられました。 「吐く人もいるけれど、私は胃が強いから涙を流すだけ」。検事という社会的な地位に恵まれ、容姿にも恵まれ、ユーモアセンスにも富み、傍から見ればすべてうまくいっているように見える彼女の脆さが垣間見えた瞬間です。他、ヴィンセントとマックス、ジャズクラブでの会話等、身に詰まされる話しが多くて感慨深く鑑賞しました。ディスコの銃撃シーンもクール!こんなにトム・クルーズがかっこよかったなんて。細かいところを指摘すればおかしな点、物足りない点は沢山あるんだけれど、鑑賞中は全く気になりませんでした。音楽のセレクトも最高!個人的にとても印象の残る映画です。繰り返し観たい好きな映画です。 【ゼロ】さん 9点(2004-11-02 23:44:56) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 一夜で二人の男の運命が大きく変わりましたね。車内の会話のやりとりで互いの心理に影響を与え、変わっていく姿がおもしろかったです。トムの仕草や行動や走り方がとてもカッコよかった!チンピラを撃ったシーンとクラブでの銃撃シーンは痺れました。ヴィンセントというキャラクターが非常に魅力的でした。高解像度のカメラで撮ったというロサンゼルスの夜景がとても綺麗でした。それと道路を横切るコヨーテの姿が印象的でしたね。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-11-02 00:17:30) |